観戦記のあとがき(R5.4/29~R5.5/3 T野二段vsSI藤初段 山形新聞掲載分)

棋戦 :2022年12月4日
    第48回山形県小学生名人戦決勝
    T野二段(山形・小5)vsSI藤初段(山形・小3)
    山形新聞掲載日:2023.4/29~2023.5/3 (全4譜)
・1譜   4/29(土) 勢いが大事
・2譜   5/1(月)  何かのスイッチ
・3譜   5/2 (火)  勝利への譜面   
・4譜   5/3 (水)    T野君初優勝    
        
戦型 : 先手中飛車vs急戦

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□1譜 勢いが大事
記録係として決勝をとるために待機していた。

準決勝はT野くんがT橋HNTくに大逆転勝ち。

途中、T橋勝ちまでささやかれていたのでギャラリーも「こうすれば勝ちでしょ」みたいな感じでアツくなる。

まぁ別にいいんだけどT野くんも「それはこうだ!」みたいな感じで一歩も譲らないのが面白かった。

こりゃ終わらんね~と思い、T野くんに「決勝は〇時〇分から始めるよ」と事前に言っておいた。

しかしそれでも感想戦は続く。
むしろT野くんが主導してる!?

ついに決勝の時間がきて、さすがに「T野くん、休憩(トイレ)いなないの?」と聞いたら高速で「うん!」。

むしろ「早く始めようぜ」とばかりに駒をちょんちょん触っており、さっきの不出来な将棋を大逆転で勝ったT野くんって感じがしなかった。

むしろ強者感があった

ただしSI藤くんも良く分からん男でニヤニヤしながらそれを見ている。

なんだこの対局は~~(;´Д`)

□2譜 何かのスイッチ
H輪先生の葬儀もあって、あべけん七段とOKB四段が来たんですよ。
山形のエースが揃って過去一番豪華な大会になった。

記事にも書いたように、SI藤くんは踏み込みを逃して形勢を損ねた感じがする。あそこでなぜ踏み込めなかったのか、自己分析をする必要があるだろう。研修会の先輩だったり、小学校の先輩だったり、遊びの先輩だったりでどこか信用しすぎていたところがあったのではないか(H輪先生のブログの文体のまね)。

この譜については、何かのスイッチ(罠)はたくさんあった。
SI藤くんはことごとくそれを踏んでおり、かなり消耗させられた。
専門的には勝負ありだろう。

□3譜  勝利への譜面 
T野くんの会心譜になりつつある。しかしSI藤くんも「間違えたら許しませんよ先輩」とぴったり後ろから追ってくる。これはなかなかのプレッシャーで私クラスならすぐに間違うが、この日のT野くんは強かった。こんな短い持ち時間の将棋で深くまで読みが入っている人も珍しい。
どうにもなんていうか、T野くんが強すぎてSI藤くんに見せ場がないんですよねぇ。

□4譜 T野君初優勝
最終手の▲3四銀不成はピアノで言うならどの指を使うんだろうか。
今度、9×9の盤面に鍵盤を被せるとどうなるか実験してみてくれ。
SI藤くんは、最後何かやりそうな雰囲気あったけど、T野くんが正確すぎて届かなかった。
この将棋はひたすらT野くんが強かったとしか言いようがない。

T野くんの筋違い角の話は、面白かった。
その場にいた、
M着くんは「初手78飛すれば筋違い角関係なし」
ねこP少年「むしろありがたい。対策はないけどその場で考えればいいじゃん」
あべしん「なんで中飛車党なのにそんな心配してんの(笑)。あ、さてはそういうネタか?いや、キミおもしろいこと言うね~~!ぎゃははは」
って感じで3人ともまるで役に立たない。

しかしちゃんと中飛車党でも心配しないといけない理由があって「そうなんだ~~」と思った。

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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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