時間切れ負け大会のデメリット

先日、小学生の某東北大会が開催された。
この大会は予選については会場の時計の針が15分経過すると強制的に3分切れ負け将棋へ移行、決勝戦除くトーナメントは10分切れ負け将棋となる。

このルールは、将棋をそこそこ知っている方がみると高学年の代表クラス同士なら3分や10分で到底勝負がつくわけがない、仮に序盤ハイペースで飛ばして指す練習をしてきても最後は相手の時間を切らす指し方が求められるのではないかと推測できる。

まぁ、本来の将棋とかけ離れたゲームになるのはあひゃですが「切れ負けでやりますよ!」と主催者が言っており参加しているのだから仕方がない。勝った方も負けた方もルールにのっとり正々堂々と切らし切らされなのでよいのではないでしょうか。

しかし、議論として切れ負け将棋でトラブルが起きたときってどうするんだろう?っというのはあってもよいと思うんですよね。

というのも、切れ負け将棋ほどトラブルが起きやすいルールはないからです。ですから選手も運営も対策を真剣に考えておかないとマジでやばいと思うんです

将棋があまり分からない人のために説明しておくと、

切れ負け将棋はその名の通り「時間が切れたら負け」なんです。局面が優勢でも必勝でも関係なく負けなのです。

だから、選手にとって一番大事なのは「残り時間⌛」なわけで、みんな出来る限りのスピードで指す!指す!指す!

はい、問題はここですよ。

出来る限りのスピードと書いたのですがこれは、、

出来る限りの、どの程度を 出来る限りとみるかに、

人となりが出てしまうですよね。

つまり、

勝ちさえすればよい・なんでもよいから勝てばよいと思っている人は、

盤面の駒がグッチャグチャになろうが駒台の駒が重なっていようがおかまいなしにビシビシ指してくる傾向にあります。加えて切れ負けだから多少荒くてもしょうがないという感じでマナー違反を擁護するような風が会場に吹いていたりしてカオスなんですよね~('Д')


対して将棋はまずは礼儀あってのものと教わってきた人は、切れ負けであっても最低限 駒の向きを揃えたり駒台を整えたりします相手がバチーン!とやってグチャグチャにした盤上の駒は相手が直すべきなのにそれをやらない場合は仕方がないので自分が直してあげたりもします。当然ながらその分時間を浪費するので勝負としては損しますよね~。なんで相手のマナー違反のフォローしなきゃならんのや~。

したがって切れ負けルールは、

ちゃんとやっている人馬鹿をみる展開になることが多いんです。

そして皮肉なことに、マナーは二の次で勝ちさえすれば良いと思っている人の方が勝負に徹するという意味で大会実績を残す傾向にあるというのもまた事実。

事例1、私、スイス式の県高校新人戦で全国大会を逃したことがあります。これも切れ負け将棋でお互い最後はワ―ッと指して負け。投了直後に「実は終盤のあれ2歩だったんだよ」と言われてガックリ。確信犯かよ~~!?でも彼は強くて全国でも高校時代に竜王戦やオール学生でベスト8にいっている。別に恨んでないけどさ、投了直後に言ってくるあたり憎めないやつだなと思った。
 ちなみに「2歩やその他反則については観戦者が指摘しても良い」というルールの大会もあります。切れ負け大会はトラブルが起こりやすいので観戦者要員を連れていって相手が反則したら指摘してもらうなんて役割分担もできそうですよね。しかし相手が反則しても人望が無いと周りも反則を指摘しないかもしれませんね。その逆もありますかね~、まぁ自分の味方になってくれるように日頃から振る舞いに気をつけることです。

事例2、15年以上前、天童で開催されたアマ王将南東北大会の予選は切れ負け将棋でした。そこで他県の中学生と当たったのですがこれがひどかった。時間が切迫すると駒がグチャグチャになっていき、相手が駒音高くバチーン!と打ちつけたときに相手の駒台から駒がテーブルの下へ落ちたんですよ。当然拾って置きなおすのかなと思ったら指で「飛車!」と盤面を指す、まぁこれも日本将棋連盟のルールでギリギリ認められているのでアレだが駒を拾わず進んだのには参った(落ちたのは飛車だけではない)。切れ負けなのでこっちも相手が打った「透明な飛車」がどう動いたかなんて覚えてない、しかし突然「取りっ!」と指をクイッされてなんと盤面に無い飛車で私の王様を取られてしまった( ゚Д゚) さすがにそれはないだろ~~!!と言ったら中学生が「王様を取ったんだから僕の勝ちです!!」と言ってきたので審判を呼んだ。審判もその場面を見ていないから「王取られたんだから負けだろ~」みたいな感じで萎え。しかし同じ予選ブロックに入っていた他県の大人が審判に「この中学生が数手前からあまにもひどかった」と擁護してくれて結局10秒だか30秒だか忘れたけど指し直しになったというね。で、まだその先があって私はその早指し戦で中学生に負けて1-1になり自分を擁護してくれた大人の方と当たってしかも勝ってしまい2-1で予選通過。マジで自分を擁護してくれた大人には申し訳なかった。本当に後味が悪くてこの大会ダメだなと思いました。まぁ今ではアマ王将南東北大会は予選も秒読みがついているので大丈夫ですよ安心してください、天童に泊まりに来い!ちなみにその中学生は翌年全国制覇をした…。

事例3某小学生の大会
お互い時間切迫でワーッと指していたら「端歩ここだったよね」と突然対局中に相手に確認を求められて「え!?」と思うも時間切迫でそのまま進んでその端歩が攻めの起点となり負けた子がいたそうです。終わってから棋譜を並べ返したところ端歩の位置が違うと気づいたとのこと。まぁ、基本的に投了優先なので結果は覆らないですが問題はそこじゃなくて、時間切迫の中で違和感に気づいたらじゃあどうすれば良かったの(; ・`д・´)?って話ですよね。
 その場合、時計を中断する⇒審判呼ぶくらいしか思いつきません。これを時間切迫の中で予習もなしで出来る子って相当いないですよね、私も無理かも。そもそも審判呼んだら逆に反則負けになったりしないかとか、そもそも審判のアルバイトは将棋を知っているのかという事からはじまりどれだけ権限があるのかも不安です。
自分が昔この大会でアルバイトした時に集められた大学生は将棋のルールが分からない人がいっぱいいた。スポンサー企業のイメージアップのためにカッコかわいい男女を集めたような感じもした(推測)。この大会に関しては参加費も無料だし「嫌なら参加するな」と言う人もいるかもしれないがそれとこれは方向性が違うだろう。

さて!!事例1~3まで書いたけど問題なのは

相手ではなく、切れ負けというルールだと思うんですよね。

相手も時間切迫で訳分からなくなっている所もあるし、そこで本性がでるのは事実ですが、子どもはまだそういう部分が精神的に確立されていないのでそこを責める気にはなれないです。(大人でもそういう人いるって指摘やめてあげて( ;∀;)w)

将棋を嗜んでいる強い子には「何としても勝たなきゃいけない!」を使命のように背負っている子や親から「勝たなきゃキレるぞ!」とプレッシャーをかけられている子も多いんですよね。将棋強い=アイデンティティの世界。そしてそういう状態が棋力アップ↑ダウン↓に繋がっているという面もある。だからどうしたって話ですが切れ負けルールはそういうデリケートな部分を刺激する要素があるよねって思うんです。切れ負けじゃなかったら普通に指す子も多いっすよ~。みんな本当はちゃんと指したいんだよ…。でも勝つために仕方なく色々捨ててダークサイドに堕ちていると思っている。

最近、将棋ブームで巨大企業によるスポンサーがついたりするなどジュニアの将棋大会も増えましたよね。企業の宣伝も兼ねながら大会をやりたいという意向ですが切れ負けは良くない気がする。スポンサーとしてもそもそも開催することに意義がある!巨大将棋組織もスポンサーからお金が貰えればヨシッ!と思っているところがあるんじゃないかな。まぁ、そのへんは私はどうでもいいのですがこの切れ負けのルールでゴタゴタが起きないようにしてもらいたいですね。選手がかわいそうです。

とはいえ、全対局に監視カメラまたは審判を配置するのはお金がかかりすぎる。

かといって、秒読みをつけると終了時間が読めずに会場費や人件費がかさんだりと運営側が困る。

じゃあ、どうすんのって話ですがこの際リアル切れ負け大会は




現場で将棋ウォーズやったらどうですかね(笑)



ネット将棋なら反則もないし駒グジャグジャもないのでトラブルが起こる可能性は低いでしょう。

リアル将棋大会もネット将棋と組み合わせて行えば色々と運営サイド選手サイドの問題が解消できるかもという時代になったと思います。



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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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