な~るほど…
そーいう感じでやるんですかべ二ィ…(震え声)
ここではじめて会場の雰囲気が分かった。
ステージの上で!講義するのかぁぁあ(大誤算)。
これはマズいね、子ども達と距離があるからフレンドリー作戦が使いづらい。
マグネットの大盤をごまかさずにしっかり見えるように動かさないといけない。私は頸椎椎間板ヘルニアであまり肩が上がらない、まいったナ。
とはいえ、一番得意の将棋で投げ出すようでは、他すべてのものから投げだすことになるのでさすがに何とかしなければと思った。
朝9時過ぎ。
講師控室に、T野先生、Y口さん、K野さん、I泉県高校2冠王が集合。
主催者様から当日の説明と参加者名簿を手渡される。
真っ先に中上級クラスの名簿を見る。
やばい…これはヤバい( ゚Д゚)
19名中、知っている子が2名。
ひとりは東北研修会所属の子、もうひとりは先週の職場対抗団体地区予選で私のチームの先鋒に勝った子。おそらくはここが今日のNo1、2とみた。しかし残りの子の棋力が全く分からない。思わずI泉くんに聞いたが不明とのこと。
もうひとつ大誤算があって1年生~4年生が17名と大部分を占めていたこと。
私の講義は、細かい手よりも考え方(概念)を伝えて、それが理解できれば他でも応用がきくので強くなるだろうというもの。概念の理解は幅広く使えるので覚えると効率良く強くなれる。しかし低学年の子達に理解できるのだろうか。
しばらく考えこんだが、私はエンジョイ系のイベントをしにきたわけじゃなくて、もともとの動機は次の才能が生まれる手助けをしたい、これが一番にあって参加しているので、妥協せず当初の計画でいくことにした。
そのかわりと言ってはなんだが、解説をゆっくり・大盤もゆっくり・変化をなるべく消すという工夫で質を下げずになんとかクオリティの高い講義をやりたいなと思った。正直、それで伝わる子は半分いないかもしれないけどね。
当然、わたし一人では無理だと思ったのでI泉県高校2冠王に作ってきた台本をみせて、大盤を動かす係をやってほしいと頼んだ。すると彼は「わかりました」と快く引き受けてくれた。ありがたい。自分で大盤動かして・戻して~ってやるのはとても大変なので。
□午前は初級クラス 47名参加
T野先生の初級講座から始まった。
昨年は、とっしー先生が行ったのでT野先生も初めてだろう。
T野先生の「大谷翔平選手って知ってますか?」は面白かった。会場一番、盛り上がった。あと、大山康晴先生と升田幸三先生を知っている小学生が数名いるのには驚いた。
初級講座は、駒の動かし方やルールが分からない子もいたのでそこを説明してもいいのかなとは思った。まぁ入門用の将棋リーフレットは配布されていますがね。
T野先生から大盤で詰将棋が出題された。
その第一問目が並べられた。
( ゚Д゚)!?
王手かかってるがな!
どうなんだろうこれ、詰将棋ならおそらく下図を想定したのだろう。
以下▲23角成までの1手詰。
でも、もしかしたら王様を取ってみましょうという趣旨かもしれない。
どうなんだこれ?言うべきか判断に迷っている間にひとりの子が「解けました~」と壇上(ステージ)に上がった。やばい!!私とK野さんはゴクリと唾を飲み、会場後方から見守った。
するとその子は角を小さな手で掴み…
ありえない軌道で角を成った!!
( ゚Д゚)
うおおおおおお!
結果的に下図の詰め上がり図になったのだ。
これにはさすがの私も何やらものすごく偉大で尊いものを見たような気がした。
K野さんに「今、奇跡が起きましたよね!( ;∀;)」と言ってしまった。K野さんは必死に声を出さないように震えていた、マスクが苦しそうだった。
地球にぶつかる隕石を間一髪でミサイルで撃破したような、そんなシーンだった。
つまり、説明するとこの子は図面が間違っていてもおそらくこうだろうという詰将棋の趣旨を読み取って角を成ったのだと思う。その判断力にびっくりした、天才か。
そして思った。
一人で壇上でしゃべって大盤を動かすのは大変である。
助けねば!何のためのスタッフなんだ俺たちは。
ここで司会の方が「みんなも手元の盤に詰将棋を並べてみよう」と流れを作りにいく。ナイスです!!私達も盤面を作れない子の手伝いに回った!とりあえず一体感は出てきた☆
続いて、子ども達同士の対局コーナー。
そこに講師5人と主催者スタッフが巡回してアドバイスをするというもの。
資料によると、私とI泉くんで21人をカバーするという内容になっている。
座席表を見てI泉氏に
「I泉少年、俺はここからここまでの先頭4両を引き受ける、あとは任せた。」と『鬼滅の刃~無限列車編~』のセリフをパクッたら、「煉獄さんは5両でしたよ」と言われる。グエッ…。
しかしである…私の領域の子が一人余るので私が対局者として入ることになった。すると私がカバーできる範囲はその周辺5名のみとなった。
I泉氏、あと16人は任せたよ(爆)。霹靂一閃の動きで頑張ってくれ・・・。
いや、これ本当冗談ぬきでヤバいなと思ったが、主催者側のスタッフさんに将棋が指せる方がいたので全くの杞憂でした。
今回全体を通じて思ったのは、主催者スタッフさんがとにかく動いてくれる・指示だしてくれるので、おいらびっくりしました。わりとイベントって講師に丸投げとかあるのですがガンガン主催者さんもイベントの成功に力を貸してくれています。これは成功させないといけんと思いました。
子ども達同士の対局は、席が決まっていて1回25分の間で対局相手と何局指してもよく、1回⇒2回⇒3回の席替えがある。
私のカバー範囲にひとりだけ駒の動かし方に自信の無い女の子がいた。テーブルの下に駒の動かし方リーフレットを置いてチラチラ見ながら指している。ゆえに、全敗で表情も暗い。3回目で私の対局相手にその子がきたのでヒントを出しながら指したら筋が良い、のみこみも良い。きっかけだよなぁと思った。
レベルとしては、1局のうちに10回くらい2歩する子もいたし、王手放置もあったりしたけど喧嘩せず楽しんで指してて良かった。
◎初級クラス閉会式
子ども達から質問が出た。
Q「将棋はどこで覚えましたか?」
あべしん「学校のクラブ活動で覚えました。そこで勝てない子がいたので悔しくて将棋道場に行きました。みんなも教室や道場とか探していってみると強くなるよ」
Q「一番強い戦法は何ですか?」
子ども「棒銀??」
Y口さん「好きな戦法が一番強いよ、好きな戦法をやるのがいいよ」
さすがY口さん、ここでガチ回答してもしょうがないのでうまい。
・藤井猛九段も酒田で指導したさいそのように答えていますね。
あと、感想も出た。
「とても楽しかった、もっと将棋をやってみたい」のようなあまりにも嬉しい言葉をいただき感動。というかこれってマジか、今の小学生ってこのくらいの事は言うのか…と別の意味で感動した。思わず主催者様席を見てしまった。
□昼休み
からあげ弁当が支給されました(^^)/
プラス、Y口さん手作りのニンニクと大根のこれ↓
めちゃくちゃ旨い!本当うまい。お弁当が唐揚げだったのでこれと一緒に食べると超サッパリする。I泉氏も高校生のわりにこういうのが大好きなみたいで2人でごっそり食べた。それにしてもY口さん料理教室に通っているとは流石です。
さらにY口さんからリンゴの差し入れも!
今年初リンゴ、美味しかったです。
□昼休み 後半
I泉県高校2冠王と会場で大盤解説のリハーサルをする。

あべしん「なんで今日も今日とてチーム世界史の活動やってんだ俺たちは?」
ホワイトボードの半分に謎の文字をつらつら書きました。字が汚いですがしょうがないっス、消したり書いたりしている時間がない。一刻も早く大盤を使う練習をしないといけない。
大盤の図面が問題図。
マイナビ将棋出版『将棋・ひとめの逆転』第67問目です。
当日渡されたパンフレットに日本将棋連盟普及部が協力機関として記されていたので使わせていただきました。
I泉氏と必死に大盤を動かす練習、問題図まで戻せるかなどを確認。プロ棋士や女流棋士は、雑談しながらそれをやっているのですごい。
徐々に受付に人が集まってきたので撤退。ここまでやったのだからあとはもうどうなってもしょうがない、やるだけやった。13時45分まで精神集中。
◎13時55分 中・上級クラスが始まる、控室にお迎えがきた。
いよいよだ…。
□中・上級クラス講座~技を学び、高めよう!~
ここからは作った台本をもとに実際やってみての感想を書く。
想定していた展開と大幅に変わったりと、理想と現実を赤裸々に書いていく。
◎冒頭
Q山形出身のプロ棋士知っていますか?と聞いてみた。
理想⇒まぁ、ここは期待していない。1人いたらラッキー。
現実⇒シーン…。
心境⇒想定内、想定内。
Q山形出身の棋士あべけん七段って知ってますか?と聞いてみた。
理想⇒2~3割くらい知ってるだろう。
現実⇒シーン…。保護者席の方が一人手を挙げたくらい。
心境⇒正直驚いた。天童将棋教室に通っていれば知っている子も多いと思うけどもしかしてそのカテゴリーではないのかな。これはまずいことになった…いきなりアウェー。思わず「藤井聡太4冠もいいけどあべけん七段のこともよろしくね」と言ってしまった。
まぁ…こんなこともあろうかと第3の手段も用意してきました。
Q山形で一番強い小学生のA井Yくんって知ってますか?
理想⇒半数以上は知ってる~と反応。
現実⇒知っているのはひとり、ふたり( ゚Д゚)
心境⇒マジですか…。中・上級クラスとはいえもしかして大会にはあまり出ていない子達なのかな…。このあと初段の高みを目指そうっていう話の流れにするんだけど興味持ってくれないのではないか、あひゃー。メンタル的にかなり焦った。
◎情けない自己紹介
あべけん七段も知らない、A井少年も知らない。
こうなってくると、マイクでみんなの前で話している私はプロ棋士でもないし一体誰なのかということになる。開会式で名前くらいしか紹介されなかったのでみんな「誰、あの人?」と思っているかもしれない。そこを説明しないとしょうがないよなぁ…。というわけで小学生最強のA井少年の師匠です!つまり「ちょっと将棋が強い人なんですよ」という情けない自己紹介になって萎えました。もちろん反応はシーン…。
◎ホワイトボード芸
昼休みにホワイトボードに書いておいたやつ。
「さて、ここは中・上級クラスですが、この文面は何について書いたか分かる人いますか?それでは私が読んでみますね~」と言った瞬間に、手がサッと上がった。
グッ…知っている子がいるんだと思った。
つとに将棋に
たんねんにして
けんさんおこたらず
しんぽけんちょなるをみとめ
ここにしょだんをいんきょす
そしてワンテンポ遅れてその子に聞くと「初段免状です」と答えてくださいました。
すごいなー(もしかして初段免状持っている?)。
そして意味を説明して、
「中上級のみんなは、まずは初段を目指すと良いですよ~」と流れをつくった。
そんで、
「初段免状には署名が入ります、名人渡辺明・竜王は今は誰でしょう?」
子ども「渡辺明!」
あべしん「あー、それは以前の竜王、永世竜王資格もってるよね」
子ども「豊島さん!!」
あべしん「あ~~、そうその豊島さんが今回獲られてしまったんだよ」
ざわざわ…
子ども「藤井聡太!」
あべしん「そうです!なので今は藤井聡太竜王の署名も入るので初段免状カッコいいと思うよ~」
と初段免状を推した。
心境:いやぁぁ…藤井聡太竜王は最近のトレンドだと思ったけどすぐには出てこなかった、これ如何に。
◎初段免状の獲り方を説明
「2019年まで小学生を対象にした初段獲得戦がありましたが今はコロナで休止中。王道は県小学生名人戦や倉敷王将戦高学年の部で優勝すること。すると県連から初段免状が貰えます(規定変わる場合もあるので注意)」
「ちなみに小学生名人戦や倉敷王将戦って知ってますか?」と聞いてみたら5割くらいは知っていたので安心した。
そして「将棋ウォーズって知ってますか?あれでもとれますよ」て話をしたらかなりの子が「将棋ウォーズやってるよ~~!!」と手を挙げた。
「でもね、将棋ウォーズで初段にいっても申請ができるだけで、初段免状をゲットするには免状代金を払わなくてはいけないんです」
「初段の免状代金は…33,000円です。この値段が高いとか安いとか言うと怒られるのであえて言いません(チラッと主催者様席をみたらウンウンと頷いていた)」
「ちなみに私は三・四・五段と大会で獲りました、大会で獲るために強くなってやるぞ~というモチベーションが沸いたことは確かです。だからまぁ、若い皆さん方はまずは大会で初段獲得を目指してみてはどうでしょうか。
理想…初段とるぞ~という盛り上がりを期待。
現実…シーン…。ポカーン…。
心境…自分は代表畑を歩んできたのでこういう話が好きなのだがガチすぎたか…。まったく手ごたえがないんですよね…。
◎大盤を使う流れにもっていく
「今、初段を獲ろうと私言いましたけど大会で優勝した一人しか獲れないわけなので結構難しいです。学校のテストみたいに範囲さえ覚えれば100点が3、4人と出るわけではないので。とはいえ、お勧めの勉強法はあってそのうち1つを今日は大盤でやっていきたいと思います。それが終盤の次の一手です」
※昔、こんな上達系の記事を書いたので
そっから今回のネタを思いつきました。
問題図。
マイナビ将棋出版の『将棋一目の逆転』という本の67問目、初段レベルの第一問目。
「次の一手問題の良いところは、詰め将棋と違って相手が絶対詰みますよという保証がないんです。同様に自玉が安全という保障もない。したがって、どういう条件になれば相手の王様は詰むのか、どういう条件なら自分の王様は詰まないのかを1から考えないといけない。これ、めんどくさいんだけど強くなりますよ!」
「じゃあ、さっそく。今日は、講師の技を学ぼうっていうテーマだったので私がどういうプロセスで解いていくか見ててください。」
子ども「〇〇〇!!」←いきなり正解を叫ぶ
( ゚Д゚)ちょwww
正解言ってしまってるやん。素晴らしい才能だがちょっと講座的にはまだ早いんで勘弁して~~。
「もしかしたらすでに初段以上ある子もいるのかな^^」と言ってごまかした。
というわけで、解いてきます。
「さて、これっていちお問題なんですけどテクニックとかいらないです。普通にこれが実戦だったらどうするかと考えるのが一番よいし一番強くなるやり方。」
「まず!相手玉を詰ますことができれば一番良いわけですよね。
じゃあ、以下、まず▲23金と打ちますか。」
「ちなみにここ、▲23歩は何でダメ?逃げられるから?
ではなくて、2歩の反則でだから…」 全くウケない( ;∀;)
以下△31王。
「これって詰みますか~?」と聞くと
「詰まない~」と即反応あり。詰むとか詰まないの話は好きなのかな。
実力的に上下の幅が広いのでポカーンとしている子もいて心苦しい。
「角と歩しかないので後手玉詰まないですね~。
ここで鋭い子だと、▲43桂不成なんて手もみえちゃうんですかね。」
「以下、42王で良い手がみえますね~。」
子ども「31角!で角を抜く!!」その後の変化もスラスラ言い始めたので…
「そのとおり!」と割って入る。
「以下43王、64角成で角まるまる取って・馬つくって・自陣にもきかせて絶好調にみえるんですが…こっからが難しい話。」
「以下△34王と上に逃げられてしまい先手不利なんですよ!」
子ども…ポカーン。
「将棋って駒得しても上に逃げられて相手の王様が詰まない形(入玉)になってしまうと駒得している意味がないんです。だからなるべく王様は上にいかせない方がよいです。王様は下にとどまっていてもらったほうが寄せやすい。ほら、玉は下段に落とせって知ってるでしょ?」
子ども「知ってる~」。
反応はあったがさっきより元気な子が減った様子。
やはりこれは難しい概念だったか。
※参考までに県小学生最強のA井少年(県倉敷王将高学年)はこの変化を見て一瞬で「入玉されてダメですね」と判断していた。いちおこれが分かるのが山形県の小学生のトップレベルです。
「と、するとここで▲43桂成はありえる手ですよね。
王様を上に逃がさない、そして次に詰ますよという意味。」
「はい、しかし今度は別の問題が。
▲43桂成は王手ではないので先手玉が詰んだら意味ないですよね。」
子ども「詰む~~~!」
あべしん「え、どうやって?」
「▲97角成!」
おおお、すごいなと思った。
こっからスラスラ符号を言い始めた子がいたんでI泉くんも大盤の駒を動かすのが大変。というわけでいったんストップして
「以下、▲同金も同桂も2枚龍で地底を削って勝ち」とこちらに主導権を戻す。
「なので▲同王ですかね。」
ここでは△96歩で詰みと言ってほしかったが、▲95香、96歩、同香、同王、95歩以下の詰み手順を披露された。I泉くんパタパタと駒を並べる、大変だー。そしたら別の子が「もっと早く詰むんだけどね~」と言ったのでこれはナイスだと思った。「そうですね、△96歩の方が早いですね」
「以下98王なら」
「以下89龍、同金、97金の3手詰。」
問題図に戻る。
再び整理。
「相手玉詰まない、先手玉が次に詰んじゃう、したがって何か受けないといけないですよね~。ここで受ける手は
・▲79角(金)⇒龍筋をとめる
・▲86歩 ⇒角筋とめる
が考えられるよね。」
「まず▲79角は・・・」
「これは・・・よく見ると以下△79龍、同金、同竜で2枚替えでやったーって感じじゃないですかね?」
子ども「たしかにー」とナイスな反応している子がいる。
「でも!!ここで先手の持ち駒をみると金・飛車があるので…
以下▲23金、31王、32飛で見事に詰みとなります。」
「あれ?って思ったでしょう。▲79角と打った局面に戻りましょう。後手はじゃあどうやって勝つんだろう」
「ここから後手目線でリードの広げ方の勉強です。おそらくみんなの知らない考え方や概念が出てくると思います。今日一番難しい話をしますね」
「まず、先手は角という超強力な攻め駒を手放してしまった。
↓
それによって後手は少し安全になった。
↓
だから△79龍と攻めたわけですがその結果▲23から駒を打たれて詰んでしまった
↓
であれば、後手はさらに△32金と守りを固める手があるんですよ。」
「リードの広げ方は、攻めまくるだけではなく、受けることによっても優勢を拡大することができるんですよ。おそらくみんな攻める手は好きだけどこういう受ける手は知らないでしょう。」
「上図以下、▲25歩に△同歩は▲24歩と垂らして先手の攻め駒が増えるので最悪。でも▲25歩には△39龍から先手の攻め駒である根元の桂馬を取りにいけばよい」
敵陣を攻めずに、相手の攻め駒を削ることでリードを拡大するという勝ち方があるんですよ~。こういう考え方を覚えるともっと強くなれると思います!」
「ちなみに~△32金と打った金は後手にとっても大事な攻め駒だったはず。それを使っちゃったら後手は攻めには困ると思いますか?困らないですよね。△96歩からの端攻めもあるので困らない。対して先手は▲79角と使っちゃった局面はこれ以上早い攻めがないので困る。ここが違いですね。」
と、ここまででポカーンとなっている子が多い(当然である)。
思った、
これは…ホワイトボードに上に書いたような思考プロセスを書いてノートにとってもらう講義形式のがよかったかな…。
※こういう概念・考え方って言語化して教わる機会はほぼないので自分で言うのもあれだけどかなり貴重だと思うんですよね。
問題図に戻る。
「相手玉詰まない、先手玉詰む、だから受けるわけですが▲79角では勝てない。」
というわけで第二の受け▲86歩の検討。
これには96歩、同銀、97歩が急所。
時間が迫っている+子ども達も疲れはじめているのでこの変化やらなくていいかな~と思ったけど最初に言った手前やらなあかんよなと。サクっと流す。
以下、同王、86角、
さがったら
89龍きって詰み。
上から詰み。
ヨコに逃げたら、
龍きって、
△97金から詰み。
同香は△98銀です。
と、いうわけで・・問題図に戻ります。
「相手玉詰まない
↓
先手玉詰む
↓
受けても勝てない!
と、ここまで検討しました。これいわゆる絶対絶命なわけです。
で、実際大会ではこういうヤバい局面になることもあるんですよね。でもそこで負けました~となってはいけないわけで、いわゆる「神の一手」を発見しないといけない。で、その神の一手を発見する練習が終盤の次の一手問題を解くということになります。これ、答え分かった人いますか?」
サッと手をあげたのは2人、いや3人だったかな。
答えを聞いてみると正解。
答えが気になる方は『将棋・ひとめの逆転』をお買い求めください。
ここから正解手についての解説云々は本と被るのでブログでは省略!怒られるといけないのでね。
「最後に終盤の次の一手問題を解く効用について2つ振り返ります。」
「1つ目。
解答を出すだけであれば「次の一手問題」というくらいなので普通の手は正解にならない。ゆえにすごい手が正解になる。問題を解きなれている子は、普通の手をショートカットして一気に答えに辿り着いた子もいるかもしれない。
↓
でもリアル実戦は相手玉及び自玉が詰むのか詰まないのかが分からないのでそこから地道に読まないといけない。そんで自玉が詰むなら受ける手を考えたりとごちゃごちゃ…。めんどくさいけど1からこういう部分をしっかりとやっていく、次の一手問題を問題としてではなく、実戦と同じ思考プロセスで解いていくことで実力アップにつながります!
2つ目。
終盤系の次の一手は副産物として「神の一手」のような手を学ぶことができる。めったには登場しないけど、覚えてくおくと長い将棋人生の中でいつかは1勝を拾えるかもしれない。その1勝が小学生名人戦の決勝戦だったらデカいですよね!」
以上、終盤の次の一手問題の説明終わり。
◎強くなるために絶対必要な技能
ここで、司会者の方に残り時間を確認、あと5分とのこと。
時間が余ったら当初は、上達法についての質問コーナーにしようかなと思ったんですがね。うーん、雰囲気的にこれは質問が出ないだろうなぁと思った。
まぁ、これも想定内。というわけで別の話題へ。
「みなさん、自分が指した棋譜は覚えていますか?」
シーン…。
「教室や道場で指した将棋、大会で指した将棋、振り返るためには棋譜が書けないといけません。棋譜があれば、誰かにどこが悪かったか聞くこともできるし、今なら将棋ソフトに聞くこともできる。自分の将棋のダメな点を反省するのが上達への近道なので棋譜はとれるようになった方がいいですよ。」
「棋譜が思い出せないって人は気合いで思い出してください。
こればっかりはいくら強くなっても思い出すという行為をしていないと棋譜はいつまでもたっても書けません。
今活躍している子達が初段前後のレベルの時、彼らは棋譜をつけることができませんでした。なぜなら棋譜を思い出すという事をしたことがなかったから。これについてはあまり棋力は関係ないんです。早速今日、これから指導対局をするわけですけど、指した棋譜をつけてみたらどうでしょうか。」
という感じで終わり。
うん、正直子どもが大好きな詰将棋の話とかにしておけばわかりやすいのでもっと盛り上がったと思う。自分の将棋の棋譜をつけましょうはあまりにも地味すぎたか…。
◎講座総括
まずはI泉県高校2冠王、大盤動かしてくれてありがとう、本当に助かりました。
講座は…全体的にあまりにもガチすぎて引いたかもしれない。来年以降もしアマの先生がやるなら、中上級クラスといっても、割り切って低学年多め+おおむね5級くらいの子を想定した講座をやった方が良いかもしれない。ウケがいいのは詰将棋系。
そしてこういう仕事をなんなくこなすプロは偉大。普及の経験値、持ちネタの講座のストックも違うので臨機応変に変えていつも大盛況で終わらせているんだなぁと分かりました。
□指導対局
1回30分で3~4面指しを3回行う。
30分経過すると引き分けになり強制的に次の指導対局が始まる。
講師はノータイム指しをするが、対局時計が無いのでずっと考えこまれてしまうと対局が終わらない。
↓
すると感想戦をする時間がないまま終わってしまうので一体なんのための対局だか分からない。私のところでもそれがあった、もちろんそういう展開になるのは超ガチの子なのだが。
↓
したがって、対局中でも「こっちの方がいいんじゃない」「こう考えるんじゃないの?」とアドバイスをしてあげた方がよい可能性がある。そうしないと話す機会がないので。
↓
ただそれはそれで問題で、
・講師が教えたレベルの高い手を引き継ぐ好手が指せない。
・次も良い手を指さなくてはとプレッシャーがかかり、フリーズする。講師のアドバイス待ちになる(女子に多い)。
↓
そしてこれは私の問題なのだが3~4面指しで定跡形にならない形をノータイムで指していると図面を覚えられないので感想戦にならない説がある。相手も棋譜を覚えていないから対局中にアドバイスするのが最善かもしれない。
◎印象に残った将棋。
私と1回目に3面指しで指した女の子は四間飛車だったが序盤は教科書のようなきれいな将棋だった。最後あと1手で私を詰ますところまでいったがそこでフリーズ。タイムアップは悔やしかっただろう。是非ともビシっと詰ませてほしかったなぁ。I泉氏に聞いてみるとT野先生の教室に通っている子とのことでなるほどと思った。指し筋を見ると独学か教室系かが分かるんですよね。
2回目。私の四間飛車に舟囲い+棒銀から雀刺しをしてきた子がいた。雀刺し戦法は主に相居飛車の矢倉の将棋(王様近いから)で使うんですよ。相手が振り飛車の時に使うとまるっきり戦場から反対のところを攻めているので効果が薄い。という説明をしたら「そっかーそうだったのか・・・」と何回も言っていた。分かってくれてよかった。それは結構みんなやりがちなんですよ。
3回目。4面指しなんですけどね、明らかに1、2回目と雰囲気が違う。低学年の子が多いんですよね。
まぁさすがに3回目だと集中力も切れている大変だ。早く終わらせて詰将棋を出しておく。
まぁ下図は詰将棋ではないんだけどね。
そしたら、以下▲42銀打の筋で回答してくれました。
じゃあこれはと正真正銘の詰将棋を出す。
え~~と、と考え込む。
その間に指導対局を回して終わった子達も「ぼく、詰将棋好き~」と上の詰将棋を考えている。
みんなで考えるとすぐ答えが出るので賑やかになってしまった。
うーーーん、「簡単な詰め将棋を用意してくればよかった~」と思った。これ次回以降の反省点。
しかしここから予想外の展開に。
4人とも「自分で詰将棋つくる!」となぜか創作活動を始めた。
まじか…ではということで私が「それ詰まないね」「それ最初から王手かかってるね」「それ角3枚ないと詰まないね」とツッコミをいれていき終了。面白かったw
□閉会式
質問・感想コーナーで小学生の女の子から「~~~楽しかった」と大変ありがたい感想をいただいた。もったいないお言葉。本当にコメント力が高すぎるんですよね。どうするとそんな神コメントになるのか。思わずまた主催者席の方を見てしまった…。
◎質問コーナーについて
閉会式で参加者に質問・感想を募るわけですが、これとは別に将棋パパママを対象にした将棋上達についての質問コーナーがあっても良いのかなとは思いました。むしろこっちの方が実践的なアドバイスはできそう。そして地域の情報も含めた回答もできそう。プロが言えないような本音のアドバイスも出来るかもしれない。なかなか県強豪がここまで揃ってこうした活動をすること珍しいと思うので。
□終わりに
非常に勉強になりました、ありがとうございます。
山形市子ども教室、来年以降さすがにプロ棋士が仕切ってくれると思いますが、万が一まだプロの先生を呼べない時は次回の講師の方はこの記事を参考にしていただければ幸いです。
※私は今回山形支部の人数が諸事情で揃わなかったため助っ人で参加しました。次回以降は不明です。
あ、そーいえばっ( ゚Д゚)!
ベニちゃん来てくれなかった…。
2019年プロ棋士の先生が来たときはベニちゃんが盛り上げてくれたのに!
…なぜ・・・なぜなんだベニィ・・・。
コメント