将棋が強くなるうえで終盤の勉強は必須だと思います。
詰将棋・必至・凌ぎの手筋、やってますか?
楽しみながらやれる人もいれば解けなすぎて逃げ回っている人もいるかと思います。
私は・・・詰将棋を考えると眠くなります(笑)
「問題」として出されると全く解けないんですよね…。
現在、私は五段ですが去年まで詰将棋の本を1冊もやりきった事がありませんでした。今年ようやく『5手詰ハンドブック』を苦しみながら終える事ができました。
で、なんで私が詰将棋が苦手かというとあまりにも
詰将棋の筋を知識として知らなすぎるからなんです。
この時知らなかったのですが地元の奨励会員から三輪さんは有名な詰将棋作家の方ですよと指摘を受けてあひゃw こんなどうしようもないブログにコメントいただいてありがたい事です。
さて、詰将棋の筋を手っ取り早く学ぶにはいきなり答えを見るのが正解…ん?
これって試験勉強に似てますよね。笑
昔読んだ和田秀樹氏の『受験は要領』に数学は自分で考えると時間勿体ないからいきなり解答を見て解法パターンを覚えよう的な事が書かれていた事を思い出しました。
これを実行している進学校の生徒が将棋にもそのやり方を取り入れていたらそりゃ勉強も出来るし将棋も強くなるわけですわ。
まさに「受験も将棋も要領」です。
でもさ・・・
ちょっと考えたくらいでいきなり答えを見るという勇者はどのくらいいるのでしょうか?それが出来る人は逆に精神的に強い人だと思います。
ふつう問題出されたら考えたくなりますよね。
※山形大学将棋部 おのd作 解答はこの記事一番下!
解決のヒントはテキスト(問題集)にあると思います。
◎例えばこれ、思いっきり問題集に書き込みされています。
後ろのページにある答えを見て、問題文を正しい答えに直して(正文化)、2週目以降はこのまま暗記していくという意図の書き込み。この資格試験の勉強法としては常套手段となっております。
↓
最近では正文化している時間すら勿体ないという要望に応えて・・・
最初から正文化している問題集も売られています(爆笑)。
赤シートで隠せば通常の問題としても使えるので好評だったみたいです。
しかしま~、これを詰め将棋本でやるのは鬱陶しい。
◎そこでこれはどうですか?
左に問題文・右に解答という素晴らしい仕様になっています。
これならちょっと考えて分からなければ、右にすぐに目を向け解答を確認できます。答えが分からなくてページをめくるという挫折感&無力感を経由しないのが良いですね。
ひと昔前の人だと答えがすぐに見える問題集はダメだとおっしゃるかもしれませんが、今は答えがすぐ見えるからこそ良いんだと思います(笑)
粘って分かるまで考えようという精神論の美学に基づいた犠牲者を減らす事も大事です。解けないと才能が自分には無いと勘違いして将棋やめる人もいるので。
※浦野プロ著『5手詰ハンドブック』を見開き1ページ完結バージョンにしてみました。
これからは、従来通り解かせるタイプの終盤(詰・必至・凌ぎ)本に加えて、
筋を初心者に覚えさせるタイプの終盤本も発売してほしいです(笑)。
解説ページに局面図を充実させて「このパターンはこれでダメです、ただし相手に銀が無いと成立します」みたいな情報とか欲しいです。需要に応じたレイアウトを考えてほしいなー。
加えて、実戦で現れる筋を頻度順に掲載した問題集も発売してほしい。
(将棋受験ビジネスの幕開け)
メリハリつけて学習したい人向け。
英単語集みたいに過去の棋譜をデーターベースに入れて頻度順に割り出せないんでしょうかね~~。
「この手筋は小学生のカテゴリーでは頻出です!知らないと差がつきます」みたいな感じで分析するのも面白そう。
1つの単語(手筋)の例文(例題)と派生する使い方とか書いたら面白そう。
将棋の本って学習参考書業界に比べて10年以上遅れていると思う。
将棋業界の定跡本・詰将棋本は昔からずーーーっと同じスタイルで代わり映えしないから不思議に思っていました。
最近は戸部先生がDVD付の教材を出しましたがもっとそういう工夫があっていいと思います。
希望としては 大手受験予備校さんとか資格試験に強い出版社さんに参入してもらってノウハウを落としていってほしい。受験ビジネスの競争原理を持ち込むことで今まで無かったような切り口の棋書が出てくるはず。そしたら将棋本コーナーに行くのも楽しみになるだろうなぁ…参考書マニアになっちゃいそう^^
※おのdの作った詰将棋の解答・・・11飛、32王、22銀成!、同王、13歩成!、32王、41銀、同金、12飛成、31王、22龍まで11手詰。
◎29.8.23追記
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コメント
ヘンリー
2017/08/21 URL 編集
あべしん
これからも良い情報があればシェアしていきたいです^ ^
2017/08/21 URL 編集
ルモ
一定のラインから詰将棋の為の詰将棋になってきます
短手数の3手・5手は読みの訓練(見落とさない訓練)を兼ねているので全変化を読み切るのが「ため」になるのですが
詰めキストの方はどの収束パターンにつなげるかを読んでいます(もちろんそればかりでは有りませんが)
強い方と将棋を指すと寄るパターンに誘導されるのを感じますから同じような話なのかも知れません
2017/08/22 URL 編集
あべしん
「有る一定までは実戦訓練のためで有ったはずの詰将棋が一定のラインから詰将棋の為の詰将棋になってきます」
(°_°)目から鱗です。
予備校に金払わないと教えて頂けないような素晴らしい内容を私でもわかるように言語化していただきありがたいです。
そっかーそうなのかー、今まで謎だった自分という存在がわかった気がします!(自己解決)
2017/08/22 URL 編集
ルモ
その手順を作者の狙いを見破るもの、実戦では生きにくい、別の事を勉強した方が効率良いと考えるのも正解ですし
洗練された手順を指す将棋の中で上手く利用しようとすれば(誰にでも出来るような物では無いとは思いますが)やはり詰将棋
は実戦に生かせると考えるのも正解だと思います。
プロの方が「詰将棋は解かない」と言ったとしても基本的な詰み手順等は網羅してのコメントなのでしょうからアマチュアの方が真に受けるのは間違いでしょうね
メディアは対抗馬として盛り上げやすい一面は有ったのかなと
2017/08/23 URL 編集