相振りの必勝法は…相手に飛車を振らせない事だと思うんだ^^
!?
今日は、昔からある相振り封じについて書いていきます。
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【相振り封じの端角】
・H29.7.28リコー女流王座戦 本戦
先手 室谷女流vs後手 カロリーナ女流の一戦から。
後手44歩。この手を見て先手三間飛車vs後手向かい飛車になると思った。
↓この形ね。
一般的に、先手向かい飛車vs後手三間飛車は後手三間がやや指しやすいとされているので、先手三間ならなおさら指しやすいはず。
※おすすめの参考書はこちら。
↑いわゆる「戸部本」、女流棋士に愛読者が多いらしい^^
なので後手向かい飛車を目指す44歩は大胆な手だなと思った、もちろん用意の対策がカロリーナ女流にはあったのだと思うけどね。
さてさて、室谷女流は普通に駒組みを進めるのかなと思ったら・・・
7手目96歩が趣向。
とある狙いを秘めています。
以下、43銀、74歩、同歩、97角!!
これが、いわゆる相振り封じの端角。
53角成を受けるには、パッと見・・・
1、62銀
こう上がってしまうと62銀が邪魔して後手は飛車を振れなくなる、つまり相振り飛車が出来なくなるわけです。
ただまぁ、後手が居飛車も指せる人であれば形を決めすぎな97角を咎めればよろし。
室谷女流はカロリーナ女流が居飛車はやらないだろうと確信して97角と指したので62銀の心配はしていなかったのだと思います。
2、52飛
いちおこれで三間飛車vs中飛車の相振りではある。
ただし、中盤で52の飛車を32か22に移動しないと後手は攻撃陣形が作れないので1手損のリスクがある。
やる気がしなーい!
では、まともな相振り飛車が出来ないのかというとそうではない。
こんな手があります。
3、45歩←本筋!
これが好手。
もしここで▲53角成なら△42金が大事な手。
馬が逃げれば99角成で香車がとれる。
△42金に代えて△52銀でも同じように見えるがそれには・・・
54馬と引かれて21桂馬取りを見せて先手良しになってしまうので注意。
はい、本譜に戻ります。
△45歩は次に99角成を狙っているので以下88銀と受けます。
そこで44角と攻防の位置に据えながら53の地点を守るのが急所!
以下、74飛と進む。↓
▲74飛は次に▲44飛と切り飛ばして43に角を打つ手を狙っています。
角取りは受けないといけません。
それには△54銀or△54歩が考えられますが・・・
本譜は54歩でした!!(54銀は最後に解説)
54歩は97角の筋が後手陣に直射するのでやや損なのかなと思っていました。
具体的にこの後に△22飛と回っても△41金が動けないので後手は駒組みに苦労します。
カロリーナ女流の構想はいかに?
↓
さ、35歩??
自ら△44角のラインを止めてしまった。
将来の1筋攻めの味を消していてあひゃだな~と思い見てました。
しかし、次の後手の1手で景色が変わりましたね~~(''Д'')
以下、77銀、△32飛!!
これは考えた事が無かった、指されてみればなるほどです!!
先手は遅かれ早かれ77銀を66銀と攻めに使わないといけない将棋です。
つまり先手の飛車の横効きが66銀で消える瞬間を待っていたのでした。
以下、すかさず36歩、同歩、同飛で下図。
3筋の歩を手持ちにして44角のラインを1筋へ直通させる事に成功!
これがデカい、この1歩は将来の1筋攻めに使う事が出来ます。
進んで下図。
先手の攻撃陣は団子状態、具体的には87歩・67歩が前に進んでいないので腰の入った攻めが繰り出せません。対して後手は、4・3・2・1筋の全ての歩が伸びており攻めの迫力は抜群です。
後手作戦勝ちですね~。
さらに進んで下図。
教科書に書いているような端攻めが決まりました!
※結果は室谷女流が終盤で逆転勝ちでしたが…。
カロリーナ女流の構想はきっと用意してあった作戦だったんでしょうねぇ。
この構想があるなら相振り封じの端角は、やはりきつそうですね。
◎△54銀の変化
▲74飛に本譜54歩に代えて54銀で44角をガードした局面。
銀を前に繰り出して本筋っぽいですがちょっと嫌な変化があります。
以下、53角成スパコーン!!
同角、54飛、52歩で下図。
少し後手が良さそうですが歩切れなので大変な将棋だと思います。
ソフト先生は後手+150点くらいで互角という評価ですね。
この後先手は、飛車切って55角や43角など攻める展開、受けに自信が無い人はカロリーナ流△54歩+△32飛の構想を目指す事をお勧めします。
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【相振り封じの浮き飛車】
相振り封じの角より優秀なのがこれ。
すぐに飛車を上がります。
以下、43銀。
ここで若い世代は知らないであろう相振り封じの手筋があります。
↓
どん!!
86飛(笑)。これで82飛が動けなくなって相振りに出来なくなります。
いや、後手の方が居飛車を出来るのであれば全く問題無いんですが振り飛車しか指せないとこういう狙い撃ちをされたりします。
ちなみにこの86飛は、全国制覇を何度もしている強豪の方が使っているのを見たことがあります。
それだけ得意戦法を封じるのは時間の短いアマ大会では有効という事なんでしょうね。
ちなみに△43銀のところで△33角と工夫する手はあります。
同じように、86飛としましょう。
これには42銀型を活かして・・・
54歩、68銀、53銀、77銀、64銀と突進します。
以下、66銀、84歩で下図。
ううううん、突進したけど形勢はどうなんでしょうか?笑
後手としてはこうなるんだったら普通に居飛車やった方が良いという説もある。
そもそも仮に上図が先手不満なら避ける事も出来る。
それが下図。
48王と指して43銀を待ってから86飛とすればいいだけの話である。あひゃ。
◎戻ります。
上図からどうやって相振りにするべきか。
1、84歩から銀冠を目指す
2、64歩+63金or銀で7筋を奪回するプラン。
う~む、私にはどうしたら良いか分かりませぬ。
誰かタダで教えてけれ( ^ω^ )
もしかしたら正解は1・2どちらでもなく
居飛車で咎めるしかないって感じなのかもしれないなぁ。
相振り封じられちゃったけど(笑)
ちなみにこれですね、厄介な事に3間が後手でも使えます。
↓こんな感じ。
3手目66歩が得意で相振りは向かい飛車しか指せない有段者って結構いるよね。
ま~俺の事なんですけどね(笑)
そういう人に一発これやってみたら楽しい事になるかもよ♪
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