〇〇君と相性が悪くて勝てませんという質問に序盤の観点から回答してみた

〇〇くんと相性が悪くて勝てません、どうしたら?
という質問は初段前後の方からちょくちょくされるので私の回答を書きます。

相性が悪くて負けるというのは、級位なら前後2個差・段位なら前後1個差くらいが前提の話だと思います。それ以上だとわりと実力差があるのでファイトですね。ただし将棋が分かる第三者からみて「〇〇君と実績は大差だけど実力はたいして変わらないのになんで負けるんだろ」ということであれば本当に相性が悪いだけなのかもしれません^^

というわけでまずは、
〇〇君と相性が悪い」←この文章をどう読むかを考えましょう。

本当にリアルに、相性が悪い原因が〇〇君であれば霊的にどこに因果があるかまで遡ってお祓いをするしかないと思います。なのでそういう方は会員制月100万円のあべしんスピリチュアルブログを読むことをお勧めします^^

しかしその前にですよ。
「〇〇君と相性が悪い」をもう一度考えてみよう。

実は相性が悪い原因って〇〇君ではなくて、〇〇君の使う戦法や戦型ではないのかと考えたことありますか?

将棋歴が浅い人は最初に覚えた戦法=得意戦法=それしか知らない唯一の戦法なので同じ人と戦えば必然的に同じような局面に遭遇します。したがって、その局面がどういう局面なのかということを知っておくことが大事です。

基本的に将棋はお互い最善を尽くせばまずまずの形勢になります。ところがまずまずの形勢であっても人間的に勝ちやすい負けやすいは必ずあります。よくある例を2つ。

1、攻める側と受ける側では後者のほうが精神的にしんどくミスが出やすいので勝ちづらいと言われている。ただし逆もあって相手の攻めを受けすぎて一定の経験値を積むと涙の数だけ強くなれるよ理論で木村前王位のように受けの達人になることができる。その域までいくと受け潰しという勝率が高い技術を習得できるのでただの無茶攻めは怖くなくなる。あなたとあなたの対戦相手はどっちかな?

2、王様の堅さも大事。堅い守りの相手に薄い囲いで攻めていけばそれだけ反動が大きいので勝ちづらい。理由としては、自分の王様の安全度と相手王様との距離を常に考えて指さないといけないので、2つのことを短い持ち時間で同時に読まないといけないのである。加えてそういう将棋に限って攻防の好手妙手の類を何個か発見しないと勝てない仕組みだったりするので難易度は高い。これが持ち時間が無限ならまだしもアマは20分くらいしかないので間違う確率を増幅させる。逆に王様が堅い側は攻めに1点集中できるので精神的に楽。勝つ人は最初からそういう展開になるのを分かっていて誘導している可能性があるということを覚えておいてください。

対策として、相手が先行してくる戦型であれば逆にこちらから攻める順や作戦を選ぶなど工夫をすることです。いつも攻めている人はその経験値しかないので受けが下手な傾向にあります。同様に無難な手や安全勝ちしか狙わない人は将棋脳が鈍っていてギリギリの戦いが苦手なことが多いので積極的にいくべきです。小学生の大会では勢いのある低学年の子がそれまでガンガンいくのを信条としていた高学年の子に攻めまくって勝つというパターンが多く見受けられます。と、こんな感じで色々やってみて、こちらがそれまでと違った対応をしたときに相手がどんな反応をするのかという情報をデータとして持っておけば役に立つと思います。もちろん〇〇君が他の人と指している将棋も貴重なデータなので横目でチラチラ見て記憶しておきましょう。
 また、王様の堅さで負けるのであればそもそもその囲いに組ませない将棋にする・組ませても潰せる形にするなど発想を変えていくべきです。定跡書では「互角」と書いていても実際は「受けが下手な人には無理ゲー「※ソフトで詰みまで研究していないと無理ゲー」的な場合もあるので気をつけてください。ようするに最初から勝ちづらい設定の局面にしないことが大事なんですね。ここらへんはソフトではなく周りにいる強い人に聞くのが最速なのでそういう環境にいる人は質問してみたらどうでしょうか。

あとですね、ソフトで研究した変化であっても実際に感触を確かめてみてください。ソフトは1手間違えたら終わりの変化へ平気で突っ込んで最短の勝ちを導こうとするので人間にはまねできない手を時に提案してきます人間は機械ではなく怖れを知る生き物なので棋力と相談して許容できる範囲でリスクをとり有利を拡大することが求められます。+300点の局面から危ない橋を渡って+600点を目指すよりも、+300から地道に+400→+500と手数は伸びても渋い指しまわしでじわじわ優勢を拡大していくのが多くの強豪に見られる勝ち方です。なのでソフトも良いですが強い人と指したり強い人の棋譜を並べるなどして最善ではないけども人間らしい手堅い勝ち方も学んでください。

え!!毎回工夫をしているのに負けるんですけどって( ゚Д゚)?
これはもう相手から自分の根底にあるウィークポイントを見抜かれている可能性があります。「この人は受けが弱いから攻めておけばどうせ間違えるやろ」とか「この人は終盤必ずありえない手を指すから直線の変化でガンガン切り込めばどうせミスるだろ」と思われているので、戦法理論の話ではないかもしれませんね。

対策としては相手のことをよく知ることです。相手が自分のことをよく知っているのに対してこちらは相手の事を知らなすぎています。相手がどんな棋風や性格の持ち主かは常日頃から分析しておくことが大事です。

例えば相手との過去の棋譜を振り返ったとき、中終盤で通常は成立しない手に引っかかって負けたことはありませんか?相手の強さを必要以上に信用しすぎているとそういうミスをするので自分を信じましょう~と言いたいのですがそう簡単ではない。そんな時に「相手は中終盤にハッタリみたいな手を指してくる傾向にある」というでデータがあれば本番でヤバい手をされても「このハッタリ野郎が」と疑う事ができるので景色も変わるわけです。先にも述べたようにその人のパーソナルデータは大事です、どこの道場でどんなレベルで戦ってきたか、師匠は誰か、生い立ちとかもその人について考える上で参考になるんですよ。

まぁ、そんな感じで霊的に相性が悪いと思いこむ前に、相性が悪い原因は何かを科学的にあぶりだしてその対策をして臨むようにしましょう。将棋は盤上と盤外にヒントがあるゲームなのでどちらも伸ばしていくのが上達の近道です。

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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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