このままだと次に△35歩で歩を取られてしまうので▲38飛と一枚足す。
以下△53角で44の歩を守る。
△53角の効果で▲34歩は△同銀で攻めが続かない(▲44角と取れない)。そういうわけで▲46歩、4筋も戦場にする。
次に▲45歩△同歩▲11角成で香を取る狙いなので、△12香と角を逃げておく。
以下・▲45歩
・▲34歩 の変化をみていく。
◎▲45歩の変化
再掲下図
以下▲45歩なら・・・
堂々△同歩。(どうどうどう ふ)←言いづらい。
以下▲11角成に△44角が定番のカウンター。
以下▲21馬は△99角成で後手良し。なので上図以下▲44馬△同銀▲34歩に△64角もまた定番の反撃。ラーメン&チャーハン。
19の香取りの受け方が難しいので後手やや良し。対棒銀では△64角と打つ手が大体好手になる。
再掲下図。
▲11角成とせずに▲34歩と取り込む手は・・・
以下△26角で銀がタダ。しかし喜ぶのはまだ早い。そこで▲33歩成に先手は期待をしているので油断はできない。
以下△同桂
ここから▲33角成△同飛▲同飛成と突っ込んできてくれるなら△44角で後手良し。
以下▲31龍は△22角打が△77銀打からの詰めろ竜取りだ。
再掲下図。
以下▲34歩は結構気持ち悪い手。
以下・△25桂
・△27銀 をみていく。
・△25桂の変化
再掲下図。
以下▲33歩成に△31飛が見えるかどうかが肝。
先手に歩がないので▲32歩と打てない。これで先手は身動きがとれないので後手良し!と言いたいところなのだが▲28飛という手はある。
以下△44角。
以下▲43とには…
△88角成▲同王△39飛成▲52と△同金と進む。
最後△同金は弱気のようだが落ち着いた好手。
先手陣には金と飛の両取りがかかっているので後手はすぐに駒損を取り返すことができる。後手が指せる展開だ。
再掲下図。
以下▲同角△同銀▲25飛△33飛▲22角は読みきらないといけない。
以下△38飛成▲44角成に△36角(激痛)▲35飛△58龍で後手良し。
以下▲同金△同角成のときに先手は金がないので受けが難しい。
・△27銀の変化
再掲下図。
貰った銀を△27へ打つのもシンプルで良い。
飛車さえとれば王様の堅さで後手が良いという理屈である。
◎▲34歩の変化
再掲下図
以下▲34歩△同銀
ここで▲24歩△同歩▲22歩という筋がある。
△同飛は▲34飛と銀を取られてしまう。ここで有名な切り返しがある。
以下△25歩。
以下▲同銀にはそこで▲22飛が華麗な手順。
以下・▲34銀は△29飛成で一方的に龍を作って後手良し
・▲34飛には△25飛で後手良し。
と、ここまでがパッケージ化された解説。昔、将棋講座でこれを見た時は「なるほど~」とすごい分かった気になったのだが意外と難しい。というか全然簡単ではない定跡なのだ。以下つらつらと書いていく。
・直線の切り合いがむずい(笑)
再掲下図。
△25歩と突かれた局面。
以下▲21歩成△26歩▲22と△27歩成
以下▲32と△38と▲33と
この直線の変化は、『2002年5月アマレン141号』の「ニーダの定跡研究」で取り上げられた局面。紙面では居飛車良しという主張もあったようだ。私も何度かこの局面を迎えたことがあり、初見では難しいと感じた。
上図以下△35銀▲41飛△64角(次の▲43とが角取りにならないようにした)
以下▲43と△62金寄▲44と
以下△52銀!▲21飛成△46銀▲同銀△同角
※△52銀が守備駒を増やしながら▲41の飛車を移動してもらう好手。これで△46銀を安心して指せるようになった。
後手良し。
・▲15銀とかわす変化もむずし。
再掲下図。
以下▲15銀とかわす手にはどうするか。
以下・△42角
・△26歩を検討する。
・△42角の変化
結論から言うと△42角が最善。
以下▲21歩成に△35銀が飛車の逃げ道を作った冷静な手。
以下▲22とに△34飛と逃げる。
桂損でも銀が取れる形なので焦らずに指す。
以下▲16歩と銀取りを受けても△14歩で銀をとれる。
丁寧に指して後手良し。これも初見では難しい変化だと思う。
・△26歩の変化
ここで△26歩は後手損する変化がある。しかし定跡を勉強している人ほど筋とばかりに指したくなるような手だ。
以下▲同銀なら△22飛▲27歩△32飛で後手が良い。
▲22歩の狙いが消えているので後手が悪いわけなし。
しかし再掲下図。
この▲15銀の意味は銀を端に逃げて取られにくくしたことにある。
なので以下▲21歩成△27歩成▲22と△38と▲32とと進めるほうが居飛車は理にかなっている。
以下前述の『アマレン』の変化同様に△35銀と進めるとさっき検討した下図の変化と比べて
後手の持ち駒に銀がないではないか( ゚Д゚)!形勢はともかくさすがに後手もってやる気がしないですね。
・▲16歩型の場合
藤井猛九段の『四間飛車を指しこなす本』1巻166Pでは、▲16歩が入っている形が紹介されている。
その形では▲17銀と逃げる手が記されている。
これには△26歩が成立する。
以下▲21歩成は、△27歩成が飛銀両取りなので先手ダメ。▲同銀しかないが△22飛で切り返し成功となる。
・先手の持ち歩が2枚ある場合
例えば下図。これは棒銀対策の△53金型の一変化だ。
以下△同歩▲22歩
以下「手筋です」とばかりに△25歩▲同銀△22飛は・・
通常の定跡より居飛車の駒台に1歩多いので以下▲23歩がある
以下△同飛は▲24歩で居飛車良し。銀をタダで取られてしまう。
毎回読みを入れないといけない。
・▲26に銀がいない場合←これくらう人多し。
下図のような局面。
上は▲46銀戦法なので26に銀がいるわけない。上図以下ノータームで△同歩▲22歩で
△25歩と突けなくて困っている子ども多し(>_<)
あくまで△25歩のカウンターは棒銀のあの局面専用だ。
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再掲下図。
ここから▲45歩というド定番の定跡もやっておく。
以下△同歩は▲33歩△同桂▲34飛で先手の攻めが決まる。
ここで何度も見てきた切り返しが登場。上図以下△64角。
上図以下・▲44角は△43銀▲32飛成△同銀で王様が堅い後手有利。
・▲44歩は△19角成で先手は良い手がないので後手優勢。
☆先手の工夫
再掲下図。
ここまでのおさらい。
以下・▲45歩は△同歩で先手ダメ。
・▲34歩△同銀▲45歩は△64角でダメ。
すぐに仕掛けてもうまくいかない。
そこで居飛車は思った。
「△64歩を突いてもらい△64角を消してから仕掛けたらうまくいくのでは」
↓
そのためには陣形を整備しながら後手に手を渡すのが良い。
※この後手(振り飛車)に手を渡すというのが棒銀vs四間の大事なテーマ
↓
以下▲68金上。
ここで△64歩と突いてくれるならば
以下▲34歩△同銀▲45歩の時に、
△64角がない( ゚Д゚)!
上図以下△43金と上がるのが定跡なのだが
金が離れるので後手が勝ちにくい(形勢は互角)と思う。これは藤井猛九段も『四間飛車の急所』はじめ色々な棋書に書いてあります。
再掲下図。
なんとか△64歩を突かない手はないものか?そこで登場したのが△42金という手!
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