私の将棋史 ~卒業~【花開く53銀型四間飛車】

前回記事⇒私の将棋史~誇りを取り戻す戦い~【流転する人生の局面図】


転勤で山形に来ていたS野君から「東北六県大会出ようぜ」と声を掛けられやる気が出たあべしん。さて、どうなることやら…。

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【続27歳】

5月 県将棋選手権

とりあえずこの大会でベスト4に残らないと東北六県大会の出場選手を決める県最強戦にすら出れないのでがんばるぞーいと。

 

・予選 ▲M田さんvs△あべしん
急戦の達人M田さんに53銀型四間で挑んでみた。

44銀(研究)とぶつけたら34歩と打たれて必敗形に。
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こっからクソ粘りで…
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なぜかこうなって勝ちました。

舟囲いなら最終的に勝負になるという哲学が活きました。


・そして、本戦1回戦でY寺さんに勝ち。

 スト4進出で最強戦の出場権をGETしました~。


・準決勝 高校生のO形氏と。

  

は?誰こいつ( ゚Д゚)と思いました。

※参考記事 ⇒選手紹介★おがっしー


当時は、私の頭の中に「天童(将棋交流室)出身=将棋が弱い」というイメージがありました(笑)

※今となっては天童から全国優勝者も出るしで信じられない話ですけどね。


なのでこの高校生もまぐれの人かなと、ボーナスゲームだから勝っとくか~と思いました。


【ステップ1】53銀型四間でO形氏の居飛車穴熊に序盤で早々と千日手をキメる。

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後手なのに95歩型+銀冠が完成しており先手からの打開が悩ましい。 

 

【ステップ2指しなおし局はエースの早石田で攻めまくる!!


という私の必勝パターンかと思ったら…


下図、苦戦に陥ってしまいました\(^o^)/

先手が私。

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※局面図正しくは86銀。
ここで▲83歩△同飛▲73桂成△同桂▲74飛が勝負手。

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以下、81飛、83歩、72金、84飛、75銀、89飛、86歩、74銀、15歩。

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後手は桂得ですので端攻めに命をかけてきます。

駒を渡すので善悪は微妙ですが切り込みます。

以下、63銀成、同金、72角。

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難しいと思ってました。

以下、31飛、63角成、16歩、18歩、45歩。

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45歩は急所ですがここで攻めを繋ぐ好手を発見

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86飛!飛車が活用できればさすがに優勢を意識。

以下、色々ともみあって…
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この36金打が手厚く勝ちになりました。

高校生に予想外に手こずってしまいちょっと焦りました。

 

・決勝 vs M子さん

53銀型四間の対策を出されて圧敗でしたー。

ここまでマークされる戦法になったかとしみじみ思いました。


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3位なのにニッコリ笑う尾形氏、不気味だ。 

 

6月 山形県将棋最強戦 

・3位以内で東北大会出場です。 


・▲あべり一さんvs△あべしん
この年の支部名人戦で穴熊をやられて完封負けしていたので対策を立てていました。

それが角交換四間飛車!!

これで穴熊を牽制するはずが…穴熊されました(笑)

 
この局面、後手が私です。49へ飛車成ってくださいと言われ困った。攻め合いは陣形差が出る。というわけで以下72銀打と埋めてバランスを取りました。


終盤、この34角にはびっくり。
 
61銀と56竜の両取り!

そんなバカな、こんな手があったとは・・・秒読み中猛省して72銀打と屈服し竜タダで取られる。

 結局のこの将棋は勝ったのだが感想戦で・・・

あべりーさん「ひどい、タダのとこに角打った

え?最後よくみると34の角は74の飛車でタダでした、あひゃ。


・▲楢沢さんvs△あべしん
ここでも角交換四間で穴熊けん制したはずが穴熊されました。
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※正しくは23飛。
77角のラインから避ける23飛車浮きを発見して希望が出た。

次に22銀と逃げれば振り飛車必勝である。
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以下、こうなって勝ちました!

沢さんあっさりでした。

・▲あべしんvs△H輪先生

57銀型四間したら急戦されて不利になりました。

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37銀打は負けたくないという気持ちの表れ。

その後さらに27へ銀を埋め込み執念で逆転。
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受験生の皆さん、「銀閣は足利義政ではなくあべしんが作りました」、そう覚えてください。

・▲あべしんvs△M子さん
選手権決勝のリベンジしたい!

と気合入っていたんですが…

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この77桂はひどいッスね、
64金と足される手をウッカリして捌けなくなりました。しかし本局は、色々あって…

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4K(桂)作戦で勝ちました、これは内容的にも対戦相手の強さ的にも奇跡レベルの勝利だと思いました。


・【決勝】 ▲あべしんvs△S野くん

必殺の57銀型四間でラスボスのS野ちゃんを迎え撃つ。

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53銀左の急戦確定を見届けてから58金or78金と指すのがコツ。

終了図73銀に67金と上がればそう簡単に振り飛車はつぶれない。


終盤。

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△76角に飛車取り放置で▲48金打と埋めて勝ちを意識

以下は受けつぶし炸裂で勝ちました。
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東北高校新人戦・全国高校新人戦、そして県朝日アマと3タテくらっていたので良かったです。


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Q.なぜ優勝出来たか?

 

A.大学の後輩のM宮氏と角交換四間の研究をしたのが効いた。

当時は角交換四間も出始めだったので居飛車党が明らかに戸惑っていた

なので天敵の居飛車穴熊党あべりーさん・楢沢さん・尾形氏の3局を2-1でなんとか乗り切ったのが大きい。尾形氏に負けたのはちょっとイラッとしたが…笑。


また、居飛車穴熊のスパーリングとして直前に鶴岡支部の例会でS藤Aさんから教えてもらったのもデカい。実際指してみないと距離感とか掴めないのでね…。


というわけで上位3名が[チーム山形]として東北六県大会へ。

 大将 あべしん

 副将 S野くん

 先鋒 尾形氏(当時17歳)fc2blog_20180111210641414_20180119153151174.jpg

↑主要棋戦3位3回wただの勝負弱い人ですか。
とはいえ、高校生で県で入賞するってのは県強豪への王道ルートではある。


7月 東北六県大会 in秋田

尾形氏に私とS野はスーツで来るから制服で来るように伝えたはずが私服できやがった!フリースクールの学生なのかなと思った

 

・1回戦 ▲Mさん(福島)vs△あべしん
53銀型四間vs急戦。
次の1手で手ごたえを掴みました。

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※正しくは47銀。
以下、△42金と引いたのが振り飛車党の極意。

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陣形を引き締め角の打ち込みを消し△76銀を狙う。
以下、38飛に95歩!
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※正しくは95歩。
この端攻めが絶好で優勢になった。勝ち!

 

チームは尾形が勝って2-1で勝利


・2回戦 ▲あべしんvs△F橋君(宮城)

57銀型四間vs穴熊の戦い。

彼は現役東北大生でしたね、東北大って聞くと昔の血が騒ぎます。

私の将棋史 ~大学3年の頃~【東北大包囲網】

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端に桂を避難させて相手の攻め味を消して勝ちました

ちなみにF橋くんとは2年前の東北六県大会全敗仲間でもあります。

 

チームは尾形が勝って2-1で勝利。

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1日目終了、チームは2連勝。

2連敗のS野くんのテンションが明らかに落ちていて面白かった。

 

こけっこっこ~~🐓 (翌日)


・3回戦 ▲あべしんvs△S木さん(秋田)

朝日アマ西東北決勝のリベンジをしたいところ。
事前情報通りS木さん得意の右四間をノーマル四間で勉強させてもらうことにした。

高校3年間S藤Y氏に右四間で負け続けたので耐性はあります。

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54銀保留の63銀型右四間に対して
79銀型の四間から三間に振り戻したのが趣向。最初から54銀型であれば78飛の瞬間に怒りの△65歩をくらうのだが63銀型であればそれが無い。以下、飛車を72へ回ってもらえたので右四間特有の激しい仕掛けを封じる事ができまずまずの序盤。

そして下図。

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79銀保留を活かして57に銀を持っていきました。

持久戦の堅め合いならこっちに分がありますよ、模様で勝っちゃいますよとアピール。


そしたら・・・

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なんと右王にされて負けましたw


強い人は何をしてくるかわからないと思い知らされましたねぇ…(>_<)

戦上手だと思いました。

 

チームは尾形のみ勝ちで1-2負け


3連敗で呆然とするS野くんを横目に尾形を呼び出すあべしん。


あべしん「おい、お前何勝ってんだよ!


尾形「?」


あべしん「お前が勝ったら高校生だけ勝って大人は使えないみたいな感じになるじゃないか!今のは空気読んで負けるとこだったぞ」


尾形「はぁぁぁぁ」


・4回戦 ▲あべしんvs△N川くん(岩手)

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後手が私で少しいいと思ってたらすごい手された。

なんと・・・

自ら・・・
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▲36とタダの場所に突き上げてきました。

いやぁぁぁぁめっちゃ驚きました。

以下、動揺して負け、あひゃ。


そしてチームは…

 

まさかの0-3負け\(^o^)/

あっひゃーーーー。


・最終戦前

2連勝2連敗と悪い流れ。

「さすがに最後は勝って終わろう」と団結。


応援に来たとっしーからタフマンの差し入れを受けとりグビリ。


・5回戦 ▲Tさん(青森)vs△あべしん
下図は、53銀型四間vs急戦の終盤。
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ここで42金、31竜、32金、41竜、42飛とすれば勝ちでした。
最後のぶつけが秒読みで見えなくてやらかしました。
本譜は、図以下△51に金打ったよ、そして
43竜に…

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さらに53へ金を打って・・負けたくないアピール。

以下、祈りが通じて勝ちました。

 

いやぁ…この時期の私はこういう金銀ベタベタの病的な将棋が多いんです。

おそらくこれは精神的にしんどい会社勤め特有の現象だと分析しています(笑)。

なので将棋も万が一にもミスらない(負けないような)棋風になっちゃったんだと思いますねぇ。

ただ、こういう将棋のスタイルは心身共に削られるので長く勝ち続けるのは厳しいと思うんですよ。たまに出くわすんですが「あぁ…苦労しているんだな~」と思ってしまいますねぇ。


さてさて、チームの結果は… 


3-0で山形勝ち!!


ってことは??



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チーム山形3位入賞ぉぉぉぉ( ;∀;) 
H輪監督も笑顔です!
個人成績は大将戦3-2で準優勝でした。
53銀型四間飛車でしか勝ってません\(^o^)/ 


そして、翌日の新聞特集に「成績が優秀な人を出す」と山新記者さんが言っていたので俺かなと思ったら~~



尾形氏が先鋒戦4-1で優勝・・・('_')


はぁぁぁぁ。


あべしん「おい、おまえ何勝ってんだよ!俺が目立てないじゃないか!あと、S野くんの1勝を無駄星にする気か( ゚Д゚)!空気読んで負けろ!」


尾形氏「はぁぁぁぁ」

 

と、こんな風に私が尾形氏を削っているように見えますが実はチームワーク良かったんですよ。これ、証拠の記事です。

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ま、俺が書いたんだけどね(笑)。


なお、大将戦優勝者には5段が与えられるんですが既に秋田のS木さんが5段を持っていたため私に降りてくれるんじゃないか?と期待していたら副将戦優勝の方が5段貰いましたw

 まぁ3-2のソルコフで準優勝なんで「五段」も「新聞」も文句言えませんがねw

 

とりあえず、前回全敗した汚名を少しは回復出来て良かったです。


 

◎ 県職場・団体対抗戦

会社への最後の奉公です。


・予選 ▲つちやん(山形東OBチーム)vs△あべしん

この時つちやんは全国赤旗名人戦で予選を通過していた。

となると53銀型四間を投入するしかない。

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図以下、△42歩が受けの決め手で勝ち。

力を封じた1局だった。

・本戦1回戦 ▲あべしんvs△あべりーさん(寒河江支部)

結構よく当たるんだよなぁ…。
ここでも切り札の57銀型四間を投入。
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△24歩を見て▲68飛車△73桂▲95歩と端から手を作る事に成功。

終盤…
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図以下△64歩と2歩打ってくれて勝ち。

雰囲気的に打つ気はしていた・・・、なんせ最強戦でタダ角を打ったのだから・・・。笑

・準決勝 vsH田くん(三川将棋愛好会)
これは、必勝の将棋を入王されたんですが宣言法で勝った記憶があります。
棋譜が思い出せないのが残念。

・決勝 ▲つちやん(山形東OBチーム)vs△あべしん

本日2回目です。また53銀型四間を投入。

下図、▲16歩に△27歩が狙いの一手。
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以下、風の捌きで振り飛車良くなったはずがまくられました。


下図、75歩はやけくそ気味で突きました。
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同歩で自信無しでしたが本譜は取らなかった。

数手後・・。
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83の桂馬がいるので図以下△同桂で先手からの端攻めが無効になっている。

99の香車いなくなると97に角が打てる。

これは勝ったと思ったら終盤で間違えました。

下図…
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ここで次の一手問題に出てくる手があるんですが分かりますか?

 

 

 

正解は▲53飛!同飛なら79角で詰み。


本譜は▲65桂からばらして下図。
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以下ドラマがあって詰まない王様詰ませて勝ちました。
色々ひどい内容でした。

 
チームも優勝、
これで心おきなく退職できます。


◎花開く53銀型四間飛車

この1年はとにかく53銀型四間で勝ちまくったという感じでした。大学3年の時に社会人になっても勝てる戦法をと思い研究していた成果が今になって現れました。

 ・参考記事⇒私の将棋史 ~大学3年の頃~【東北大包囲網】

あの時、研究を始めてから7年後ですよ…。最初は全然勝てなくて「普通の四間やった方がいいですよ」とみんなからアドバイスされたんですが私も頑固ですからね。


・53銀型四間の参考記事。

 東北六県大会5回戦 vsTさん(青森)との自戦記です。 

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記事タイトル「最強の53銀型」は、私がリスペクトする藤井九段の著書『四間飛車の急所4巻~最強の41金型~』からパクりましたw

 

というわけで将棋も思い残す事が無いので会社員卒業人生の勝負手を放ちます。


次回、

無職となり年齢制限ギリギリで年下達と公務員試験を受けた1年間の記録【16,000文字】

将棋全く関係なし!


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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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