□山形県鶴岡市出身の岡部怜央さんがプロ棋士になりました!・2011年 小学生名人戦準優勝(5年生で出場)
・2011年9月 6級で奨励会入会
・2022年4月1日付で四段昇段
大変おめでとうございます!! 彼とは、酒田市(私)と鶴岡市同士だったので、当時彼の兄(全国高校選手権者)も含めて例会やローカル大会で結構指した記憶があります。
奨励会員は人生が掛かっているので棋譜はブログに載せない主義ですが、晴れて奨励会を卒業したのでもういいでしょうっ!
自分が岡部君を祝うには、棋譜を並べることくらしかできないので、しみじみ懐かしもうと思う。
□2013年8/11 鶴岡月例会 vs岡部奨励会4級
棋譜ファイルに私の話ですが「7か月ぶりに将棋を指した」と書いてある。
このころは色々あって将棋どころではなかったんだよなぁ。
後手が私で、果敢に△5四歩と仕掛ける。
以下▲同歩なら77角成、同桂、45角で後手良し。
なので、上図以下▲88銀、55歩、同飛と進行。
以下、△同角、同角、33桂、23角、22飛、34角成。
間接的に55の角が82王を睨んでいて気持ち悪いといえば悪い。以下、△32歩が手堅い。
以下、▲56馬に△53銀が好手。
この銀を玉頭方面の守備に加えることができれば角の攻めは怖くない。優勢を意識。
進んで下図。
以下、△12香で駒を1枚も取らせない方針で指す。
以下、▲48銀、82王、49金、62銀、59金右、73銀左。
先手は持ち駒が無いので手が作れない。
そして銀を73にくっつけた意味は、△65歩から桂馬を取る狙い。
以下、▲11飛成、23龍。
攻め合いにすると岡部4級の鋭い手にやられるので徹底して受ける。
進んで下図。
ここで△7三金打が鉄板流。
以下、この将棋は危なげなく私が勝ったのでした。
□2013.12/10 三川町例会 vs 岡部奨励会2級
この間指した時は4級だったのにもう2級になってるとか(笑)。
先手が私です。
角交換型の相振り飛車も今でこそ整備されているがこの時期は手探り状態。とりあえず▲5六角と打ったらどうなるかという感じで指していた。
以下、△54歩、84歩、同歩、75銀、83角。
8筋を突き捨てるとここから角を打たれるんですね。
以下▲83角成、同銀、65角、74歩。
岡部2級は、そこまで序盤巧者では無い印象だった。ここから力を出してくる。
以下、84銀、同銀、同飛、73銀、88飛、83歩、75歩。
ここらへんは、▲68王が薄い+28銀が壁なのでちょっとうまくいってない印象。とはいえ、相手も見かけ以上に薄いと思っていたので勝負所といった感じ。しかし次の1手は奨励会だった。
以下、62金上と陣形を引き締め!!
うーん、こういう手を奨励会員は指すんですよね~。阿部七段からも級位者の頃にも指された気がする。以下、77桂、33角、74歩、同銀、84歩。
後手の△33角は鋭手、次の△5六歩がダブルビンゴ狙い。結構、岡部弟くんはこういう急所に目がいくんですよね。なので練習将棋でも優勢と思っていてもいきなりやられることがありました。上図以下、△同歩、同飛、65銀、24飛、同角、65桂。
△24角が5筋を睨んでいて気持ち悪い。
以下、△78飛、▲73歩、同桂、▲81銀。
これ、私ひねり出しました!
△同玉なら84飛から角を抜く狙いです。しかし次の手もすごかった。
以下、△83王。
マジか?と思った。
以下、84歩、94王、54飛、35角打。
ここは次の△57角成が詰めろではないのでさすがに勝ちになっていると思った。
たとえば、以下83歩成、同王、84銀、94王、73銀成、84歩、24飛のような感じで。
とはいえ…怖いので安全に46銀を選んだのがあひゃで65桂、35銀、57桂成!で王様を引っ張り出されていきなり逆転負け模様。
以下、同王、35角と攻めが続く形で私一手負け。あ~~、岡部流にやられたって感じでした。まぁ、2級あたりになるともう相当強いのでね、えぇ。
□2014.1/13 三川町新春大会 vs 岡部2級
後手が私。
相振りを警戒して端歩を突かなかったら居飛車にされてあひゃ。こんな局面は想定していないので困った記憶がある。
そして、奨励会員相手にここから真面目(普通)に指しても実力負け確定なので何かめちゃくちゃな事をして勝機を見出そうと思っていた。進んで下図。
先手が急所の9筋に2手、後手は戦場反対側の1筋に2手。ド作戦負け。
以下、77角成、同桂、44飛。
これ、一見すると▲66角でアウトに見えますが△15歩型を活かして14飛という受けがあります!
岡部2級が局後に「知らなかったです」と言ってました。笑
本譜は、角を手放してもらえずじわじわ苦しい展開になる。
金銀のまとめ方が難しい後手陣。以下勇気を出して42銀!、41角、72角、32角成、同飛、24歩、同歩、同飛、22歩、23歩。
まぁ…この変化になるなら苦しいけどいいかなとは思った。△72角がひどい形ではあるがもはやこれは守備駒(王様の遠さをキープするための駒)なので。以下、33銀、22歩成、同飛、同飛成、同銀、41飛、46歩。
穴熊流で気持ち悪く攻める!
進んで下図。
この局面は、後手必敗形ですが、秒読みでも岡部2級の読み切りはすごかった。
以下、△69銀、79金、59角。
もしかして逆転したのでは?と期待したが甘かった。
以下、83歩成、同銀、84歩。
この歩は詰めろじゃないから△68角成、82金、同王、83歩成、同王の局面は私が勝ちと思いきや…
以下、75桂、74王。
打ち歩詰め回避の24龍王手をうっかりしておりうぎゃーってなりました。
再掲下図。
本譜は、今言った変化に気づいてしまったため、以下△同銀、83歩で無事負けたという感じでした。この将棋は、序盤中盤終盤全てダメ…。げんなりしました。
~しかしその数日後~
2014.2.1の奨励会で岡部君は1級へ昇級する。
はっはっは、勝てるわけないじゃんと思った。
次回は、岡部1級時代のバトルを紹介する。
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