山新lady's選手権の3位決定戦 伊藤さんvs佐藤さんに続いて決勝も見ていきます。
【 決勝☆みすずさん(画伯)vs今野さん(山大) ※観戦記とっしー 】
先手のみすず画伯は、高校・大学で女子の部の全国入賞歴があるので優勝本命です。さらに、中・高と美術5をキープした画伯本命でもあります。
後手の今野さんはとっしーの観戦記によると山形大学の学生で理学部に所属しているとの事。理学部は居飛車のイメージがあったけど思いっきり振り飛車でした、偏見でした。
戦型は今野さんのノーマル向かい飛車!!
まさかレディースの部までのノーマル向かい飛車が流行していたとは…。
ちなみに同日行われた県選手権準決勝のあべしん対つちやん戦、こちらもノーマル向かい飛車で昨日ちょうど「自戦記」を書き終えたばかりでした。山新に載る時はまたアナウンスしますのでよろしく!
はい、簡単にこの戦型の説明をします。
ノーマル向かい飛車の22飛は現代では穴熊牽制の意味が強い。
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なので居飛車も本当に穴熊に組むと危ないので46歩+36歩+37桂と向かい飛車を牽制します。これは牽制と同時に88角のラインで22飛車を咎めてやろうという狙いもあります。
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そこをどう捌くかが振り飛車の腕の見せ所。
はい、下図は今野さんが54銀と出た局面です。
これは45歩に同歩と取れるようにしたという意味合いが強いです。
まぁ、場合によっては65銀とちょっかいだしに行くのですが22飛車とのバランスが悪いのでその瞬間に45歩とかやられちゃう可能性もある。
しかし現実的に65銀やられたら嫌だな~と思う人もいるわけです。
⤵
ここにいました\(^o^)/
う~~ん、66歩は居飛車作戦負けの悪寒がします。
なぜなら88角のラインが後手陣に届かなくなったので先手としてはどこを主張して指していけばいいか難しいという展開です。ここらへんはみすず画伯も苦戦を意識したかもしれません。
振り飛車は簡単です。
この後は、マタ~リと下図のように・・・
駒組みを進めていけば最終的に73桂+33角のラインで88王を狙っていけば勝てそうな将棋となります。じわじわ。
◎では65銀がちょっと嫌な人はどうやって受けるべきか?
86歩!これで65銀やってきたら87王として天守閣美濃で受けるべし。
こんなもんで十分だと思います!
左美濃は玉頭が薄くてヤダーって人はもっと前の序盤で工夫します。
78銀の美濃囲い→54銀のタイミングで86歩(87銀の銀冠で受ける)をみせれば解決。これは県強豪で好んで使う人も多いです。
最近ではこのように78王型を早めにきめず78銀と上がる余地を残すのが流行りです!
◎本譜に戻ります。66歩以下は・・・
42飛、16歩、14歩、77角と進行。
さっきも書いたようにここから64歩+52金と駒組みを進めても振り飛車十分。
しかし今野さん、なかなか機敏でした!
いきなりステーキ!!の45歩。
ほおおおおおお!!
以下、同桂で下図。
う~~ん、ここで本譜は44角と逃げてしまったので振り飛車不利になったが初志貫徹の45同銀を検討しましょう。以下、同歩、同飛、46歩、42飛で下図。
ここ、35歩で良ければ話は早い。
以下、同歩、34銀、55角で下図。
以下26飛、それには・・・
必殺の54桂!66桂馬と46角の両狙いで振り飛車優勢。
34銀が取り残されてカワイソス。
以下、67金、46角、同銀、同飛、同飛、同桂。
これは風の捌きだお(*´Д`)
ま、34銀打つ前に24歩を突き捨てるとこんな展開にはなりませんが(笑)。
でもとにかく、振り飛車もやれていたと思います!
66歩の功罪がけっこう大きいです、私も調べていて勉強になります。
◎本譜は・・・44角と逃げました。
以下、24歩から攻めて龍も出来て後手か・な・り苦しいのが下図!
苦しいですが43飛+32金など今野さんは振り飛車の実戦的な粘り方をよく心得ているなという印象はある。しかしながら、ここでは先手に決め手がありました!!小学生なら1秒で指してきそう!! ちっちっちっち・・・
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↓
↓
ど~ん!!
25桂で角か金がもらえます…。
こう打てばみすず画伯は駒得の森へ行けました。
本譜は行けませんでした\(^o^)/
そしてこういう手を逃すと徐々に形勢がおかしくなってくるというね。
↓
竜を自陣に追いやられ55銀が66と46の地点めがけて突撃してきました。
これはかなりのプレッシャー!!
とはいえここでプレッシャーを和らげる45桂を緩衝材として打っておけば優勢はキープできた。
◎しかし本譜!!
66歩から逃げ出すという現実逃避の86角・・・|д゚)
こ、これはあひゃですよ~~~~。。。
現実に連れ戻される74桂があります。
こうなると53角成、66桂、68王、58桂成、同金、46銀で下図。
めちゃくちゃ攻め込まれます。以下、42馬、同金、46銀、99角成は振り飛車もやれそう。危なかったですね。
◎しかし本譜は86角に・・・
↓
43飛。うむ~。しかしまぁ悪い手では無い。
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43飛を継承して42角もあると思うけど本譜の44角が健康的。
44角以下、56歩、66銀、67歩で下図。
これは振り飛車にチャンスきてる~~~!!
銀死んだと思わせてチャンスきてる~~!!
以下、74桂、59角で下図。
さ~ここでどうするか!!
本譜は77銀成でしたがもっと良い手が観戦記に書いてありました。
上図以下、67銀成、同金、99角成!!
ここから88銀、98馬、99銀打で馬を殺しにきたら同馬、同銀に・・・
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64香!!これでうるさい攻めが続きそう。
44歩と桂馬を補充する手もあるしね。
これを勝ち切るのは、秒読みでは先手も大変!!
今野さん惜しかったですねぇぇぇ。
なお、みすず画伯の本番は終盤からなのでそこからは圧倒でした。
◎1局を通じて。
今野さんの振り飛車の捌きは、ラスト1歩踏み込めれば炸裂するところまできている。数学でいうと途中式全部あっていて最後の単純計算でやらかしたみたいな感じです。実戦を積めば克服できそう。
みすず画伯は序盤がやばい(笑)・・・下手するとこの日は負けていた可能性まであった。ダントツの優勝だと思っていたがこんなに調子を落としていたとは思わなかった!!ただしその1週間後に県竜王戦でベスト4に入った調整力は見事。
◎7/16の学生オープン戦ですが、みすず画伯と3位決定戦に進出した佐藤さんがスタッフとして手伝ってくれるそうです!!
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コメント
とっしー
もっと内容を掘り下げて書きたかったのですが、なにしろ字数制限の壁というものにぶち当たり、泣く泣くカット。内容が物足りないものになってしまいました。
あべしんさんの自戦記はどんな感じに仕上がったのかな?楽しみにしています。
2017/07/14 URL 編集
あべしん
2017/07/14 URL 編集