今日も八枚落ちの実戦から。
桂馬の使い方で参考になる局面が現れたのでシェアしていきます。
まずこの局面。
後手の王の安全度はどれくらいなんでしょうか。
あべしんEye!
↓
青の53の地点に…
先手の角と桂馬が2つ、後手の王と金が2つ効いています。
「勢力が同じなら先に突っ込んだ方が負け」というのは前回もやりました。
では2vs2の状況を打破するにはどうするか?
①3vs2にする or ②2vs1にする
のどっちかですね。
この場合は、本能的にこう指すかと思います。
↓
桂馬をさらに跳ねて応援を送ります。
この状況は・・・
3vs2の状況!! 勢力的に先手有利です。
後手としては、3vs3の状況にして守備を固めたいのですが無理みたいですね。
というわけで後手は53の防衛線を捨てて攻め合いに活路を見いだしてきます。
手負いの獣は何するか分からないので注意するのであります。
以下、53桂成右、64王で下図。
はい、現在先手は飛・角両取りをかけられている状態ですがうまく切り返す事が出来るでしょうか?
こっからは手順が大事です。
まず角を助ける手は?
↓
王手で角をバックします!(角が助かりました)
以下、55歩で王手阻止。
↓
ここで実戦は強気で56歩!!
角を活用する好手だと思います。
(勿論13飛成と竜を作る手も正解です)
↓
↓
色々あるところですが私は53金と成桂を外しました。
ここでどうするか。
普通に53桂成、同王と金をゲットする手順も悪くない、その解説は最後に。
上図では桂馬の力を最大限に活用する手順がある。
↓
金を取らずに王手!!
逃げる。
↓
まだ金を取らずに・・・馬を作って王手!!
逃げるしかない
↓
そこで、桂馬と金を交換する!
53桂成(王手!!)。
同王に・・・
↓
うおおおおお。
王手ラッシュをすることで後手に反撃する暇を与えず、ずっと先手が指したい手を指していたという事に注目してください。将棋は1手1手交互に指したい手を指すゲームなはずなのに・・・ここまでの先手の攻めは後手の対応も含めて1セットでした。UNOとか大富豪の勝つコツも「ずっと俺のターン!」にする事ですから勝負事の極意は似てますね。
◎ちなみに下図で・・・
目先の利益にこだわり53桂成と飛びつくと…
同王ととられて・・・
以下13飛成。
これで先手は悪くないのですが…後手の王様はまだ安全です。
すなわち後手はこの瞬間を反撃のチャンスとして使う事が出来ます!
後手のターン!
それは嫌なので正解は最初に解説した金を取らずに55角。
となるわけです。
目先のショボい利益にこだわって金融商品を解約するより何十年と持っていた方が結果的に得をするという話によく似ています(笑)。将棋はわりと日常の色んな知識が活かせるゲームなので面白いです。
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