棋戦 :2021年12月5日
第1回北海道・東北ブロック支部対抗戦4回戦副将戦
A井初段(天童支部A)vsN三段(宮城古川王将会支部)
山形新聞掲載日:2022.4/26~2022.4/30 (全5譜)
・1譜 4/26(火) 優勝目指して
・2譜 4/27(水) パラダイス
・3譜 4/28(木) 後手、牙をむく
・4譜 4/29(金) 脱出作戦成功
・5譜 4/30(土) 最高の結末
戦型 :先手三間vs居飛車穴熊
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□ 第一譜 優勝目指して
東日本支部対抗戦がコロナ渦で中止になり、代替え措置としてブロック大会が企画された。当初の4月から大きくズレこみ、結局12月に開催となったのだが、その時には中3の全国中学生準名人の清N君がさすがに受験勉強するわ~ってことで離脱。
この時点で「終わった」と思ったが、まぁ少年達の思い出作りに大会開催は大事だよねと行事的なノリで私は見ていた。
すると、なんかよく分からないうちに、ダーッと3連勝してしまった。しかも優勝候補も切っているという状況。だんだんと大人たちも「あれ??」と関心が向きはじめた4回戦の話。
※副将A井くんは小6で大体最年少なのだが、今回Bチームから繰り上がったK沼少年が小5なので、年下から絡まれるところが見れて面白かった。
しかもK沼少年もなぜか全勝でA井少年もひしひしと「さすがに負けたら何言われるかわからん」と変なプレッシャーがあったかもしれない。
□ 第二譜 パラダイス
間違いなくA井君には勝ちが求められている。穴熊相手に優勢になったがどうも勝ち方が急ぎ過ぎているおり棋譜から焦りの色がうかがえる。
攻めて攻めて優勢なはずなのに、楽にならない。
攻めれば攻めるほど、ミスった時に跳ね返ってくるダメージも大きい。
持ち時間はどんどん減っていく。
AIによる局面の評価値以上にA井君は精神的に追い詰められている。
選択肢の多いパラダイスは時として地獄にもなる。
最終行「思考もバラつくティータイム」は、待っている親もそうだったでしょう。
□ 第三譜 後手、牙をむく
さすがにここまで後手のNさんはおとなしすぎた、チャンスを待っていたのだ。これがベテランの勝負勘というか、そういう巧さ。
Nさんの局面を切り裂く△8三角であっというまに逆転、A井くんあひゃ。
しかし、ここで終わらないのが団体戦、戦いを終えたK沼少年がA井少年の視界に入る。 少年漫画でいう仲間参戦!で次回に続く。
□ 第四譜 脱出作戦成功
地下トンネルからの脱出作戦が続いている。スペースがなく、だんだんと息が苦しくなるところだが一瞬の隙をついて、ワーーーーッと逃げだした。助かった感あり。(書いた当時はウクライナ戦争は起こっていなかったが戦争が始まってから一部表現を自主的に書き直した。)
そして、記録のA達少年とT橋HNT少年もこの戦いに参戦!
場内の空気は、小学生達に支配されつつある。
※A達君の名前、龍正君がなぜか新聞では竜正君になっていた。提出した原稿では龍で出したのに。龍正君、すいません…。
□ 第五譜 最高の結末
やはり最終5回戦そして結末についても書かないといけないと思い、4回戦の観戦記ではあるが堂々書く事にした。
モヤモヤとした不安感が一気にサー――ッと消えて青空が広がっていく。これが君たちの全盛期にならないように頑張ってほしい。
このブログの写真を見ながら読むともっと臨場感がでます↓
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