先手は右四間穴熊を目指すなら▲96歩と突いた方が良かったと思う。
どうにも△95歩と端を取られた形は後手がすでに作戦勝ちの可能性がある。
進んで下図。
後手は△95の位さえあれば十分と思っているので平凡に駒組みを進める。変わったことをしなくてもよい。△33角は次に△54銀と上がるという意味。先に△22角型で△54銀と上がると▲45歩が気になる、まぁそれでも△95の位があるので後手戦えると思うが。
上図以下、△33角という目標ができたので▲37桂と跳ねる手が自然かなと思った。
これには以下△54銀と出ます。
以下▲25桂には22角。
以下▲45歩には・・・
△24歩、44歩、△25歩で後手良しの読み。
この折衝は舟囲いなら居飛車も色々あるところなのに穴熊に組んだことがマイナスに働くという恐ろしい変化。
以下
・▲25歩
・▲45銀
の変化を見ていく。
◎▲25歩の変化
▲25歩には△85桂がぴったり。
▲86角は△44角なので上図以下▲66角と逃げるところだろう。
ここで手拍子で△65歩は危険ですかさず▲43歩成でげんなりする。
△同飛は同飛成、同銀、22角成で角を余計にとられてしまう。
これは後手まずい。
再掲下図。
ここでは以下△96歩、同歩、75歩が筋。
▲同歩なら△76桂が厳しいので▲86歩だがそこで△65歩と突く。
同じように▲43歩成は△66歩、42と、67歩成で後手良し。
▲87に空間があいたので次は△87桂までの1手詰だ。
再掲下図。
以下、▲43歩成には同飛、同飛成、66角で後手良し。
▲32龍と逃げても角切って△76歩が厳しいだろう。
◎▲45銀の変化
再掲下図。
以下▲45銀、同銀、同飛には…
あえて△85桂打と打つのが対右四間穴熊でよく出てくる手筋。
以下▲66角に△65歩と突けるのが△73に桂馬を残した意味。
以下▲55角、54銀、▲43銀。
※▲43銀に代えて25飛は55銀、43歩成、62飛で後手良し。
これには△同飛、同歩成、55角、同飛、同銀、22飛の展開が予想される。
ここが決めところで以下仮に△49飛だと52と、71金、21飛成で・・
途端に難しい将棋となる。
先手からはいつても▲94桂、同香、93角、同王、71飛成の筋がある。
再掲下図。
ここでは△97桂成、同香、85桂と端だけ狙うのが良い。
以下▲52とには97桂成、同銀、96歩、61と、98銀で後手勝ち。
▲61とは詰めろになっていないので上図以下▲88王(同王は詰み)、97歩成、77王のときに王手を続けなくても後手勝ちだ。なお、
上図の98銀に代えて97歩成でも後手勝ちだが本手順はより9筋を手厚くしたという意味。
再掲下図。
以下▲43歩成も考えておきたいところ。これには77桂成と切り込む。
以下、42とには88成桂、同金、79銀、44歩、69銀で寄り筋。
地底に銀が二枚並ぶ形は居飛車の盲点になりやすい寄せだ。
再掲下図。
以下▲同桂には54角がぴったり。
以下、42と、45角、52銀、39飛、61銀不成、同銀、89金打。
この金埋めをしないと△78銀で簡単に負けるので投入した。
しかし△77角成、同銀、85桂が決め手で31飛に77桂不成が詰めろ。
これは後手勝ちだ。
再掲下図。本譜の展開。
以下▲68金寄と固めてきたが右四間穴熊はこの瞬間が味悪し。
以下△85桂が急所の手。▲68角と逃げることができないのが先手は痛い。
以下▲86角、54銀、78金寄。
これにて互角だと思うが先手はここからどう手を作るのかがすでにむずしい。
仮に△14歩と待たれたとしよう。
以下▲68角から▲86歩を狙おうとすると△54銀型が間に合っているので△45歩、同歩、97桂成で手になってしまう。
通常の四間飛車vs居飛車穴熊は、
振り飛車の角のライン+端を活かした攻めを▲66歩or▲66銀の壁で止めるからこそ強いのだが、この戦型に限っては角のラインがジャストミートで貫通している。これが9筋交換のある形なら居飛車もまずまずなのだが△95歩型の場合は先手の条件が悪い…。
再掲下図。
以下▲66歩と角道シャットダウンの壁を作りにいくと即△45歩が飛んでくる。
歩が後手に入った時点で端攻めの威力も上がるのでこれは居飛車大変。
同じように再掲下図以下、
▲35歩、同歩、39飛も45歩と角道を通されてダメ。
居飛車困っていると思う。
本譜は…
以下▲66角と逃げてきた。
これには△54銀と重役出勤。
以下▲84角なら△65歩で角の退路を断って後手良しなので上図以下▲45歩、同歩、33角成、同桂、35歩、同歩、66角と暴れてきた。
以下、△43飛、84角、65歩、34歩、83歩。
以下▲95角!、同香、86歩、97桂成、同桂、96歩、85桂、84歩。
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