初手から▲76歩△34歩▲66歩△32飛
ここから先手が向かい飛車を目指すとすれば、
以下
・▲77角→▲88飛 …別記事
・▲68銀→▲67銀→▲77角→▲88飛 ←本記事
この2パターン。
おススメは▲68銀のルートなのだが向かい飛車に振るまで手がかかる。
そこを突いて向かい飛車を封じてくる指し方があるので今日はその対策を見ていく。
上図以下▲68銀。そこで…
以下
1、△14歩
2、△35歩 を見ていく。
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1、△14歩の変化
再掲下図
以下△14歩は波紋を呼ぶ手だよな~。
以下▲67銀
以下△13角が向かい飛車に振らせないよ~(^J^)という手。
以下
・▲48銀で居飛車が出来る人であれば全く問題ない、というかそれで先手優勢。
・しかし居飛車ができない人は困る。以下▲58飛はあとあと▲88飛と戻る展開になるので1手損。
・▲79角
・▲65歩 を検討する。
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・▲79角 の変化
再掲下図。
以▲79角が▲88角型を活かした受け(笑)。
以下△35歩▲88飛。
▲79角もひどい形だが△13角型もそんなに威張れたものではない。
これは穏やかな力戦系(笑)になっていい勝負。
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・▲65歩の変化
再掲下図
以下▲65歩が本筋。
以下
◎△57角成
◎△22銀を検討する。
◎△57角成の変化
以下
・▲58金左
・▲68金 を検討する。
・▲58金左の変化
再掲下図
以下▲58金左は47の歩を取らせないようにした意味で最善に見えるが…
以下△13馬▲11角成△33桂
馬を封印されると、先手からの攻め味がなく、いい勝負の形勢になっている。
むしろ後手の方が勝ちやすいまであると思う。これはおかしい。
再掲下図
・▲68金の変化
以下▲68金が正しい受け。
以下
・△47馬
・△24馬 を検討する。
・△47馬の変化
再掲下図。
以下△47馬▲11角成△33桂▲58金上
以下△65馬▲77桂△55馬▲48飛
先手の金銀だけたくさん動いており先手の模様が良い。
この後の狙いとしては▲16歩→▲15歩で端から行けば無理なく先手が良くなるだろう。
・△24馬の変化
再掲下図
以下△24馬▲11角成△33桂には▲58飛と回ることができるのがデカい。
これが▲68金型の狙い筋。
先手は飛車を使う事ができるので悪いところがない。はっきり作戦勝ち。
◎△22銀の変化
再掲下図。
以下△22銀にはどうするか。
以下
・▲66角
・▲66銀 を検討する。
・▲66角の変化
再掲下図。
以下▲66角と形よく▲57の地点を守る。
しかし△35歩▲77桂△36歩▲同歩△同飛で難しい。
以下
・▲56銀
・▲56歩 を検討する。
・▲56銀の変化
再掲下図
以下▲56銀は形は良いのだが危ない。
以下△33桂▲88飛
ここで△57角成!▲同角△56飛の強襲がある。
以下▲58歩△57飛成▲同歩△55角と後手の攻めが続く展開で先手やる気がしない。
・▲56歩の変化
再掲下図。
そうなると以下▲56歩しかない。
以下△34飛▲88飛
これで別に先手悪くないのだが相振りというよりも力戦調の将棋になっている。
※カロリーナ女流の構想も有力
H29年の将棋。
先手三間vs後手カロリーナ女流。
下図の△35歩はカロリーナ女流の才能を示した手。
以下▲77銀△32飛!
へ~~~!!である。
しかし指されてみればなるほどです。
先手は遅かれ早かれ▲77銀→▲66銀と活用しないといけない。
その▲66銀の瞬間に…
すかさず▲36歩△同歩▲同飛。
これが気持ちよい手。
3筋の歩を手持ちにして△44角のラインを1筋へ直通。
進んで下図。
先手の攻撃陣は団子状態、具体的には▲87歩▲67歩が前に進んでいないので腰の入った攻めが繰り出せない。対して後手は、4・3・2・1筋の全ての歩が伸びており攻めの迫力は抜群。後手作戦勝ちですね~。
さらに進んで下図。
教科書に書いているような端攻めが決まった!
カロリーナ女流の構想はきっと用意してあった作戦だったと思う。
このカロリーナ女流の△35歩構想の評価は不明。
再掲下図。
先手もすぐに▲66銀と上がらないで、
▲26飛と回って嫌がらせや▲38銀→▲46歩の反発など構想を選べる。つまり力戦調の将棋になる。
・▲66銀の変化
以下▲66銀と銀で受けるのがおススメ。
以下△35歩▲77角△36歩▲同歩△同飛▲88飛
通常であれば向かい飛車+▲65歩+▲66銀型はおススメしない形。
その理由として△22角と△36飛の利きで銀が狙われる(下図)ので。
こういう展開は先手まずい。
しかし再掲下図は…
△13角をきめているので、上図のような形にはならない。
したがって、十分先手も戦えると私は思います。
そしてこの▲66銀を推奨する理由がもう一つあって、それが次の「2、△35歩の変化」です。
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2、△35歩の変化
再掲下図
以下△35歩はまぁよくみかける手。この手が早いか遅いかは趣味の問題なので気にしなくてよい。
以下▲67銀
しかし上図以下、下記3つの展開は知識として受け方を知っておいたほうが良い。
壱、△14歩
弐、△34飛→別記事
参、△36歩→別記事
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壱、△14歩の変化
再掲下図。
以下△14歩。
以下▲77角△13角
お分かりいただけだろうか?
先手は▲77角と指したことで選べる作戦が限定されている。
↓
具体的に
・▲79角からの向かい飛車は出来なくなった。
・▲65歩△22銀▲66角は、先手の角の動きが▲77角→▲66角の1手損なのでさすがにやりづらい。
↓
それを念頭にどう対処するべきかやっていく。
上図以下▲65歩はまぁ絶対。
以下
①△36歩▲同歩△57角成
②△22銀
③△22角 を検討する。
①△36歩の変化
再掲下図
以下△36歩
以下▲同歩△57角成
この局面は3筋の突き捨てが先手のプラスになる変化が多い。
以下
・47の歩を守って▲58金左は▲77角型なので△79馬と入られる手が気になる。
・やはり▲68金が正しい対応。
以下
・△13馬
・△47馬 を検討する。
・△13馬の変化
再掲下図
以下△13馬▲11角成△33桂
上図は、△36歩を突き捨ててくれたおかげで、▲35歩と突き返す手がある。
以下△同馬▲38飛△36歩▲34歩
以下△同馬▲36飛(飛車が世に出て嬉しい)△35歩▲46飛
以下△62王▲77桂△72王▲75歩
後手に主張がない展開で先手作戦勝ち+香得。
・△47馬の変化
再掲下図
以下△47馬には▲11角成△33桂▲48香が激痛。
以下△65馬▲77桂△54馬
以下3筋で貰った1歩を▲55歩とたたく。
以下△同馬に▲43香成で先手良し。
結論→3筋を突き捨てて△57角成と馬を作ってもうまくいかないようだ。
②△22銀の変化
再掲下図
以下△22銀であれば…
以下
・▲66角は、▲88にいた角を▲77角→▲66角という動きなので一手損。
・ここは▲66銀と上がっておく。
これで向かい飛車にすれば問題ないだろう。
以下△22角と角をぶつけられると向かい飛車にはできない。
以下
一、▲88飛は△77角成▲同桂△45角が受からない。
二、▲66銀は△36歩▲同歩△同飛で▲66銀を守るには▲68飛しかない。
これはいい勝負。角交換をしない相振りをしたい方向け。
三、しかしどうせ四間飛車にするのであれば▲68飛がお勧め。
以下
・△36歩は▲同歩△77角成▲同桂△55角に▲66角で受かっている。
・以下△72金▲38金△62銀▲48銀
互いに角交換に備えるような陣形を作る展開が予想される。
これはいい勝負だと思う。
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弐、△34飛の変化
以下△34飛。
△34飛と序盤早々に浮いてくる人は将棋も浮いている。先手は警戒しないといけない。
以下▲77角
以下
◎△24飛
◎△33桂 を検討する。
◎△24飛の変化
再掲下図
以下△24飛が向かい飛車封じ!
居飛車が出来る人であれば「後手頭おかしくなったか」という事案だが振り飛車しかできない人はどうするべきか。
以下▲38銀
以下△72銀▲26歩
以下
・△62王
・△44飛 を見ていく。
・△62王の変化
再掲下図
以下△62王なら▲27銀と上がって先手悪いところがない。
以下
・△44飛には▲48飛で大丈夫。次に▲38金と上がってから▲88飛とすれば問題なし。
・△71王は▲88飛以下普通に囲い合うと下図のようになる。
自然な手順で先手優勢。
・△44飛の変化
再掲下図
以下なんと△44飛という手がある。
以下▲27銀と上がったら△47飛成がくる。
↓
▲27銀と上がれないと先手は飛車を振れない。
↓
じゃあどうしましょうかという話です。
以下
・▲56銀
・▲65歩
・▲48王 を検討する。
・▲56銀の変化
再掲下図
以下▲56銀
これは次に▲27銀と上がれるようにしたという意味だが…
△74飛で困る。
以下▲65(7)銀は△44飛と戻られて千日手。
これではおかしい。
以下▲65歩は危険
現状、飛角交換をしても先手に得がない。
それどころか△64歩と逆用されて手を作られてしまう。
向かい飛車の▲65歩と角道をあける手は、局面の流れを早くする手なので、上図に限らず一大決心してから突くべき。
・本筋▲48王の変化
再掲下図
以下▲48王ととりあえず美濃囲いに入りにいくのがおススメの指し方。
以下△64歩
6筋を絡めて手を作ろうとしてくる。
以下▲39王
以下
① △65歩▲同歩△84飛は▲78金で何も起こらない。
② というわけで△62王と様子を見る。
ここは先手の分岐点。
以下
・▲58金左
・▲86歩
・▲56銀 を検討する。
・▲58金左の変化
再掲下図
以下▲58金左
ここで△65歩が無理筋承知のうるさい攻め。
以下
①▲同歩は△84飛でいい勝負ではあるが後手の主張が通った形。
壁飛車の状態で戦いが起こるのはまずい。
②▲68金と守っておく手はある。
以下△66歩▲同銀△34飛で先手やや良し。しかし相振り飛車にはならないのでその展開をどうみるか。
・▲86歩の変化
以下▲86歩と事前に△84飛へ備えておく手はある。
以下△71王▲58金左
それでも△65歩と来たらどうするか。
以下▲同歩に…
以下
①△84飛は▲66銀で問題なし。
以下△66角▲同角△86飛は▲11角成から攻め合い勝ち。
②△74飛はなかなか気持ちの悪い手。
次に△77角成▲同桂△88角が狙い。受ける手はないので▲75歩と突く。
以下
①△同飛は▲22角成△同銀▲66角で先手良し。
②△34飛▲66銀(角交換拒否)△36歩
以下▲同歩△同飛▲67金が力強い受け。
後手の攻めはこれ以上続かないので先手優勢。しかしまとめるのが大変かもしれない。
③△77角成▲同桂△34飛
次に△88角があるので先手も忙しい。
以下▲64歩
以下
・△同飛は▲55角で先手良し。
・△88角は▲66角
以下△33桂に▲74歩△同歩▲85桂で先手良し。
先手良しなのだが…やはり力戦・乱戦調が嫌な人もしるかもしれない。
そこで次の変化
↓
・△64歩を見て▲56銀!
再掲下図
以下△64歩を突いてあるのを見て▲56銀と上がる。
(△74飛が消えたので)。
この手は
・△65歩からの仕掛けを消した
と同時に
・次に▲27銀と上がる手をみている。
そこで後手は△54歩と突く。
以下
・▲27銀なら△55歩▲同銀△47飛成が狙い筋。
・そういうわけで▲58金左と4筋を固めておく。
以下△71王▲27銀△52金左
以下▲48飛が相振りを指すために必要な一手。
以下△42銀▲46歩
この歩を突くことによって▲58の金を▲47または▲67へ上がることができる。
以下△34飛▲38金
以下△55歩
以下
・▲47銀なら▲67金から向かい飛車
・▲67銀なら△54銀▲47金左△44角
以下▲86歩△82王▲85歩△63金▲88飛
この局面は、お互い2手損しているので手の損得は無し。
いい勝負ではあるが、先手の銀冠が少し手厚い。乱戦にしたくない人はこの変化を選ぶと良いと思う。
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以下△33桂、これがとんでもないハメ手。
以下
・▲88飛
・▲56銀 を検討する。
・▲88飛の変化
再掲下図
以下何も考えずに▲88飛とまわるとエライ事になる。
以下△45桂!
以下▲48金には△36歩▲同歩△55角の鬼殺しが決まる。
後手いきなり優勢。
△45桂と跳ねられた時点で先手まずい。
・正解は▲56銀
再掲下図
以下▲56銀と△45桂を消しておくのが大事な手。
これで事件は起こらない、知識単発問題です。
▲56銀は形を決めすぎていると思うかもしれないがそれ以上に△33桂も形を決めすぎているので先手が悪くなることはない。
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参、△36歩の変化
以下△36歩はやや早いと感じないだろうか?
その予感は正しく何かを狙っている人が指す手。
以下▲同歩△同飛
通常、飛車が▲28にいる状態で△36に飛車が走ると以下▲38飛とぶつけられて、
後手が少し損という説があります。
なので▲88飛を見届けてから△36歩▲同歩△同飛とするのが暗黙の了解になっているのですが…
再掲下図。
そもそも先手向かい飛車をやる人は乱戦や力戦を好まないので以下▲38飛とぶつけようと思わないし、ぶつけても先手そんなに良くならない。
そういうわけで▲77角と上がる人が大多数。
以下
◎△33桂
・△72銀→別記事
・△62銀→別記事 を検討する。
◎△33桂の変化
再掲下図
以下△33桂とされたらどうする?(笑)
以下
・▲88飛
・▲56銀 を検討する。
・▲88飛の変化
再掲下図
以下▲88飛は△45桂でハマり。さっきとほぼ同じパターン。
以下▲48銀で受かっているように見えますよね?
以下
・△55角は▲37歩△同桂成▲同桂△同飛成(△同角成は最後に▲15角で王手飛車)▲同銀△同角成でいい勝負。
・ところが~!!△37歩が知らないと指せない手😨。
以下▲39歩と受けさせて△34飛と引くのが絶妙な手順。
以下▲46歩△24飛で後手の龍作りが確定。
この手順は阿部健七段から奨励会時代に教えてもらった。
※都成龍馬プロvs中村太地プロの全国小学生名人戦決勝の棋譜で似たような変化になっております。中村プロは「桂跳ねられて青ざめた」と動画内でおっしゃっていますね。
・正解は▲56銀
再掲下図。
以下▲56銀が安全な手。△45桂を跳ばせない。
合言葉は「△33桂には▲56銀」。
知識として知っているかどうかで歴史的大敗を回避することができる。
なお、上図で△14歩▲16歩の交換が入っていると△15歩で後手の攻めが続く形なので注意です。
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