長手数の詰みよりシンプルな必至を。

個別指導(vs小学生)での練習将棋から。
お互い30秒の秒読み、後手が私、劣勢ながら怪しく25桂と迫る。
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ここで先手は状況判断が出来ないと一瞬にして勝ちを逃してしまう。

例えば、自然な22桂成は・・・
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同金、同成桂、36桂であひゃ。
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こういうアホなミスをしてはいけない。

私の読みでは11飛と平凡に打たれて負けだろうと思った。
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△31銀と打つようでは先手王への脅威が消える。
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こういう手は希望が無いので指してはいけない。

従って、11飛の王手には42王と気合で上がる予定でした。
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まぁ負けなんだろうけどゴチャゴチャ筋が入り乱れているので30秒で間違ってくれたらワンチャンあるかもな~と思っていました。

しかし、先手の指し手は違っていた。
下図以下…
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▲62成銀!!
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!?
えぇぇぇぇ( ゚Д゚)
タダで銀くれんの?w
持ち駒銀2枚で先手玉に詰めろかかっちゃったけどダイジョウブ?って思った。
以下、同金。
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どうするんだろうと思っていたら、そこで・・・


11飛!!
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ほぇあああああ( ゚Д゚)

しびれました。
なんという事でしょう・・・。

42王と逃げたら51竜以下簡単な詰み。
従って、31銀と使うしかなくてそこで~~

62角成り!!
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明快な必至で投了。
すんごいシンプルに負けてしまったw

それにしても驚きましたね。
こんな「次の1手」のような感じで負かされるとは。

いや~さすが日頃から「終盤の次の1手」を解いているだけあるな~と思いました。


◎感想戦
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この局面では、本譜の▲62成銀でも勝ちだが・・・
ふつ~に、11飛、42王に・・・
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51飛成とイモ筋で簡単に詰みという事を確認した。
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まぁこれはこれでいいとしよう。
イモ詰めではあるが長手数なので30秒で万が一読み抜けがあったら取り返しのつかない事になるのでシンプルな必至を選んだ方が賢明ともいえる。私も詰んでいるだろうなという局面で、保険流で必至をかける事はよくあります。人間はソフトと違って計算能力に限界があるので、確実な方法で勝ちを目指した方がいい時があります。
(将棋の勝ち方も色々あるので、詰み以外の勝ち方を知っておくと便利。)


はい、こっから先は趣味の世界です。

では、
本譜の▲62成銀と銀を捨ててから▲11飛と打つ筋が唯一の勝ち筋でした~という「次の1手問題」を作りたい場合は下図の条件(駒のポジション)をどう変えればよいのか?
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それは▲11飛の王手には42王と逃げると後手勝ちになるという局面作るという事でもあるのだが、感想戦で色々考えたのだがなかなか難しい。
13成桂か14桂馬のどちらかを消すとうまくいくかな~と思ったのですがそうでもないんだよなぁ~。

 いや~「次の1手問題」ってソフトに聞いても解答が返ってこないので作るのってすんごい手間かかりますよね。詰将棋作家という人達はいるけど「次の1手作家」という人達はいるのだろうか。

まぁいずれにしても次の1手問題は、作るんじゃなくて解くのが一番良い。笑

詰み必至凌ぎ自玉の状況判断普通の手とかいろんな要素が混じっているのでやっぱ解いていれば力はつくんだろうなと再認識しました。


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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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