ルーキーがAクラスで勝つためには【上達法】

昔は俺もそうだった。

ジュニア時代は県内同世代の頂点に君臨。
一般大会もクラス⇒クラスと連続優勝してついにAクラスへ!!

はい、勝てませ~~ん(笑)

おかしい、子ども同士の戦いは無敵、大人とやってもBクラスまでならまず負けないのになんでAクラスで勝てないのや~~~!!

という事を30過ぎた今でも思っています(笑)

まぁ、私と同じ事を思っている将来を嘱望されたジュニア選手の方もいるかと思います。

勝てない理由はですね、結局なんていうか…

Aクラスからが本番って事なんですよ。(^<^)

今までは仮初(かりそめ)の舞台だったんです。

ふふ、デビュー戦はたいていの新人がつらい思いをしたんじゃないでしょうか。

「よう、新人、ちょっと遊んでやるよ」と面白いように盤の上で転がされたあげく最後ドン!!場外☆みたいな相撲を取られるわけです。

猫だましをしちゃう横綱もいちゃうわけです、にゃ~ん。

一般大会のAクラスの特徴としては…

まずは出場者の層が全然違うよねって話。

新旧県大会優勝者ぞろぞろ、県代表クラスぞろぞろ、それを追っかける層もぞろぞろで明らかにレベルが違います。
計算して確実にあの人には勝てる!ってとこが無いんです。

しかもよくよく考えると、大人でAクラスに出ている人ってそもそも世代のエースだった人、つまりジュニア時代にもエースだった人が大半なんです。その頃に将棋をやっていた子どもは大抵様々な諸事情で将棋を卒業されるんですが未だに将棋をやっている彼らは色んな意味で只者ではないですよ。

ようするにAクラスは、化け物しかいないと考えてください。

そんで、将棋の質の話。

今までのクラスだと定跡を勉強してくれば勉強したとおりに相手もハマってくれて将棋ちょろい~って感じじゃなかったですか?あとは、定跡形にならなくても相手が弱いんで力将棋でめちゃくちゃやっても勝つ!!正直、終盤ラスト3手あれば逆転できる!みたいなノリの部分もあったと思います。

Aクラスは違いますよ!!

まず定跡なぞる展開にはなりません(笑)。
なので教科書に書いているような綺麗な将棋にはなりません。

Aクラスプレーヤーは洞察力が優れているので何かを察知してその場で自分の頭で考えていろいろと変化してきます。

最初は得意戦法で遊んでくれても2回目3回目からは「その戦法すらさせません、あなたの苦手を徹底的に突いていきます」みたいな勝負将棋を指してくる人が多いです。

練習では好きなように得意戦法をやらせてくれた憧れのあの先生まで豹変して本番ではとんでもない事をやってきたりします。

将棋は勝負だからしょうがないんですがね。

対策としては、変化に対応できる思考力をつける事ですね。これは、日々学んでいる定跡の1手1手の意味を考えることで現場対応できるようになると思います。

例えば… 
・「これにて良し」から具体的にどう勝ち切るか?
・手順中に指されたら困る手は無かったか?
・同じテーマを扱っている本と比較してどうか?
・そもそもこの変化になるのか?何かヤラセ手順はなかったか?
など考える癖をつけたほうがいいと思います。
 
ぶっちゃけ言うとそれらの疑問に対して今はソフトで答えが出るので人間が考える箇所が無いですよね!ソフトのおかげで効率化されたのが良いようで良くない、つまり思考力を養うには時代に逆行して無理やり自分で考える箇所を作っていかなきゃいけないんだと思います。

あと、Aクラスプレーヤー相手に無理攻めしたらたいてい受けきられますね。
そんで受けまくられて逆転不可能な感じで大体負けます、将棋にさせてもらえません。なので、上にいくには攻めを繋ぐ技術を磨かないと勝てないですね~~。
(無理攻めと攻めを繋ぐ技は紙一重なんですけどね)
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この間12/17に行われた寒河江市民将棋大会ですが…

優勝は5-0で2年連続寒河江市民では無いまつもっちゃん(中1・県赤旗準名人)!!
いや~~驚いたね。強いとは思っていたけど県大会優勝経験者が数名入った大会で5-0やっちゃうとは思わなかった。

 続いて4-1でT橋少年(中1)、清N少年(小5)と小中のトップレベルが相次いで入賞した。

いや、このメンバーも結構前からAクラスの大会に出ていたんだけど最初はひどい目にあったと思う。そっからよくここまで仕上げてきたなぁという印象です。子ども大会勝つのと大人大会勝つのでは全然求められるものが違うので。

正直、3人とも昔から終盤は強い、はっきり4段~はある。

ただし、序盤を安定させて中盤をそれなりに指すには経験値が溜まらないと終盤までいかないので不本意な負け方をしているなぁとも昔は思っていた。

しかし、4-1以上という星の数は、どの戦法やられてもある程度対応できますよって域まで達したのではないかと読んでいます
早く奨励会に行って私と当らないようにお願いしますね(^<^)

最近の子どもはほんと思うんだけど、詰将棋(1.3.5.7手詰)をぐるぐる何周するのはあたりまえ、他の終盤本やるのあたりまえみたいな感じで努力の量が半端ないです。終盤の詰む・詰まないの局面になったら大人よりよっぽど早い気がする。

 ただ、問題は序盤の知識と中盤の指し方。

ここらへんはある程度実戦の数・経験値が要求されるので、なんとか終盤まで互角くらいで迎えられるようにアドバイスしてあげるのが私の役割かなと思っています。

みんな努力している中で頭ひとつ抜きんでるには、そこを鍛えるしかないですわ。
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そういや、吉田Jrくん東北高校新人戦3位おめでとう!
序盤でハマらないように全国では3位以上を目標に(^_-)-☆

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コメント

良い悪代官

No title
その通りですね。
さすがの、洞察力です。

小中学生たちは、ここからが勝負でしょう。
相手の、県強豪たちは、これから本気で指すでしょう。

ここを、乗り越えて、県大会優勝すれば、本物です。
私が思っていた、県強豪と少年たちの戦いが始まる。これは本当に楽しみです。

私も、負けてはいられません。

あべしん

Re: No title
良い悪代官 様

過去数十年、強いジュニアプレーヤーが不在だった内陸から最近になってぞろぞろ段レベルの子が出てきたのは天童教室の指導方針の賜物です。

四段レベルを突き抜け他県のように全国入賞常連となる子を育成する時代が来ました。そのためには鍛えの入った県強豪とのガチバトルは必要なステージですよね。私も当たったら負けないように頑張ります!
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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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