前回記事
H29.10.8→ 第2次ミレニアムブーム到来か!?~歴史と対策~【その1】
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前回のあらすじ。
この世の理を語るかのようになぜトーチカ囲いがダメでミレニアムなのかを語りました。
トーチカは例えるなら「ファイナルファンタジー6」でいうと太古に封印されたアルテマウェポンというモンスター。
めちゃくちゃ狂暴、破壊的な攻撃をガンガンやってきます。
トーチカ囲いも単に堅いというだけでは無く桂馬が攻めに使えて角の自由度が高い(攻防に効いている)点で破壊的だと思うのでウェポン(兵器)と言えます。
なので絶対に復活させてはいけません。
そ・れ・が!!
【10/7叡王戦 佐藤康光九段vs久保王将】
佐藤康光九段がトーチカ構築に成功(^_-)-☆
あひゃ。
ポイントはこの局面です。
先手佐藤九段、いきなり66角!
これはトーチカ濃厚だ('Д')
トーチカをやってくると分かっているのですが振り飛車の応手は限られています。
以下、△6二玉 ▲5七角 △7一玉 ▲7七桂 。
振り飛車の31銀が金縛り状態なのが痛い。
32銀と上がった瞬間に24歩で居飛車良し。
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ちなみにですが、H29.9.30叡王戦高橋九段vs藤井九段で藤井九段が32銀と上がった局面がありますが…
ここで24歩は同歩、同角、同角、同飛、49角のカウンターがあるので32銀と上がる事が出来るのです。
以下、78金に75歩。
ミレニアムは立体的な陣形なので隙も多いのです。
トーチカは平べったいので隙が無いのが強みです。
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では32銀を57角が来る前に上がれば良いのでは?と思った方の疑問にお答えします。
再掲下図。
以下、32銀、57角、43銀は24歩、同歩、同角、22飛、33角成でアウト。
振り飛車は王様の位置が悪いんですよね~。
◎というわけで本譜は、22飛と穏健策に出る。
しかし22飛はミレニアムへの対抗策としてなら駒組み合戦になるので有力かもしれないがトーチカへは微妙だと思う。その理由としてトーチカはミレニアムより早く囲えて攻めに専念出来るので振り飛車の駒組みが間に合わない点にある。
本譜中盤で久保先生は駒組みを最小限にして55歩と仕掛けた。
しかしこれは明らかに無理してそうな感じである。
結果、うまく切り返して佐藤九段の勝ちとなった。
前回記事でも書いたが本来であれば42飛→52飛と下図の陣形にして振り飛車は戦わなければならない。
それが42飛→22飛→52飛では指す気がしないだろう。
おかしい、振り飛車なぜなんだ!?なんでこんなことになってしまったんだ( ;∀;)
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【佐藤九段の工夫】
『四間の急所1巻』P230の対ミレニアムの基本図がこれ。
居飛車に58金右の1手が入っている点に注目。
これなら本譜と同じように66角と進めていったときに…
振り飛車も1手の余裕を得たので62王+52金右+43銀の陣形で24歩に備える事が出来ます。
本譜の佐藤九段は、58金右の1手を入れずに66角とトーチカを急いだのが工夫で振り飛車困った可能性があります。
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【振り飛車どうするか?】
答えは簡単です。
居飛車が▲58金右と上がらないうちは△94歩or△72銀のどちらかを保留すれば良いのです。
(逆に言うと▲58金右をみたらどちらも指すことが出来る。)
あべしん
・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
→全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com
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