H28県名人戦 武田さんvs高橋君


将棋勝てないから評論家・コメンテーターになりました。

4/19から山形新聞で連載された観戦記の感想を書くよ。
※棋譜や局面図は、著作権にひっかかるかもしれないので載せません、山新を取りましょう。

I井事務局長の観戦記にあるように、先手の武田さんは昨年の支部対抗戦東日本大会でベスト4で四段獲得、他にも世界大会で全勝優勝の実績があるワールドクラスの強豪。

高橋君 is 小学生。
角交換振り飛車をメインで指しているが…今回この将棋を見て、「ついに来るべき時がきたな~」と思って書いた。
 武田さんは全力で素晴らしい教材を提供してくれた、武田さんが勝ちはしたが後輩を育てたと言える。
 で、すごく難しいので将棋の意味ある手順について説いてみせよう。

・武田さん初手26歩。
 これは明らかに、高橋君の角交換振り飛車を警戒したもの。そもそも武田さんは振り飛車がメインの選手なので26歩には「どうせ角交換振り飛車しかできないんでしょ?」という皮肉が込められている。

・武田さん3手目25歩。
 33角と上がらせる事で、角交換振り飛車系の力戦振り飛車全般を消す。

山形ではこの手法をとる居飛車党がかなり多い。
つまり、山形で振り飛車を指すにはファンタジー溢れる角交換系の振り飛車や早石田を研究してもあまり報われないのだ。
もっとも子ども同士なら「まずは角道をあけましょう(^-^)」って習ってると思うから問題無し、大人には悪意があるから厄介。

・武田さん5手目48銀。
 いわゆる決め打ちに近い。おそらく相手が居飛車党ならこうは指さないと思う、必ず振り飛車を指してくる確信があったのか、振り飛車党特有のギャンブラー気質の手か。

・6手目 42飛車
 やはり角交換四間狙いか!武田さんは賭けに勝った。
つまりこの局面で42飛車と指してくれるのであれば角道を保留した武田さんのある狙いが通ることになる。武田さんの頭に幸福のメロディーが流れたピロリロリロ~♪

・7手目68王
角道を保留してこの後も駒組みを続ければ振り飛車側は、「穴熊か美濃か」の決断をしなくてはならない。基本的に居飛車の形を見て振り飛車が形を決めたいところなのだがそれを逆にされると削られます。

・8手目32銀
これは形を決めすぎた感がある、後に42銀と中央へ活用できない。とりあえず王様を82まで移動させた方が良かった。武田さんも安心したと思う。

・武田さん13手目
本譜は58金右だが57銀と心を鬼にして指してほしかったw 
次に66歩と角道を止めてから76歩とすれば絶対に角交換振り飛車にはならない。
いきなり武田さんが正統派の指し手に戻った印象、78王型を作れば角交換振り飛車は怖くないということか。

・14手目44歩
自ら角道を止めるノーマル四間飛車を選んだ手で勝率4割の世界へ(拙者)。
そもそも高橋君がノーマル四間にめちゃくちゃ精通しているなら常にノーマル四間を目指すはずだしね。
ここから四間美濃は武田さんの得意の居飛車穴熊が、四間穴熊にすると武田さん自身四間穴熊のエキスパートクラスなのでどちらも勝てるイメージが無いという悲劇。泥沼にハマった感がある。

結論として44歩と指さずに82王と寄り、64歩から62飛車と回る変化が最有力だったと思う(このとき32銀が決めすぎなのが痛い、中央に銀を運べない)。定跡書にもいっぱい書いてあるのでこれを知ってるだけでも角道空けてくれない居飛車党の有力な対策になると思う。

・17手目45歩
 これは…ベテランが大好きな昔ながらの形。おそらく振り飛車勝てない。
 33角成、同銀、57銀として左美濃にして位を取られるくらいでも振り飛車の動きが難しい。
 さらにいうと穴熊にされても振り飛車相当勝てない。これが43歩型の角交換振り飛車ではない功罪。

・19手目66歩
武田さんらしい手。穴熊にして勝利の期待値を高めようとしている。
振り飛車も穴熊にしたいところなのだが45歩が伸びすぎでバランスが悪い。
したがって美濃を本譜のように選ぶことになる。

・35手目88銀の局面
 振り飛車の勝利期待度は3割無さそう。
 後手四間美濃44銀型を指すなら94歩と95歩を省略して中央に手を回さないといけない(定跡)。それを証明したのが武田さんの一連の手順。

・37手目68銀
 武田さんの松尾穴熊完成が受からず困りました。本来であればこの局面で73桂と54歩が入っていて68銀の瞬間に55歩以下の定跡手順で暴れてどうかというところ。その変化は激減先生が書いた『四間飛車激減の理由』に詳しいが、実戦的に振り飛車まず勝てない(COM並の終盤力があれば勝てるけど)からやめた方がいいと思う。

・41手目68角
これは絵にかいたような居飛車穴熊の必勝形でプロ間で勝率8割以上と言われている。
あとは振り飛車から動いてもらった反動で攻めれば穴熊が勝つようにできている。
この形に組ませないために後手四間は工夫する必要があったのだ。

と、ここまでの手順、背景に色んな振り飛車の歴史やらエッセンスが詰まっていて大変素晴らしい棋譜だと思いました。

・55手目54歩
 これはどういう意味だろうか、高橋君チャンスだったかも。
 同飛車と取って、55歩なら51飛車で48歩が残るので振り飛車もまだやれそう。
 というのも、1歩手持ちにしたのが大きい。
この形はいっぱい歩を収集して端攻めに賭けるのが鉄則だと思う。私の基準では、3歩なら「もしかしたら?」、4歩あれば「かなりやれる」、5歩あれば振り飛車有望という感じですね。


とまぁ、第2譜までの感想を書いてみました。
 第3譜以降は、終盤になると思うので後はI井事務局長の観戦記を読みましょう。

 なお、この文章だけ読むと武田さんがすごくひねくれた人に思えますが、とても紳士な方ですから誤解されないように(笑)。ただ、単純に将棋は性格悪い人が勝つゲームなだけなのです。
本に書いてある角交換振り飛車のメイン変化を受けてくれる人はよっぽど自信あるか、練習将棋か、またはとっても優しい人だけだと思います。

 やや厳しめの講評ですが角交換振り飛車がダメなわけでないけどそこから派生するレパートリーを増やした方がいいよって話でした。
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コメント

とっしー

No title
この将棋、私が記録を採っていたのですが、
なかなか面白かったです。
高橋君もこれから村山地区予選会にどんどん出て、
諸先輩方にもまれることでしょう。
楽しみです。

あべしん

Re: No title
とっしーが取ってたんですか!!
面白いですよね、この将棋は現代将棋と昔の将棋の2つの要素がありますからね。
俺なら記録係しながら口出しして教えちゃうかもしれません。
村山地区予選は鬼ですが強くなると思います。

-

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あべしん

T様
今回のブログは対局者の武田さんや学生強豪諸々からも反響があり、皆応援しているようでした(^_^)
なかなか難しい内容だったと思いますが、みんな分かっててもそこまで教えてくれないので参考にして頂ければ幸いです。
わたしが親にしてもらってありがたかったのは、将棋の本(定跡書)がたくさん家にあったことです。それ読んでわからないなりに云々考えてました、本を読むのはいつの時代も基本になりそうです。ただ、将棋の本は小学生には漢字が難しい、表現がわかりずらい、構成が理解しづらいと挫折ポイントがいっぱいなので助けてあげると良いかもしれません。

元部長

将棋は闇のゲーム(数理科の小並感)
今回もかなり面白くそれでいて興味深い内容でした。最近だとponanzaが電王戦で初手26歩と突いたのがいい例ですね、振り飛車がわが角交換する乱戦をほぼほぼシャットアウトできるという点で優秀な気がします。
  ある意味今の時代は初手26か56歩が最善な気がしてくる雰囲気です。76歩は平凡すぎる的な感じですね。

指せば指すほど将棋は深ーーーーーーーーーーーーーーい(10^10000000ぐらいかな?)と感じます

あべしん

Re: 将棋は闇のゲーム(数理科の小並感)
残念ながら数学は魔法の力を信じなかったら進級出来ないとこまでいったので、あなたの最後の行の数学的比喩法がよくわかりませぬ笑。頭悪いと面白いことも面白いと感じられない悲劇~_~;

76歩は確かになー、仮に34.75と早石田になっても最近は勝てないイメージ。昨日も久保先生普通に丸山先生に負けたし。

26歩が最強な気がするなー

元部長

解説
^っていうのは階乗って意味で
4^2=16
3^3=27みたいに左の数を右の数の回数分かけるって意味ですよw

つまり3^3=3×3×3

またひとつ賢くなれましたねw生涯学習大事っす(雑な煽り)


厳密には将棋は初手30通りあるので全事象やったら1億じゃ足りない世界が広がるんでやばいっすw

その中から洗練された効率の良い手のみを指すというのが定跡なるものです。

以上数学苦手な方にもわかるかもしれない数学講座でしたw
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・山形県のアマチュア将棋ぷれ~や~!
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