観戦記のあとがき(R4.9/23~R4.9/28 Y田四段vsH田五段 山形新聞掲載分)

棋戦 :2022年3月27日
    第62回山形県アマ名人戦準決勝 
    Y田四段(米沢)vsH田五段(酒田)
    山形新聞掲載日:2022.9/23~2022.9/28 (全5譜)
・1譜   9/23(金) 領域展開バトル
・2譜   9/24 (土) まさかの一手
・3譜   9/26 (月) 危険地帯の任務
・4譜   9/27 (火)  H田五段の嗅覚
・5譜   9/28(水)鮮やかな寄せ   
        
戦型 : 陽動振り飛車
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□1譜   9/23(金) 領域展開バトル

この対局の記録係をしたのだが序盤がなかなか面白かった。

◎H田五段
1、対抗形をやりたい。
  →相手が振り飛車なら勝率が高いエルモがお気に入り。
2、相居飛車はできない。
3、相振りはできるけど最近はやらない。

◎Y田四段
居飛車も振り飛車も出来るので、1をする理由がない。
相手がやりたくない2と3をやりたい。

そういう駆け引きがあった。

Y田四段は以前中飛車党だったので今回もそうだろうと思い、H田五段は△62銀と上がった。
これでほぼほぼH田五段の居飛車は確定。
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ところが・・・

Y田四段領域展開😎相居飛車!

H田五段あひゃ。

□2譜   9/24 (土) まさかの一手
H田五段が△62の銀を△71へ戻した時はさすがにびっくりした。盛大に「待った」をしたのかと思ったがそうではなく本当に銀を戻したのだった。2分の考慮でこれを決断したのはすごい。意地でも相手の領域では戦わないということだろう。それにしてもこんな面白い将棋が県大会準決勝で見れるとは思わなかった。とりあえず良い子は絶対マネしちゃダメですよ。

□3譜   9/26 (月) 危険地帯の任務
将棋が全く分からない人に戦況を伝えてみようという試み。
優勢であっても、流れ弾に当たれば、一発即死。そんな緊張感で選手は戦っている。局面は優勢でもメンタル的にかなりきつい、だから将棋は女子にあまり流行らない。

□4譜   9/27 (火)  H田五段の嗅覚
Y田四段優勢。しかしH田五段の駒を埋めたり広さを作る受けは、ひと目でピンとこない感じなのでやりづらい。1手勝ちロードを進んでいるはずなのに、いつの間にか3手負けルートを歩んでいたり、終盤の平衡感覚を失わせるのがH田五段は得意。中世なら魔女狩り裁判にかけられるところ。

□5譜   9/28(水)鮮やかな寄せ 
それにしてもY田四段の指しまわしはうまかった。
H田五段が「領域展開」しても、そこに入らないように、ヒット&アウェイでそれを避けつつポイントを稼ぐ。まるでインベーダーゲームを見ているようだった。
そして、最後だけY田四段に全盛期の終盤力が戻って鮮やかに勝ち。正直、Y田四段まくられると思ってヒヤヒヤしてたんだがさすがでした。
序盤のネタっぽい感じとはうってかわって良い将棋だなぁという印象!

山大王におれはなる~!踊る、エジソン~自尊心♪

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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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