棒銀vs△53金型後手四間~完全解説~【棒銀対策11】

☆対棒銀の△53金型
2022-07-01b_20220701112644225.png
対棒銀で△53金と上がる形についてみていく。
2022-07-01c_20220701112643016.png
金の力で局面をガッチリおさめていこうという将棋で、これまでやってきたスパッと捌きにいく将棋ではない。←感覚が違うので要注意。
変化によっては、力が必要な展開もあるのでそこは注意ポイント。

参考棋書は以下の2点。
・『四間飛車の急所3巻』223P
・『四間飛車序盤の指し方完全ガイド』50P
  

ー----------------------------
さて、この対棒銀△53金型をはじめて見た時に私が思ったのは…
下図▲68金型で△53金が有力なのであれば、
2022-07-01c_20220701112643016.png
もっと早い段階=最短で△53金と上がったらどうなるのか。
    ↓
2022-07-03c_202207032039428b3.png
これでうまくいくなら全て対棒銀は△53金型で良くないか(笑)?めんどくさい定跡とか覚える必要ないじゃ~んってなったのでした。

さっそく検討していきます。

ー--------------------------
□基本図まで

2022-07-03a_2022070320393962b.png
以下▲46歩。
2022-07-03b_20220703203940edd.png
ここで△53金が戦法の骨子で基本図となる。
2022-07-03c_202207032039428b3.png
以下 1、▲45歩! ←▲45歩早仕掛け
   2、▲26銀  ←棒銀 を検討する。


1、▲45歩早仕掛けの変化

再掲下図
 2022-07-03c_202207032039428b3.png
以下▲45歩
2022-08-14p_20220814142745227.png
△同歩は▲33角成△同桂▲24歩で居飛車良し。
上図以下・△32銀
    ・△64歩 を検討する

・△32銀の変化
2022-08-14p_20220814142745227.png
以下△32銀
2022-07-03a_20220703205548c9a.png
以下▲44歩△同金
2022-07-03b_20220703205549215.png
以下・▲97角
  ・▲46銀右を検討する。

・▲97角の変化
再掲下図
2022-07-03b_20220703205549215.png
以下▲97角は△41飛と引いておく。
2022-08-16a.png
以下
・▲53角成は△43金と引いた手が99の香取りで絶好。
・▲66歩(銀)には△55歩と攻め、▲53角成には△51飛と足す。
・▲77桂には端が薄くなったので△55歩~△95歩と指したい。

再掲下図。
2022-07-03b_20220703205549215.png
以下▲46銀右なら△45歩(銀に威張らせない)▲37銀△52飛。
2022-07-03c_20220703205546aa3.png
△55歩から攻める手をみせて互角。力が必要な展開だが少なくとも後手悪くない。

・△64歩の変化
再掲下図
2022-07-03d_2022070320394312d.png
以下△64歩(次に△63金と寄りますよという意味)は自然、▲44歩も当然の一手。
2022-07-03e_20220703203945909.png
以下・△同銀
  ・△同金 を検討する。

・同銀の変化
再掲下図
2022-07-03e_20220703203945909.png
以下△同銀
2022-08-14w.png
以下▲24歩。
2022-08-14q_20220814145327573.png
以下・同角
  ・同歩 ←有力
を検討する。

・△同角の変化
再掲下図
2022-08-14q_20220814145327573.png
以下△同角は▲45歩が厳しい。
2022-08-14s.png
以下
・△同銀は▲11角成で香損、それはアウト。
・△33銀しかないがそこで▲46銀右がぴったり。
2022-08-14x.png
先手のびのび、後手の駒重すぎ。これはダメだ。

・△同歩の変化
再掲下図
2022-08-14q_20220814145327573.png
以下△同歩▲45歩△同銀▲33角成△同桂▲24飛に28歩が定跡書にたまに出てくる振り飛車の手筋。
2022-08-14t.png
私は「飛車バックの手筋」と呼んでるけどね。
以下・▲同銀は△55歩が厳しい(▲28銀が戦線復帰できない)。
  ・▲同飛は△26歩
2022-08-14m_20220814181823f23.png
以下・▲同飛は△44角で両取り💡
  ・▲88角は、
2022-08-14p_20220814181828547.png
以下△55歩(大駒を近づける)▲同角に△43飛がぴったり。
2022-08-14q_2022081418182997a.png
次に△54銀と引く手が楽しみだ。(△45桂の筋が発生)

再掲下図
2022-08-14m_20220814181823f23.png
以下▲46歩は△44角が切り返し
2022-08-14n_20220814181825c3a.png
以下
・▲77桂は△22飛▲45歩に△同桂で△27歩成の狙いが残るので後手良し。
・▲66角は△同角▲同歩△55歩が気持ちの良い手!
2022-08-14o_202208141818266a8.png
以下▲45歩は△同桂で攻めが続く。
※先手陣は、▲57銀+▲37銀と隆起した形が良くなくて、
2022-08-14o_202208141818266a8_20220820222359488.png
▲45歩と取っても△同桂が両取りなので後手の攻めが止まらない現象が起こっている。これ、地学のテストに出ます!

・△同金の変化
再掲下図
2022-07-03e_20220703203945909.png
以下△同金。うー-んいかにも重い。
2022-07-03f_20220703203946d48.png
以下▲24歩△同歩▲45歩△同金▲33角成△同桂
2022-07-03g_20220703203948cb5.png
以下・▲53角
  ・▲24飛  を検討

・▲53角の変化
再掲下図
2022-07-03g_20220703203948cb5.png
以下▲53角
2022-07-03h_20220703203949b63.png
以下△52飛▲64角成△44角
2022-07-03i_20220703203951e53.png
以下・▲66歩は△55歩からさばく。
  ・▲66銀はにゅるんと△56金。
難しいながら後手指せるはず。

・▲24飛の変化
再掲下図。
2022-07-03g_20220703203948cb5.png
以下▲24飛も△44角
2022-07-03j_20220703203952d23.png
以下▲66銀△56金(にゅるん)。
2022-07-03k_2022070320395459e.png
金が前に出ていく変化は、相手に金が入るとその金を使って堅く受けられるので、まだまだ大変なところがある。攻めているようで攻めていない的な。とはいえ上図は後手悪くはない。

【そういえば】
藤井猛九段の『四間飛車の急所3巻』223Pに書いてある形は、△14歩+△12香が入っている。つまり▲45歩(下図)に対して、
2022-08-14y.png
以下△64歩▲44歩△同銀▲24歩と進めた局面で
2022-08-14u.png
以下△同角!の選択肢が生まれている(勝手解釈)。
2022-08-16b.png
以下▲45歩は△12香型を活かして△同銀!と対応できる。
2022-08-14v.png
以下▲11角成なら△14歩型を活かして△13桂と逃げる。
2022-08-14a_2022081415153521d.png
以下▲21馬△63金(馬に狙われないようくっつける)。
2022-08-14b_20220814151536447.png
以下▲31馬△52飛▲21馬(次に▲43馬)△42飛という千日手ルートもありそう。千日手なら後手良しですね。


ー----------------------------
正直、
△45歩早仕掛けはそこまで怖くない。本当に怖いのは△53金→△32飛とさせて「本当に△53金型で棒銀受けられるんですか( ゚Д゚)?」
という変化である。早速みていく。
ー----------------------
2、▲26銀の変化
再掲下図
2022-07-03c_202207032039428b3.png
以下▲26銀△32飛
2022-07-03m_20220703203957903.png
以下▲35歩
2022-07-03n_20220703203958292.png
以下◎△51角
  ◎△12香 ←本筋
  
◎△51角の変化
再掲下図。
2022-07-03n_20220703203958292.png
以下△51角。この手、ノータイムでやっちゃう人多いんじゃないでしょうか?
2022-07-03o_202207032040001dd.png
▲35歩に反応して指が動いたと思うんですが疑問手やで。△11香型なので以下▲45歩が厳しい。
2022-07-03p_2022070320400186d.png
以下・△33桂
  ・△35歩 をみていく。

・△33桂の変化
再掲下図。
2022-07-03p_2022070320400186d.png
以下△33桂はよくある返しだが▲44歩でダメ
2022-07-03s_202207032040394f6.png
以下・△同金は▲同角△同銀▲43金がある。
  ・△同銀はそこで▲48飛が手筋。
2022-07-03r_20220703204038a18.png
以下・△45桂は▲46銀で駒を足されて悪化する。   
  ・△45歩と打つしかないがそこで▲34歩で桂馬が詰んでしまう。
  後手ダメだ~。

・△35歩の変化
再掲下図。
2022-07-03p_2022070320400186d.png
以下△35歩はいかにもだめそう。
2022-07-03t_202207032040415bf.png
以下▲44歩△同金▲45歩
2022-07-03v_20220703204044907.png
以下△34金とかわす
2022-07-03u_20220703204042b16.png
以下▲11角成(香取られた時点でやる気なくす気持ちは分かる)△33角▲同馬△同桂▲44香(さすがに筋悪いか?)△52銀▲24歩と根性で指す。
2022-07-03x_20220703204047ea1.png
以下・△同歩は▲23角で先手良し。
  ・△同金は▲21角で先手良し。
  ・△45桂▲23歩成△57桂不成が切り返し。
2022-07-03y_2022070320403656a.png
以下▲同金△31飛▲42香成△64角
1_202207032039343f8.png
この角があるので形勢は難しいのかもしれない。
以下▲52成香△28角成▲61成香△同飛
2_202207032039368a5.png
以下・▲52銀
  ・▲53桂 を検討。

・▲52銀の変化
再掲下図
2_202207032039368a5.png
以下▲52銀なら△62飛▲53金△71銀が鬼粘り。
3_2022070320393710a.png
これはもしかすると後手が凌いでいる可能性がある。

・▲53桂の変化
再掲下図
2_202207032039368a5.png
以下▲53桂
2022-07-03d_202207032128168f6.png
以下△21飛▲62銀△64馬
2022-07-03e_20220703212819a25.png
以下▲32と△11飛▲58金引(△48飛の王手を防ぐ)△49飛▲22と△42飛成
2022-07-03f_202207032128184db.png
こうなれば優劣不明の戦い。とはいえ後手負けの変化があってもおかしくないので全くおススメしない。

◎△12香の変化
2022-07-03a_202207032302166b6.png
以下△12香が本筋。
2022-07-03b_202207032302178a1.png
▲45歩の角筋を警戒して香を上がっておくのが価値ある一手だ。
以下・▲45歩 ←なんとかなる
  ・▲38飛△51角▲45歩 ←なんとかなる
  ・▲34歩△同銀▲38飛△51角▲45歩 ←厄介
        を検討する。

・▲45歩の変化
再掲下図
2022-07-03b_202207032302178a1.png
以下▲45歩
2022-07-03d_20220703230220955.png
以下△同歩▲33角成△同飛
2022-07-03e_202207032302211e9.png
以下・▲42角は△44角がぴったりの切り返し。
   ・▲24歩△同歩▲15銀の強襲には△32銀と受ける。
2022-07-03f_20220703230223b2e.png
以下▲24銀△43飛(4筋戦線に参加)▲34歩に△64角がいつもの手筋。
2022-07-03g_20220703230224d17.png
以下▲26飛
2022-07-03h_202207032302269ea.png
以下・△19角成
  ・△25歩 を検討する。

・△19角成の変化
再掲下図。
2022-07-03h_202207032302269ea.png
以下△19角成は▲33歩成でまずい。
2022-07-03i_20220703230227d57.png
以下・△同銀は▲同銀成△同桂▲21飛成で先手良し。
  ・△同桂は▲34歩で先手良し。
さすがに2筋を突破されては、端に馬を作ったくらいではわりにあわない。

・△25歩の変化
再掲下図。
2022-07-03h_202207032302269ea.png
以下△25歩がこの形あるある
※藤井システムで急戦を受ける変化で出てくる手筋。
2022-07-03j_20220703230229067.png
以下▲同飛とらせてから△19角成▲33歩成
2022-07-03k_20220703230230850.png
このときに△同桂が先手の飛車取りになっているのが△25歩の効果。
2022-07-03l_202207032302148d9.png
以下▲同銀成なら同飛で後手良しだ。

・▲38飛の変化
再掲下図。
2022-07-03b_202207032302178a1.png
以下▲38飛
2022-07-03a_20220703231230c6c.png
以下△51角と引き3筋に飛車を通す。
2022-07-03b_20220703231231548.png
※△22角もなくはないが、常に▲45歩&▲24歩と角を狙われるのでちょっと危ない。それらの脅威から遠ざかる△51角が本筋でしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※▲46銀戦法の△53金型と混同注意
対▲46銀戦法(下図)の△53金型。
2020-07-03p.png
以下➀▲38飛 ←△22角と引く
  ②▲手待ち ←△51角と引いて次に△35歩と取る形にする。 
と、対▲46銀戦法では角の引く場所を使い分ける。
このあたりは、別記事でやります


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
再掲下図。
2022-07-03b_20220703231231548.png
以下▲45歩
2022-07-03c_20220703231233b8d.png
以下・△33桂←軽いさばきでお勧め
  ・△62角←重くおさえこむ
  を検討する。

・△33桂の変化
再掲下図
2022-07-03c_20220703231233b8d.png
以下△33桂。
2022-08-14a_2022081416284354a.png
この手が指したくて△53金型を指していると言っても過言ではない。
以下▲44歩
2022-08-14b_20220814162845e6b.png
以下・△同銀
  ・△同金 ←有力 をみていく。

・△同銀の変化
再掲下図
2022-08-14b_20220814162845e6b.png
以下△同銀
2022-08-14c_20220814162847b03.png
以下▲34歩△45桂▲46銀
2022-08-14d_202208141628486e1.png
桂馬が捌けて好調と思ったら全然ダメ。
以下
・△37歩が筋だが▲同桂△34飛▲35歩で居飛車良し。銀2枚が海面に隆起しているので▲35歩で飛車を跳ね返せる。2022-08-14d_202208141628486e1_20220820225534ae4.png

・△55歩も筋だが▲35銀右△同銀▲同飛で居飛車優勢。居飛車にとんでもない銀の捌かれ方をしてしまい屈辱。
2022-08-14e_20220814162849a5a.png
というわけで後手は桂馬が捌けても全然うまくいかない。

・△同金の変化←本筋
再掲下図
2022-08-14b_20220814162845e6b.png
以下△同金
2022-08-14f_202208141628510f7.png
以下・▲44角△同銀▲43金は△42飛でいい勝負。△45桂と活用できる未来がある。
  ・▲48飛が本線。
2022-08-14g_20220814162852e0a.png
以下
・△45歩は▲44角△同銀▲43金で必敗。△45歩と打ったので△45桂とさばく筋が消えてしまった。
△62角がこの場合の受けの形。
2022-08-14h_20220814162854f58.png
以下・▲44角
  ・▲24歩 を検討する。

再掲下図。
2022-08-14h_20220814162854f58.png
以下▲44角△同角▲同飛△同銀△43金は
2022-08-14i_20220814162855e64.png
両取り逃げるべからずの△45桂で後手良し。
2022-08-14j_202208141628578cb.png
後手は飛車が手に入ったので、攻め合い勝ちできる算段がついた。

・▲24歩の変化
再掲下図
2022-08-14h_20220814162854f58.png
以下▲24歩△同歩▲15銀
2022-08-14k_2022081416285816b.png
以下△35歩▲24銀△45桂▲46銀△34銀
2022-08-14l_20220814162900530.png
この局面は互角。△55歩が楽しみだ。

・重くおさえこむ△62角の変化
再掲下図
2022-07-03c_20220703231233b8d.png
以下△62角はどっしりしている。
2022-07-03d_20220703231234a99.png
以下▲44歩△同金▲34歩
2022-07-03e_20220703231236cf2.png
以下△55歩。
2022-07-03f_20220703231237adb.png
以下▲同歩には△34飛と飛車交換を挑んで後手良し。
2022-07-03g_2022070323123956c.png
先手の陣形は薄すぎて勝負にならない。

再掲下図。
2022-07-03d_20220703231234a99.png
以下▲34歩△同銀▲44歩は次でとりあげる。

・▲34歩の変化
再掲下図
2022-07-03a_20220703232706c18.png
以下▲34歩△同銀▲38飛△51角
※『四間飛車の急所3巻』にはこの変化が書いていない。
2022-07-03b_20220703232707766.png
以下▲45歩
2022-08-16v.png
ここで△62角が唯一の受け。
※▲38飛が△34銀に当たっているので、上図以下△33桂の切り返しがきかない。
2022-07-03c_202207032327092f6.png
△62角はおさえこみの将棋になるので難易度が高い(そもそもおさえこめるかどうかすら謎なのだが)。
以下44歩
2022-07-03d_2022070323271083b.png
以下△同金は▲45歩
2022-07-03e_20220703232712add.png
ここで△43金と引くと、形勢は互角だが勝ちにくい将棋になる。昔の定跡みたいに。
※昔の定跡(下図)
2022-08-16k.png
以下▲44歩(金取り
2022-08-16n.png
以下△同金▲45歩
2022-08-16m.png
と進む将棋で後手勝ちにくい。

しかし△53金型の再掲下図は…
2022-07-03d_2022070323271083b.png
▲44歩にすぐ△同金と取る必要はない。
上図以下△55歩が手筋、これでどうなるか。
2022-07-03f_20220703232713e90.png
以下・▲同歩
  ・▲同角 をみていく。

・▲同歩の変化
再掲下図
2022-07-03f_20220703232713e90.png
以下▲同歩に△44金が狙いの一手。
2022-07-03g_20220703232715274.png
以下▲46歩(駒の進出を防ぐ)△33桂
2022-07-03h_2022070323271699a.png
以下▲37銀△25桂▲36銀△24歩
2022-07-03i_20220703232718942.png
以下▲26歩△37歩▲同桂に△35銀
2022-07-03q_202207032334214f8.png
以下・▲25桂は△37歩▲同飛△36銀が厳しい
  ・▲同銀は△同飛でさばけ。
  ・▲47銀は△37桂成▲同飛△36歩▲39飛△34飛(居飛車の角筋よりも上へいった方が捌きやすい
2022-07-03r_20220703233801241.png
以下・▲54歩は△55歩でおさえこむ。
  ・▲95歩△同歩▲93歩には△同玉で頑張る。
後手は手番が回れば△27桂が楽しみだ。

☆再掲下図。【よくあるひっかけ問題】
2022-07-03f_20220703232713e90.png
以下▲24歩は油断ならない手
2022-07-03j_20220703232719486.png
以下△同歩▲22歩
2022-07-03k_202207032327217c5.png
以下「手筋です」とばかりに△25歩▲同銀△22飛は・・
2022-07-03l_20220703232722c9e.png
通常の定跡より居飛車の駒台に1歩多いので以下▲23歩がある
2022-07-03m_20220703232724410.png
以下△同飛は▲24歩で居飛車銀得あひゃ。

再掲下図
正着はなんだろうか。
2022-07-03j_20220703232719486.png
以下、2筋を手抜きして△44金。
2022-07-03n_202207032327255cf.png
以下・▲23歩成は喜んで△同銀。飛車交換は後手良し。
  ・▲35歩△45銀▲23歩成は△52飛
2022-07-03o_2022070323272701c.png
以下▲12とには△同飛とと金を消しておいてどうだろうか
2022-07-03p_202207032327042a6.png
香損でも陣形差で後手が良さそうである。

再掲下図
2022-07-03a_20220703235216b19.png
以下▲同角が厄介すぎます。
2022-07-03b_20220703235218c8f.png
△44金ではなく△54金と出ておいて…。
2022-07-03c_20220703235219bb2.png
以下▲77角に△44角と角をぶつける(これが△54金の狙い)
2022-07-03d_20220703235221419.png
以下・▲同角△同金
   ・▲37銀 ←厄介 を検討する。

・▲同角の変化
再掲下図
2022-07-03d_20220703235221419.png
以下▲同角△同金
2022-07-03e_20220703235224552.png
以下▲53角△27角
2022-07-03f_202207032352121fe.png
この角が打てるなら後手良し
以下▲48飛に強気の△43銀
2022-07-03g_20220703235213f99.png
以下▲同角成△同銀▲同飛△39飛成
2022-08-14r_202208142026078be.png
次の△36角成を狙いにして後手良し。

・▲37銀の変化
再掲下図
2022-07-03d_20220703235221419.png
以下▲37銀が厄介
2022-07-03a_20220703235505c7d.png
以下△77角成▲同桂△64角
2022-07-03b_202207032359070fd.png
密かに9筋も狙っている。
以下▲86角(9筋ケア)△同角▲同歩
2022-08-20a_202208202310249db.png
以下・△43銀は有力。しかし△33桂を使う展開にはならなそう。
  ・△44金は△33桂と跳ねますよという手(▲21角の筋を消した)
2022-07-03c_20220703235908ee3.png
以下・▲68金直なら△33桂▲46銀右△45桂でいい勝負。
  ・▲53角は△43銀で飛車道を通す
  ・▲48飛は△45歩。
2022-07-04a.png
以下・▲68金上
  ・▲68金寄 ←有力 を検討する。

・▲68金上の変化
2022-07-04a.png
以下▲68金上
2022-07-04b.png
以下△36歩▲同銀△25銀▲同銀△39飛成
2022-07-04c.png
こうなれば後手良し。

・▲68金寄の変化
再掲下図
2022-07-04a.png
以下▲68金寄の方が、3~5筋から金が遠ざかる+1段目のスース―を消しているのでどう考えても堅い。
2022-07-04e.png
以下△35銀
2022-07-04d.png
実は後手もってそんなに自信ない(笑)。
ー--------------------------
ー---------------------------------------
定跡書にある▲68金型vs△53金型の基本図への道
2022-07-03b_20220703203940edd.png
上図のタイミングで▲46歩と突くなら以下△64歩が有力。
2022-08-14l_20220814141935c9b.png
以下▲26銀に△45歩!があるからだ。
2022-08-14m_20220814141937de1.png
△63金が入っていなくても△11香型なので△45歩で互角以上。
    ↓
そうすると先手の最善の駒組みは、
2022-08-16c.png
▲46歩を突かないことで、△45歩の仕掛けをさせないという発想になる。上図以下▲68金上△54歩▲37銀△14歩▲16歩△12香。
2022-08-16e.png
この△12香を見て▲46歩と突く。
2022-08-16g.png
以下△64歩に▲26銀
2022-08-16h.png
△12香型なら△45歩がない。→別記事にて。
したがって上図以下△45歩を諦めて△53金と上がる。
2022-08-16f.png
これでようやく定跡書にある▲68金型vs△53金型の基本図になった。以下▲35歩△32飛▲34歩△同銀▲38飛△51角▲45歩△62角の展開になると
2022-08-16j.png
やはり▲44歩にどうするかという問題が発生している。
2022-08-16q.png
形勢自体は互角なのだが金が上にいく将棋はまとめるのが容易ではない。

ー--------------------------------
【まとめ】
△53金型→△62角で受ける展開は、
2022-08-16o.png
下図の昔の定跡のように金が上へいく展開もあるので力がないと大変
2022-08-16p.png
少なくともビギナー向けではない気がする。
なので、△53金型のみに棒銀対策を頼るのは得策ではないよねと。
むしろ、△65歩型の方が勝ちやすい説まである。

ただし何らかの事情で下図が
2022-08-16r.png
後手の手番であれば、例えば▲68金上いれみよう。
     ↓
2022-08-16s.png
以下△35歩で…
2022-08-16t.png
以下▲44歩△同金で金が上へ行く展開になっても
2022-08-16u.png
先手から暴れる手がないので後手良しになる。これは覚えておいて損なしだと思う(定跡書はこの変化がメインで書いてある)。


関連記事

コメント

非公開コメント

あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

全記事表示リンク