理由はノーマル三間飛車の流行。
三間の基本書には、「三間に棒銀をする奴はクレイジー。そんな議論はしたくないんだぜベイビー」と書かれていたりする。
そんなわけで対応策の多くは「四間の定跡書」に丸投げされているが、本美濃(△52金型美濃)ベースで書かれているのが問題。
三間飛車は、最初から3筋に飛車を回っているため、四間飛車の定跡(△42飛→△32飛)と比べて1手多く指さないといけない。
つまり、四間の本美濃定跡+余分な手 を指す必要がある。
ここをプラスに変えれるか大事になってくる。
しかしながら、知識として、四間本美濃定跡しか知らない人がほとんどで、リスクをとらず、自分が唯一知っている四間本美濃定跡に三間飛車をカスタマイズしようとする(手待ちしようとうする)。
もはやそれ自体がリスクであるということに気づいていない。
基本的に四間飛車の定跡は、無駄な手を指さない美学に基づいて形成されている部分があり、それに反した行動をとると「即☆潰れ」までいく。
(三間しか知らないとそれすら分からない可能性がある)。
本県でもこれを目につけた急戦の経験値が豊富なS木さん(県優勝複数回のベテラン)が、2300点クラスに圧勝していた。私もそれをパクったら最新形では全く勝てないのに圧勝できてしまった(笑)。
ところが、全国中学生名人経験者の高校生にやってみたら圧敗\(^o^)/
その差は何なのかというと、余った手でみじめに手待ちをするのではなく、手をプラスに変えていこうという勝者のマインドである。
本記事は、本美濃(△52金型)から余分な手を使って高美濃(△63金型)への発展が成立するのかを検証していく。
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そして最初に断っておきたいこと。
高美濃は普通にやったら組めない、手数が足りないから\(^o^)/。
なんらかの事情(先後の差・三間・居飛車が手損・手待ち)が絡んで、振り飛車にチャリーンチャリーンと余分な手が入ってこないといけない。
それらを全て網羅するのは無理なので、「この形はコレ」みたいな大雑把な感じでいきますのでご容赦ください。
◎△33角型+△73歩型高美濃→潰れ( ゚Д゚)!
下図を見てください。
以下△51角と引いたとしましょう。
以下▲34歩△同銀
以下・▲44角なら△43銀でいい勝負。
・▲45歩は居飛車良し。
・▲33歩が一番厳しい。
以下△同飛▲44角△43銀▲33角成△同角▲66銀
後手陣は△63金と上がっているため横からの攻めに弱い。具体的に▲41飛が厳しい。振り飛車全然ダメだ~。
◎△33角型+△74歩型高美濃→潰れ( ゚Д゚)!
以下△51角
先手が良くする手段は色々とありそうだが▲34歩△同銀▲33歩と同様に攻める。
以下△同飛▲44角△43銀▲33角成△同角
ここでさっきと同じように▲66銀は…
以下△65歩▲77銀で△75歩と突けるようになっている。
以下▲同歩△76歩▲88銀△88角成▲同玉△11角
必殺の穴角(飛車にいじめられない場所)で後手良しだろう。
再掲下図。
ここでは冷静に▲66歩で後手まずい。
攻めようとすると、▲41飛から砲台(△21桂+△33角)をぶっ潰されてしまう。一瞬夢を見かけたが振り飛車無理でした。
◎△33角型+△73桂型の高美濃→🎅!
夢を見かけたらサンタがきました。
下図は高美濃のクリスマスツリーが完成している。
そもそもどうやったら後手の手はこんなに進むのか?という話であるが冒頭で述べたように、いろんな事情があったということで。さて、△73桂が入ると5筋攻めという選択肢が振り飛車に生まれる。したがって、以下△45歩という反発が可能になる。
以下▲33角成△同飛
色々ありますが一貫して言えるのは、△55歩と突いて→3筋or4筋で歩を拾って→△65桂と攻める、この流れです。あなたの心の電飾も灯ったんじゃないですか( ゚Д゚)?
以下、具体的に▲22角△55歩▲同歩△35歩。
これで振り飛車が簡単に良くなるわけではないので注意。サンタクロース🎅がえんとつを襲撃してくる筋(▲95歩の端攻め)も警戒しないといけない。いい勝負だと思います。
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次はなんらかの事情で、下図になって、
▲34歩が来る前に、△53角または△62角で、4筋の守りが間に合ったという局面を検討します。
◎高美濃+△53角型
以下▲34歩△同銀▲45歩
この局面は若い子にとって難易度が高い局面。最近の本の棒銀対策は△52金型美濃しか書いていないので対応できない。△64歩型なので△64角と出れないし、△63金型なので△43金と上がれない。かといって△43銀は▲35銀と出られてしまう。
上図以下、△55歩と突くのが高美濃定跡。
以下・▲同歩
・▲同角 を検討する。
・▲同歩の変化
再掲下図。
以下▲同歩
これには△45歩と銀取りで角道を通す。
以下・▲37銀
・▲33歩 を検討する。
・▲37銀の変化
再掲下図
以下▲37銀には△43銀と飛車先を通す。
以下▲54歩には△同金ととる。
以下▲11角成には△44角▲同馬△同金(△同銀は▲43角が厳しい)
自然にさばいて後手優勢。
・▲33歩の変化
再掲下図。
以下▲33歩
以下△同飛▲54歩△26角▲33角成△同桂▲34飛
ここで△49銀が急所の絡み。
以下
・▲48金は△56歩▲49金△57歩成▲同金△48銀で後手良し。
・▲33飛成は△88金が厳しい。
▲同玉は△55角の王手飛車なので上図以下▲68王だがそこで△56歩が手筋。
以下▲同銀に△79角で寄り筋。
以下・▲69王は△57歩
・▲77王は△89金で一手一手だ。
・▲同角の変化
再掲下図。
以下・△43銀
・△54金 ←有力 を検討する。
・△43銀の変化
再掲下図
以下△43銀と飛車交換を挑むのが筋に見えるが…
以下あっさり▲同飛成△同銀▲35銀で居飛車良し。
以下・△39飛
・△31歩
・△54金 をみていく。
・△39飛の変化
再掲下図。
以下△39飛は▲44銀(角取り!)△71角▲37飛がぴったりの切り返しで後手まずい。
これは先手必勝。
以下△31歩と埋めても▲44銀(角取り!)△71角▲33歩で強引に飛車打ちのスペースを作られてしまう。
押し込まれるとはこのこと。
一番反発力のあるのは以下△54金だがかまわず▲44銀(角取り!)
以下△71角に▲88角と冷静に引かれて後手悪い。
後手陣は、飛車打ち込み放題からのアイテムゲットし放題。横スクロールゲームのマップかと。そもそもこんなことになったのは、△53角型ゆえ▲44銀が角取りに当たってしまうから。昔の高美濃定跡は、下図のように△62角型なので▲44銀が角取りにならない。だから△43銀が成立する。
そこがゴチャゴチャになる点ですね。
・△54金の変化
再掲下図。
以下△43銀がダメだったが△53角型がダメなわけではない。
以下△54金と先にあがっておきます。
以下▲88角とさせてから△43銀がごっつい手順。
以下・▲32飛成
・▲35銀 を検討する。
・▲32飛成の変化
再掲下図。
以下▲32飛成△同銀▲55歩△65金▲54歩△71角
※△71角と引かせたことで▲31飛と打てるようした。
以下▲31飛△39飛▲37銀△43銀
形勢は互角。後手は桂香を拾って△76金を間に合わせたい。この展開は△65金が攻めに使えるのでまあまあですよね。
・▲35銀の変化
再掲下図。
以下▲35銀には△45金の刷り込みが筋である。
以下▲36歩△65歩
後手は次に△55歩▲同歩△56歩▲48銀△64角で角をさばいていく狙いだ。これでいい勝負。△54金はどの展開になっても遊ばないのだ。
◎△62角型の一直線変化
△62角型は、中原vs大山戦とか有名ですね。
以下△55歩▲同角
以下△43銀
以下▲32飛成△同銀▲44歩
形勢は難しい。以下△49飛▲31飛
△33銀▲21飛成△44銀▲75桂!
以下△53金▲44角△同飛成▲63銀
△42龍?▲43歩△同金▲72銀成△同金▲63銀
以下△71銀と埋めて千日手が最善か?
この将棋の後手の勝ちパターンはしっかり受けることなのでなかなか大変だ。
もしかしてなんだけど~もしかしてなんだけど~♪
△62角型でも
あえて△54金▲88角△43銀と重く指した方が良い説あるか?
しかし△53角型ではないので△65歩→△64角がないので後手が良いとも言い切れんない。
※高美濃vs棒銀については、『四間飛車を指しこなす本1巻』178ぺージも読んでみよう。
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