▲78王型棒銀vs後手四間~美濃完成で大捌き~【棒銀対策3】

居玉棒銀(▲59王型)もまずいが、
2022-07-08k_202207081824181f1_2022080818525820c.png
   ↓
▲68王型棒銀もまずい!
 なにせ、△46歩→△47歩成→△57とが…
 2022-07-08l_20220708191217c35_20220808194645e05.png
↑王手(赤)になるし、その瞬間に飛車が49の金取り(青)なるしでマジでいいとこなかった~。

そういうわけで今回は、▲78王と寄って△57とが王手にならないようにした居飛車の工夫を見ていきます。

ー--------------------------------

□▲78王型+棒銀
2022-08-07a_202208071358230a7.png
▲78王型は王の位置が完璧な状態。以下△62王▲36歩△72銀▲37銀△71王▲26銀△82王▲35歩△45歩といつもの進行に。ここからは前回の▲68王型を踏襲して進めていくので細かい変化の解説は省略する。
2022-07-08b_202207082102028b0.png
以下▲33角成△同銀
2022-07-08c_20220708210203051.png
以下
 ・▲55角
 ・▲77角
を検討する。

□55角の変化
再掲下図。
2022-07-08c_20220708210203051.png
以下▲55角は…
2022-07-08x_20220708213130dd4.png
・▲68王型で紹介したように上図以下△44銀▲88角△55角と攻め合っても後手十分。
・この場合は△82王型の美濃囲いが完成しているので上図以下△54歩と攻めを呼びこむ手もある※△71王型で△54歩は流れ弾に当たりやすいので危険。
2022-07-08s_202207082102279c9.png
以下△77角は△46歩が実現して先手失敗。
なので上図以下勢い▲33角成△同桂▲34歩とりこむ。
2022-07-08t_202207082101592ae.png
ここで△46歩と攻め合うのは危ない。
なぜなら次の▲33歩成を許すと、
桂馬を取られて→と金でさらに何か取られる( ゚Д゚) という状況になる。

正直、桂馬なんて取られてもいいんです、安いもんです(笑)。それよりも、後半の「と金を作られて、さらに何かを取られる」デメリットの方がえぐい。というわけで、△44角で3筋を受けます。
2022-07-08u_20220708210741dcf.png
以下▲33歩成にきっちり△同角として、「桂損でも、と金を消しておく」のが局面のバランスを保つ手となります。
2022-07-08v_20220708210743d57.png
上図以下▲88銀には△55角打の重ね打ちで飛車銀両取り。
2022-07-08w_20220708210740507.png
後手良し~。

再掲下図。
2022-07-08c_20220708210203051.png
以下▲34歩△同銀▲55角はどうするか。
2022-07-08j_20220708210214d0d_2022080809110542b.png
ここで△54歩は▲11角成と手順に角を逃げられて失敗。
じゃあどうするか、一本△46歩が捌きのテクニック
2022-07-08k_20220708210215c40.png
以下▲同角と▲同歩、どちらで取っても先手は味が悪い。まずは▲同角から検討する。

上図以下▲同角は、11香を睨む対角線のラインが消えた。
2022-07-08l_20220708210217a45.png
その隙に後手が△22角と対角線へ角を置く。
※対角線のラインはお互いの急所である。
2022-07-08m_20220708210218da2_202208080911031bc.png
以下▲88銀と香取りを受ければ、△45銀が好手。
2022-07-08n_20220708210220697.png
以下▲35角は△52金左。
2022-08-07c_20220807155232dd4.png
次に△34歩で角を捕獲するのが狙い。上図以下▲24歩と暴れてきても△34歩▲23歩成△88角成▲同玉△35歩で後手良し。
2022-08-07d_20220807155625f8e.png
次は密かに△55角の王手飛車を狙っている。

再掲下図。
2022-07-08n_20220708210220697.png
以下▲37角には▲36銀で後手良し。
2022-07-08o_20220708210221847.png
角が逃げれば△47銀成だ。

再掲下図。
2022-07-08k_20220708210215c40.png
▲同歩は先手としてはかなりつらい。
2022-07-08p_20220708210223f9a.png
▲55角がいなくなると△46飛と走る事ができるからだ。
以下△33角と角の移動を促す。
2022-07-08q_20220708210224426.png
以下▲同角成△同桂▲55角△32金。
2022-07-08r_202207082102261d3.png
次に△54歩から角を追い、△46飛を狙って後手良しだ。
▲46歩を不安定な△55角だけで支えるのは無理があるようだ。

再掲下図。
2022-07-08k_20220708210215c40.png
以下▲11角成は下図以下▲77角と打つ変化でとりあげる。
2022-07-08c_20220708210203051.png

□▲77角の変化
2022-07-08c_20220708210203051.png
2022-07-08d_2022070821020531e.png
先手は次に▲34歩から▲11角成を狙っている。後手は部分的に受けがないので以下△46歩▲34歩と戦う。
2022-07-08e_20220708210206ee9.png
ここで仮に▲68王型なら△47歩成→△57とが王手になるので後手良し。しかし上図は▲78王型なので△47歩成→△57とが王手にならないので先手良し。そういう事情もあって、上図以下△同銀と手を戻す。実はこれが冷静な手。
2022-08-07b_20220807150012e62.png
以下▲11角成△47歩成
2022-07-08f_202207082102083e3.png
後手は香を損をしたが、と金が大きい。次に△57とと寄れば後手の飛車道が通り▲49の金取りになるので先手困っている。上図以下それをブロックする▲48歩には決め方いろいろ。
2022-07-08g_20220708210209cc0.png
以下
・△57とで先手玉へにじり寄っても、
・普通に△48同と▲同金△39角と攻めても後手良し。
一番お洒落な手順は上図以下△64角!
2022-07-08h_20220708210211979.png
と金が47にいるので▲37の地点で受けることが出来ない。
以下▲18飛とかわす手に△46飛が覚えてもらいたい手筋。
2022-07-08i_2022070821021231a.png
飛車を縦→横と動くことで捌いていく。←実戦ではよく出る筋。

【捌きの手筋11 十字飛車の捌き】
2022-07-08i_2022070821021231a_20220807151911b04.png
飛車好きにはたまらない手筋やな。

【結論】
居飛車は▲49金が守りに加わっていないのが痛い。それどころか△46歩から後手の飛車の利きが通ってきたとき負担にさえなっている。
2022-07-08f_202207082102083e3_20220809221617400.png
というわけで次は、▲49金を▲58金と上がった形、▲78王+▲58金型を検討する。
2022-07-08a_20220708215645f1c.png

関連記事

コメント

非公開コメント

あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

全記事表示リンク