序盤の勉強で気をつけるべき点は何ですか?という質問に対する回答【定跡書の秘密とか】

現在24三段で停滞しています。
理由は明らかで序盤でいつも必敗になります。それまでの詰め将棋と棋譜並べ中心の勉強から序盤の勉強時間を増やしているのですが成果が出ません。思えば将棋を始めてからちゃんと序盤の勉強をしたことがなかったのでやり方がおかしいのかもしれません。そこで序盤の勉強って具体的にどんな点に気をつけてやったら良いでしょうか?

という質問があったので答えていく!!
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まずは棋力帯的にどんな将棋を指しているか、強い人との違いは何かを確認だ。

【初段前後くらいまでの将棋】
お互いに目指したい形があってそこに向けて
うわあぁぁぁ( ゚Д゚)と互いの陣形を見ずに一心不乱に駒組みを進める。
すると結果的にプロもやっているような将棋になる。
それを見たプロの先生が「プロと同じですね~」と褒める。

【初段前後~三段くらいの将棋】
初段前後くらいから序盤レベルは同じでも剛腕であれば意外と三段くらいまではいける。序盤をちゃんと勉強して三段になった人と比べて浅いけど強いみたいな感じ。そういう強さって一定のレベルまでにしか通用しないのと、歳をとって瞬発力が落ちると今勝てていた同期にすら勝てなくなるという特徴があります。三段くらいで1年以上伸び悩んでいる人はこれ以上同じやり方で頑張っても時間の無駄の可能性が高い(ノー勉で強くなる才能が無い)ので今すぐ序盤を勉強するべきしょう。

【三段くらいvs県代表クラスの将棋】
県代表でも全国で活躍するような人は全部強いです。
ここで言う県代表クラスは私のように中終盤は三~四段なのにリアル三段相手にはほぼとりこぼさないという人をモデルにしています。
さて、なぜ取りこぼさないかというと序盤なんですね。
私は三段がうわぁぁぁぁ( ゚Д゚)と自分のやりたい形に組もうとする前に手順前後を咎めて優勢になることが多いです

【県代表クラスvs県代表クラス】
重い空気の将棋。
互いに目指したい形があってそこに向けてふ~ん(';')と陣形を見ながら適切な手順を踏んで駒組みを進める。

ちょっとでも変な手を指すと咎めますよというプレッシャーが半端ない。すると結果的に初段同士みたいにプロもやっているような将棋になる。(笑)


【序盤の知識不足な人】
終盤はもう四段以上あるのに強い人と当たると完封負けする人は結構いる。主にそういう人達は序盤に爆弾を抱えている。

具体的に初心者時代に本や先生に習った序盤数手の「とりあえず〇〇と指しておきましょう」みたいな手を有段になっても疑問を抱かずに指しています。

先生(棋士)に習ったからと言ってもそれは弱かった君に向けてのアドバイスで今の段持ちへの君へのアドバイスではないということを覚えておいてください。

あと普通に基本定跡が分からなくて必敗ってのもある。
分からないってのは恐ろしいことで〇〇戦法△△という仕掛けなら家に帰って調べることが出来るが、そもそも〇〇戦法という存在が分からないと自分が何をくらったかが分からないのだ。つまりその人の定跡の網羅性が低いと正体不明の何かにやられたで終わるので自分で調べることができずまた同じ負けをするだろう。

しかしそれでも棋譜が残っていればそれを誰かに見てもらってアドバイスを仰げるが棋譜も部分図も覚えていないとお手上げです。だから強くなるには記憶力ってすごく大事。最終手段で記憶力に自信が無い人は親に後ろに立ってもらいスマホで棋譜をとってもらうしかないですね。

で、そういうのを調べる際に気をつけないといけないのはジャストピンポイントでその変化だけを覚えても無駄ということ。それしか知らないと形の違う仕掛けにも全部同じように対応してしまって結果必敗になるというね。必ずページをめくって周辺の変化も同時に調べておく事、めんどくさくてもそれが近道。1本の変化で形の違う全ての変化へ対応できるなんて理論上ありえないことは分かっているはずなのになぜかそれをしようとしないのが君たちです。

【序盤研究のポイント】
自分で秘密の研究ファイルを作ったとしよう、さぞかし苦労して作ったと思う。しかし最初のうちは誰かに見てもらった方が良い。というのもほとんどが自己満足と先入観で作られており大事な部分が欠損しているのだ。

では大事なポイントとは何か!?

それは…論理的に破綻していないかどうかです。

具体的に3つ挙げます。

1、そもそも思い描いた局面になるんでしょうか?
そこに至るまでかなり危険に見えるけどそれらを1つ1つ潰して論理を積み重ねたものなのか!?←超大事 

最近はSNSで通常相手がちゃんと対応すれば絶対にならないような都合の良いオイシイ局面だけをとりあげて「これすごいでしょ~決定版でしょ~」とやっているシーンが増えたので影響されやすい人は注意、採用したいなら自分で必ず根拠を検証すること。負けても誰も責任をとりません、大会で負けて、決勝で負けて、代表を逃して泣くのは自分で、再生数を稼いで笑うのがYoutuberです。

【定跡書の秘密】
定跡書に書いているテーマ図から研究を始めている人はそもそもその局面になるのか・手順やその周辺の変化は大丈夫なのかを疑った方がよい。それをやらないと相手が弱ければオールスルーですが相手が強いとテーマ図以前の手順で変化されて簡単に負けます。

定跡書というのは結論を書かないといけない媒体なので何かしらの思惑が働きます。都合の良い箇所には解説をつけるのですが本のテーマに沿った結論を導くために仕方がなく本来解説が必要な箇所をスルーして進めていることがあります。

棋書を読んでいて気持ち悪いと感じた事はありませんか?
その感覚が大事、そこを疑ってください!

え?何も感じないって( ゚Д゚)
では特別に違和感を感じない人のためによくある例を教えます、これ現代文の授業かよ!

【定跡書を読んで感じる違和感の例】
・前半でクソどうでもいい変化まで細かく解説してたのに後半の核心部分はなぜかサラッと、おかしいですよね。 

・前半でこれってこうやられたらどうするんだろう?という疑問に解説部分でこと細かに答えていたのになぜか後半にいくとそういう疑問に答えていない→前半と後半の解説レベルの差異という違和感。

・前半でこの変化にはコレがあると言っていたのに後半になるとなぜか類似した変化なのにその手の検証をしないということも。

・いきなり力押しの展開になってこれってマジ?という将棋になるがその衝撃に応える分量の解説が無いという違和感。おそらく作者もソフトの手を理解していないけどとりあえず書いた感じだろう。

これらの現象は本の構成が悪いのか、それとも「結論を書くためにわざとやっているか」のどちらだと思いますので違和感を感じたら怪しいのでよくよく念入りにチェックするべきです。

2、形による違いを認識しているか?
将棋は、自分が指して→相手が指す→自分が指して1手進むごとに状況が変化します。自分の駒の配置が変わり相手の駒の配置も変わる、それによって仕掛けの成否は変わるわけでそこらへんを日本語で理解している人は強いです。
Aという局面とBという局面は似ているがこういう点で違うのでこういう仕掛けが発生しているというまとめ方をすれば強くなりますよ。そういう蓄積がたまると相手がいくら駒の配置を変えても「この仕掛けはこういう条件が揃えばこういう手があるので優勢」という圧倒的強者の視点で将棋を指せます。

まぁ最近はそういう頭がこんがらがりそうな変化を研究をするためにみなさんソフトを使っているわけですが使いこなせていない人もいます。

・変化手順は違えど同じ結果図に合流する局面の評価がなぜか違う
・さっきはダメって言ってた変化が後半では良しになっている
・ダメって言っていた変化に合流できるのになぜかそこには触れていない

とソフトを使うのもいいけどソフトをコントロールできずに言われるがままに使われている人が結構いる。評価値だけでボーっと局面を写しているとだんだん思考力が無くなっていくし、ソフトに聞いた方が早いと割り切りすぎて自分で考えないからごくごく当たり前のことにすら気づかないんだと思う。

でもプロがソフト使って書いたと思われる本ですら前半と後半でほぼ同じ局面なのに形勢評価が違っていたりするのであなたも私も注意しないとね。

3、これにてヨシッ!となっているが具体的にどうやって勝つのか?

調べた結果ついに良くなる変化を見つけたとしよう、おめでとう。
ここまでくれば+300点ヨシッ!研究終わり!

っておいいいい( ゚Д゚)

実際大会でその局面になったら勝てるんでしょうか?
その+300点は正確無比なソフトだからこそで勝つまでに神の一手を十回くらい指さないといけない変化だったらどうするの?

そもそもあなたって現場で地力で考えて勝ち切れるくらい才能ある人だっけ?

そこらへんの自己理解。自分はたいしたことないって思っている人ほど慎重で強い。話は変わるけど強い人は秒読みになると自分がどんなミスをするかすら把握している、だから強い。自分の弱い面を認めて対策して力に変えましょう。

とはいえ細かく変化手順を示すのが時間的にも大変であればせめて方針くらいは考えておきましょう。「このあと端を絡めて攻める、飛車打ってきたら一度受けないと〇〇でうるさい」みたいな感じで。

以上大事なポイント3つでした。

はいっ!!

と、まぁ私もそんなこんなことを続けていたら教えている人達が地道に良い将棋を指すようになってきました。

棋譜を眺めていて、以前だとパッと見て「うわ、ひどすぎる」という内容だったがだんだんと指摘する箇所が見えないくらいのいい勝負の将棋を指していてほう~と思っている。

むしろ相手の方が、序盤の勉強をやらずに才能と勢いでガーッと強くなりすぎたような荒い将棋を指していて将来心配だなぁということも。

つまり…

強くなりたかったら終盤の勉強をしないといけないのと同様に序盤の勉強もしないといけない。←この英作文は今年の奨〇会試験に出ます!!


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コメント

みかん

駒の利きが感覚的にわかりません。改善する方法はありますか?
すみません、質問お願いします。

詰将棋を解いていても駒の利きが感覚的にわかりません。
簡単な頭金などは「詰んでいる」とすぐに認識出来るのですが、逃げ場の広い中段玉や不安定な詰み形、複数の斜め駒が絡み合った問題などは駒の利きが一目でわかりません。相手玉周囲のどの升目に利きがあり、攻め方のどの駒にヒモがついているかなどを一瞬で把握できないのです。

約二年半、詰将棋の本を一日に一冊解く習慣を続けてきたおかげか今では二桁手数の問題も解けるようになりました。それでも自分の苦手な形だとたとえ1手詰でも詰みか否かすぐに判断出来ないので升目一つ一つ駒の利きを確認しないといけません。

最近は自分なりに改善しようと、1手詰から詰み形が認識しにくい問題をピックアップし、盤と駒を活用し何度も並べていますがあまり効果がありません。
大人になってから将棋を始めてはこういう感覚的な部分を鍛えるのは難しいのでしょうか。

もし駒の利きの認識力を鍛える方法がありましたらどうか教えて頂けたら嬉しく思います。

指導者はおらず、ネット将棋と棋書による独学でやってきました。棋力はウォーズ初段です。
はじめてのコメントがこういう質問ですみません。
これからもブログの更新楽しみにしています。

abcn

Re: 駒の利きが感覚的にわかりません。改善する方法はありますか?
みかん 様

こんにちは、質問ありがとうございます。

遅くなりましたが回答させていただきました。

https://abcnshogiblog.com/blog-entry-1657.html

いや~くだらないブログですがよろしくお願いします^^
非公開コメント

abcn

・アマ五段(県竜王戦優勝)
・中学、高校、大学、社会人で全国大会出場
・四間飛車歴およそ25年
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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