【凡人の全国大会論】
私の学生時代(中学校~高校)の目標は全国大会入賞でした。
うまいこと勝てば楯と賞状が貰えて学校で表彰される…田舎なら英雄なので目指さない手は無い。
ただし間違っても全国優勝とか奨励会入りたいとは思わなかったなぁ~。
同じ道場に山形出身プロがいてその努力量を見ていたので「あ~やっぱりこれくらいやらないとコンスタントに全国入賞には絡めないのか」と知っていたのでね、はい。
でも入賞なら運がよければ可能かもしれないと思っていた。
というのも小・中・高の全国大会入賞の基準はピンキリ。
ベスト8で入賞ならば、組み合わせ次第で強豪と言われる方に当たらなくても入れる可能性がある。中学選抜・高校選手権・高校新人戦は激アツ大会でこういうところで強運を発揮する必要がある。
しかし、小学生大会・中学生名人戦・高校竜王戦はベスト4からの入賞である。必ず一人以上は強豪を倒さないといけないのでハードルが高い。
【試行回数は大事】
私は中学時代は地元山形で行われている中学選抜しか知らなかった。
その大会で中3にして初めて予選落ち、親に東京で中学生名人戦という大会があるから出るかと言われた。結果、ベスト8。運と組みあわせ次第で予選落ちからベスト8まで経験した夏、試行回数は大事だな~と思いましたね。
なお、関西で中学生王将戦という大会もありますが東北からは交通費等のハンデもあるので参加は大変かもしれません。
高校に入ると、選手権・竜王戦・新人戦と1回ずつしか全国大会に行くことが出来ませんでした~。最高でベスト16、う~ん弱い上に試行回数が足りないね。あひゃ~。
【県大会と全国大会のギャップ】
◎県大会
・ある程度顔見知りなので作戦も練りやすい。
・序盤は本を読んで終盤も4段あればなんとかなる。
・結局、地力の勝負になりがち。
まぁ、きちんとやるべきことをやっていればやっていない人が大多数なので上位入賞できるのが県大会。
◎全国大会
・前提として全員強い、中には大人の全国大会で活躍するような化け物クラスまでいる。
・田舎でブイブイ言わせている程度の終盤力では全く通用しない。少し悪くなるとそのまま持っていかれて負ける事も結構あった。
そうなると、序盤でなんとかミスしないようにと思うわけです。
・しかし田舎流だと通用しない。
まず、本に書いてある形を指すと相手の用意してきた必殺の仕掛けに狙いうちされてしまう。
正直、見た事もない仕掛けに対して短い持ち時間でその場で対応して勝つというのは大変です。県大会みたいに相手が弱ければいいんだけど普通に強いですからね。
しかもそういう仕掛けってたいてい自分が知らないだけで他の県代表に聞くと、「それ、〇〇流だよ」「それ、研修会で流行っているやつだよ」「〇〇高校流だよ」と返ってきてあひゃ。
対策としてよく言われるのは、「序盤1手1手の意味を普段の定跡の勉強を通じて学べば未知の仕掛けにも切り返せるよ」って話。まぁこれはその通りなんですが十分な経験値を積まないと厳しいだろうねというのが本音。学生であればめちゃくちゃセンスが良い人を除いたら難しいのかなと思います。
現実的なのは、色んな人と色んな将棋を指し色んな棋譜を見る事。
一度くらった仕掛けはメモして対策を考えて重ねていくしかない。
ネット24は、「15分」だと対局数をこなせない=色んなパターンの仕掛けを浴びる事が出来ないので早指し専門に転向しました。序盤の経験値を積みたいと思ったタイミングが切り替え時かもしれませんね。
ただし、仕掛けを受けては修正を繰り返すやり方の弱点はそれが大会本番まで永遠と続く事。それでは困る、感想戦なら勝ってました・正しく指せば勝ってましたじゃ意味が無い。いつまで立っても負け組だ。
それを経てそもそも自分が仕掛けをくらう側に回る方がおかしいんじゃないかとだんだん思うようになってきた。この話はまた後で。
【全国大会を経験して思った事】
全国大会で地力が微妙な凡人が勝つには、
・序盤でリードする
・終盤はリスクを冒してでも踏み込んで勝つ
の2点。
序盤は、今も昔も本に書かれている内容は相手の研究対象。
それを知った上で先にある変化(本に書かれていない内容)をどれだけ知っているかで勝負が決まる。奇跡的に研究していた変化が炸裂して前年度全国優勝者に勝った事もあった。
しかしである。
メジャー戦法はハードルが高すぎる…。
修正しても修正しても毎回見たことの無い仕掛けをくらうというね。
そこで対策されにくいマイナー戦法を選択肢の1つに加える事にした。
ー『メリケン向かい飛車』ー
これは自分から動いていける作戦なので主導権を取りやすい。
それまで毎回受け身だった私の将棋が変わった、攻めていけば相手が受け間違えてくれる!勝率が上がりました^^
と、同時にこんな事も気づいた。
「将棋は自分の勝ちパターンを持つことが大事なのでは?」
パターンにさえ入ればかなりの確率で優位にゲームを進める事が出来る。
もはや相手が強くても弱くても関係ない。
作戦って大事だな~って思いましたね^^
終盤は、詰将棋が解けない体質なので実戦の中で読みの力を伸ばそうと思った。
心掛けた事は、中盤くらいから直線の変化に切り込んでいこうという意識。
相手が強くても読み切ってしまえば勝ちです。
そのため、日頃から3手差で勝てる将棋もあえて最短ルートで勝つ練習をしていました。練習で格下の相手とやる時は自らに負荷をかけるのがおススメです。
※強い相手にリードを保ったまま勝つのは難しい。
相手の方が強いので色々と技を出されて気がついたら逆転とかよくある。
優勢であればリスクをとってでも切り込むのが良いのかな。
【いつ勝つのか?】
小学校~高校までは勝つと学校で表彰・推薦に役立つなど目に見えて良い事があった。
田舎の学校で全国入賞しようものなら神童扱いでは?
ここらへんが親子で一番モチベーションの高い時期だと思う。
というかね…
このへんで勝たないと「世代別の大会」がシニア名人戦まで無くなるので上位入賞するのがいきなりきつくなる、勝つなら今。
大学生になると勉強と将棋から解放され色々と覚える時期。
大会で優勝しても表彰されるわけではないので、モチベーションも下がる。
私は団体戦が楽しかったのでかろうじて将棋を続けていました。
社会人になるともうかなりモチベ低いです。
何はともあれ仕事優先なので将棋どころでない。
でも、今は自分が全国入賞出来なかった分、若い子には勝ってほしいとは思う。心のどこかで「あの時勝ちたかったよね」って未だに思うもん。そうならないように頑張ってくれ。
- 関連記事
-
コメント