□質問
私は、定跡書を読む際に、書かれている局面や変化に疑問を抱いたら、ソフトを使って検討しています。しかし、研究に抜けがないようにとソフトが示す推奨手をすべて調べ、単に、ソフトが推奨した手だけで変化を進めてしまいます。このやり方だと、時間がかかってしまい、研究した変化を覚える自信もないです。ソフトとは、どのようにつきあっていけば良いのでしょうか?
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□回答
質問者さんの勉強法は、完璧主義な傾向がちょっと上達を妨げているのかなと思います。
ソフト研究はどこかでこの辺でいいやと打ち切る判断をしないと無限検討地獄に陥ります。そして判断についてはある程度棋力が必要となってきます。
棋力が高ければ、ソフトを使って優劣がはっきりしたところでこっから先は自力で勝てるぜと見切りをつけることができるので多くのタスクをこなすことができます。そしてソフトで研究した変化は、暗記というよりも「この変化はこうなってあの筋があるから良し」「この変化はあの変化と似ているが歩の数が1枚違うから良し」のように理由をつけて覚えることができます。そうすることによって忘れても「あの時何考えてたっけ」と芋づる式に記憶を呼び起こすことができます。
質問者さんは現状どういう棋力帯でしょうか?
正直、上記のような事が厳しいということであれば勉強の順番を変えてみてはいかがでしょうか?
質問者さんは現状インプットに時間を使いすぎています。
このツイートを見てください。
これ結構賛同を得られたTweetです。
自分が戦うべき棋力帯の相手がどんな手を指してくるか分からなければ何を研究したらよいのか分からないですよね?
試験で過去問をやらずに(どのように問われるのか分からずに)ひたすらテキストだけ全頁インプットしようとしても得点は伸びない事と同じです。
ではどうするべきか。
具体的に言いますと、とりあえず定跡書は読むとします。
定跡書は、構成を理解すれば読まなくてよい部分もあるので2周目以降は使わないと思った変化はいったん切り捨てましょう(後から戻って読むことはあります)。
そんで定跡書も気合を入れていきなりガッチリ覚えなくて良いです。書いている人も全頁気合入れて書いてないですからね(笑)
では定跡書の内容はどうやって覚えていくのか?
実戦(アウトプット)ですよ実戦、実戦すごく大事です。
うろ覚えでも指してみてください。
それで失敗したら定跡書に戻って覚えて、実戦で使って、定跡書に戻って反復して覚えてください。
これをやっていると、自分では覚えたつもりなのによくよく本を見てみると細かい点で局面が違っていて形勢が変わるというつまずきポイントが分かってきます。そこが分かったら徹底整理する!注意深く本を読むし、他の本にはどう書いているか調べるし、ソフトも使って調べてみます。2度とその筋をくらわないように疑問点を洗いだし整理しましょう。時間はかかりますが1つ1つ苦手を潰してモノにしていくのが大事、頻出事項から順に貴重な時間を費やしていきましょう。
そしてこのやり方では察しの通り、知識が曖昧なままで挑むので対局には勝てません。でもこの対局の目的は定跡を覚える・知識を定着させることなので、全然痛くないですよ、むしろ上達に繋がるきっかけだと前向きにとらえてください。
子どもは負けを恐れずガンガン指すので経験値をたくさん貯めて強くなっていきます。逆に負けるのが怖くなって対局しない子や羞恥心やプライドがある大人は伸びません。
練習で1,000回負けても強くなって本番一発で勝つことが出来ればお釣りがきます。そうしたマインドを持って、自分が何をやっているかを見失わずに、負けを恐れず頑張ってください。目的を見失わない強いマインド、すごく大事ですよ!
また、実戦をこなせばどんな筋をされるのかが分かってくるのでそこらへん重点的にソフト研究したら良いと思います。
ソフトの使い方も2種類あって、
・いきなり完璧を求める学者タイプの人 と
・実戦で指されそうなところを実戦を通して体で覚えて、ソフトで潰していく選手タイプの人がいます。
後者の考え方に背徳感を感じる人もいるのかもしれませんが強くなるのは選手タイプです。また、選手タイプでも単発の理解が積み上がれば学者にもなれますので別に気にする必要はないですよ。以上です、頑張ってください~。
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