少年時代、実家の本棚にはとにかく色んな種類の将棋の本が置いてあった。
定跡書をはじめ古典詰将棋、大道詰将棋、古典必至集、将棋漫画、将棋エッセー、大山全集…などなど父親がどこからともなく集めて来た。
私は定跡書以外あまり興味が無いのでそれしか読まない、特に四間飛車周辺が好みだったのだがふとした瞬間に自分とは関係ないテーマの本を手に取る時がある。
現在は、実家の本棚の相当数をブックオフに売り飛ばした。
しかし先日残っていた本を眺めていて「なんだこれ?」と手に取った本がある。
それが鈴木英春先生の『必殺!陽動振り飛車』である。
英春先生の、『必殺!かまいたち』『19手定跡』『必殺!右四間』は少年時代に読破した記憶があるのだがこの本はほとんど記憶が無い。面白そうなのでめくってみました。
目次を見てあっ!!(゜レ゜)
つくつくぼうし戦法って聞いたことあるけど英春先生発祥なのか!
知らなかったです。
仮に『つくつくぼうし戦法』という本があっても絶対読まない、調べようとも思わない。
しかし英春先生発祥となれば話は別!!全然別!!
ページを夢中でめくる\(゜ロ\)(/ロ゜)/
すると、つくつくぼうし戦法とは・・・
左香落ち上手の戦法として編み出されたものだったんですね!!
ひえぇぇぇぇ。
英春先生からアツいメッセージも心強い。
これはすごい戦法かもしれない・・・、高まる期待!
はい、こっからは戦法についてざっくりとした感想です。
つくつくぼうし戦法(後手・左香落側)とは簡単に言うと下図が基本図。
85歩と35歩が妙だがこれがなかなか手ごわい。
以下、77銀 or 77角で8筋を受ける将棋になる。
順に見ていこう。
1、77銀には45歩!
これが骨子。
以下、78王、84飛!、56歩、34飛!が真の狙い。
陽動振り飛車ですねぇぇ。
こっから72銀+71王の美濃に組んで飛車交換を挑めば11の香車が無いので上手有利という仕組み。なるほど~~、上手の剛腕が出せそうな将棋で確かに面白そうです。石田使いの人は特に勝ちやすそう!
2、下図以下77銀にも…
84飛と浮く。
77角の角筋が通っているので△45歩と突けず34飛構想は不可。
どうするのかと思ったら・・・
以下、79王、74飛!、26飛、54銀!と指すようです。
これは目から鱗です…。
次は65銀と突っ込む感じですね。
う~~ん、かなり突っ張った指し方ですが勝負になれば上手としてはまずまずか。しかし今はソフトがあるのでこういう揺さぶりは成立しているのか調べたら…ちょっと嫌な予感がします。(私は調べていません、ロマンを大事にするので。)
まぁ細かい変化等は書籍の実戦譜でお確かめください。
左香落ちは勝負術の将棋だと聞いたことがあるので突き詰めて考えたら上手が悪いに決まっているのでソフトにかける事自体がナンセンスかもしれませんね。
面白すぎたので1冊まるごと読みました\(^o^)/
序盤の様々な構想・考え方が載っているので読んでいて楽しい~~。
私事ですが頭の序盤中枢が刺激されてこの戦型では無いですがいろいろとアイディアが浮かんできました。
研究に行き詰まっている方や定跡将棋に飽きてきた方は序盤の天才である英春先生の本を読んでヒントをもらってみてはいかがでしょうか?
興味がある方は、絶版していますがなんとかして本をお買い求めください(^_-)-☆
- 関連記事
-
コメント