▲46銀戦法とは、下図から
▲46銀よいしょ~と出て、
以下△54歩に▲35歩と仕掛ける作戦のことを言う。
以下
・△32飛と定跡書に書いてある将棋にするか
・△45歩とAI流の切り返しをするかという将棋になる。
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それを踏まえて再掲下図。
ここでいきなり▲35歩と突かれたらどうしますか( ゚Д゚)?
本記事では、▲46銀と出ずに▲35歩と突く将棋を検討するよ。
以下
1、△32飛
2、 △35同歩 ←最善手
1、32飛の変化
再掲下図。
以下△32飛は「戦いが起こった筋へ飛車を回る」というセオリー通りの手。
以下▲46銀と出られたきにどうするか。
以下
・△45歩
・△54歩 を検討する。
・△45歩の変化
再掲下図
ぶっちゃけ△45歩は無理筋!
以下▲33角成△同桂(△同飛は▲45銀)▲55銀
※後手が5筋を突いていない形は常に▲55銀という逃げ場所がある。
以下△54歩▲66銀△22飛
※△54歩に代えて単に△22飛は▲34歩△同銀▲44銀!で居飛車良し。
以下
・▲31角なら△21飛▲86角成△35歩と歩得して後手良し。
・しかし逆モーションの▲86角が厳しい。
以下
・△42角は▲同角成△同金▲31角で△32飛▲42角成△同飛▲24歩で居飛車良し。
・△21飛が最善。
しかし以下▲34歩△同銀▲32歩なんて手がある。
以下△42角と受けても▲同角成△同金▲31歩成でダメ。
以下△同飛▲24歩
居飛車良し。△64角は▲55歩で無効。
・△35歩の変化
以下△35歩も▲同銀であっさり居飛車良し\(^o^)/
以下△45歩とさばきに行っても…
※上図は△54歩が入っていれば後手も戦える。
以下▲33角成△同飛▲34歩。
以下△同銀▲44銀△32飛▲24歩
以下△42飛。
以下
・△53歩型なので、▲55銀と指しても居飛車良し。
・もっとも厳しいのは▲66角。
以下△22角が常套手段だが…
以下▲23歩成△44角▲32と
以下△66角▲同歩
以下
・△32飛
・△43飛 を検討する。
・△32飛の変化
再掲下図
以下△32飛▲21飛成△43銀で…
△54歩型なら受かっているのだが上図は△53歩型。
以下▲33歩が手筋一発歩の叩き。
以下
・△42飛と逃げるしかないがそれでは苦しい。
・△同飛は▲74桂で後手しびれる、王手飛車のライン。
・△43飛の変化
再掲下図。
以下△43飛は、▲21飛成△23飛▲同竜△同銀▲44桂△51金引▲21飛
先手の攻め駒だけ盤上に増えており、後手勝てない展開である。
・△54歩の変化
再掲下図。
以下△54歩は…
定跡書に書いてある変化ですね。
これについては別記事で検討します。
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2、△35同歩の変化←最善
再掲下図。
この局面の最善は△35同歩。
△32飛と回るよりも圧倒的に後手が良くなるのでお勧めです。
とはいえ上図はビギナー四間飛車党にとって怖い局面。なぜなら最近の定跡書ではあまり見かけない筋だから。というわけでこの記事を参考にしてください。※『四間飛車の急所4巻』には△41金型に対しての居飛車のこの仕掛けは書いているけどね。
上図以下▲46銀に
△34銀と歩を守るのが良い。
以下▲38飛には△45歩と放つ!
以下
・▲35銀は△88角成▲同玉△35銀▲同飛△44角が王手飛車。
・それを避けて▲33角成△同桂▲35銀△同銀▲同飛でも△44角が飛香両取り。
これにて後手良し!で終われたらどれだけ楽だろうか。
ここから正確に指すのが大変なのだ。
上図以下、
・▲39飛(▲38飛)
・▲34飛
・▲36飛
・全対応の呼吸
を検討していくが、まず最初に上から順に読んでいって「こんなマニアックなところに勉強時間を使いたくない」と思ったら、ラストの「全対応の呼吸」のみを覚えてください。ただし各々やっていく変化と比べて良くはならないのでそこは注意。
・▲39飛(▲38飛)の変化
再掲下図。

以下▲39飛。
ここで一発△38歩が最善。
以下▲同飛
これで▲38飛型の変化にも対応していることがお分かり頂けただろうか(笑)。単に▲38飛と引いてくれるならこの1歩を先手に渡さなくてよいので後手大得。
以下△49銀▲39飛△58銀成▲同金△99角成。
先手陣の金を一枚剥がしてから△99角成とするのが最強手順。
以下▲88銀△同馬▲同王△46歩。
以下▲同歩は△同飛▲33飛成に▲69金を剥がした効果で△69銀と打てる!!
以下
・▲55角は△56飛が角金両取りで後手勝ち。▲74桂は△92王で大丈夫。
・▲37角は△78金▲97王△58銀不成▲46角△64歩と対応する。
以下▲31龍には△67銀不成が距離感を見切った手。
以下
・▲86王は△84香が厳しい。
・▲62歩
・▲31龍 を検討する。
・▲62歩の変化
再掲下図
以下▲62歩(▲22飛でも)は詰めろではないので△95歩とこちらから詰めろをかけて勝ち。
以下▲61歩成△96歩▲86王△84香
以下▲85桂△同香▲同玉△84金▲86王△74桂で詰みである。
以下▲64角には△63金と受ける。

以下▲74桂
以下△同金▲53角成(詰めろ)△62歩▲同馬(詰めろ)
以下
・△同金は▲71角で詰み、あれれれ?
・ここで「美濃囲いの手筋」がある。以下△71香と空間を埋める。
※『美濃手筋本』をパラパラめくって調べたらこの形は意外と書いてなくて驚いた。
以下
・馬を逃げるのは△95歩でダメ
・△61馬(龍)▲同銀△同竜(馬)は先手詰み。
・▲71馬△同玉▲62銀と詰ましにいくが…
以下△82王▲71角
ここでも美濃囲いの手筋が炸裂。
以下△同金▲同竜△93王!
先手に斜め駒がないのでこれ以上は王手がかからない。後手勝ちである。
こういう勝ち方大事よね。連続して王手をかけられてピンチの状態になっても、△93王と逃げた時に、相手に斜め駒がないから詰まないってことはよくある。←美濃囲いの典型的な勝ち方です。
◎34飛の変化
再掲下図。
以下▲34飛は割り打ちを回避した手。
しかし飛車が近いので居飛車は別の問題に遭遇する、
以下△99角成▲88銀に△43金と飛車取りで受けることができる。
以下▲39飛△98馬▲34歩。
これが厳しい手に見えるが…ちゃんと返し技を用意している。
以下△31香。
以下
・▲33歩成
・▲77角 を検討する。
・▲33歩成の変化
再掲下図。
以下▲33歩成は△同香で歩が無いので受け方が難しい。
これは振り飛車良しですね。
・▲77角の変化
再掲下図。
以下▲77角には△25桂と逃げておく。
以下
・▲99銀
・▲11角成
・▲33歩成 を検討
・▲99銀の変化
再掲下図。
以下▲99銀と馬を捕獲する手には△同馬▲同角△34香で後手良し。
飛車取りを受ける手段が難しい。
・▲11角成の変化
再掲下図。
以下▲11角成△34香▲35香には、
△38歩▲同飛△27銀と飛車をいじめて後手良し。
▲39飛には△38歩と叩いて香車を取れる。
・▲33歩成の変化
再掲下図。
筋悪だが以下▲33歩成△同香▲同角成△同金▲同飛成はありえる踏み込み。
以下△44角。
ここまでは誰でも指す。以下▲42竜△88角成▲68王△89馬右▲31飛。
この局面が最大の山場。次に▲61飛成が実現すると振り飛車負け。かといって先手王に詰めろもかからない。もしかして後手負けか?と思われるかもしれないが受けの好手があります。それが△51銀!
以下▲同龍△同金。
以下
・▲71銀
・▲51飛成 を検討する。
・▲71銀の変化
再掲下図
以下▲71銀△同王▲51飛成には△82王と逃げる。
斜め駒が無いので後手王に詰めろがかからない。
以下▲62金は、「それ詰めろじゃないですよね?」と悠々△78銀。
後手に飛車が入ったのでこれが分かりやすい詰めろ。
上図以下▲72金△同王▲71金△82王▲81金△93王▲85桂△84王▲75銀には△85王があるので後手王は詰まない。
・▲51飛成の変化
再掲下図。
黙って▲51飛成も実は詰めろになっていない。したがって△78銀と打つ。
以下▲71銀王手に△93王でこれ以上王手が続かないことを確認してもらいたい。ナナメ駒がない!!
ちなみに・・・再掲下図で
仮に先手の持ち駒が「金・銀2枚・香」であれば後手王は詰むので暇な人は考えてみては?(笑)
◎36飛の変化
再掲下図。
以下▲36飛
これは△35歩で飛車の侵入を遅らせるのが良い。
以下、▲39飛△99角成▲88銀△98馬までは進む。
以下
・▲34歩
・▲35飛を検討する。
・▲34歩の変化
再掲下図。
ここで▲34歩が厳しそうにみえるが…
以下△25桂▲33歩成△44飛▲35飛。
そこで△74飛が狙いの手。
以下▲25飛なら△76飛▲77歩△96飛!▲97桂打に△84香が強烈。
※▲25飛に代えて▲43とは、△同金▲65角△34金▲74角△35金▲65角△99銀▲同銀△同馬▲88銀△98飛で後手良し。馬の位置を移動して△98へ飛車を打つ手筋!
上図以下▲23飛成△99銀(▲同銀は△87香成)▲79金△88銀成▲同金△69銀で突破確定。
以下▲同王△88馬▲43とには、△同金▲同龍△87馬が王手飛車。

見た目以上に差がついている将棋と言えるだろう。
・▲35飛の変化
再掲下図。
以下▲35飛は△46歩。
以下
・▲33飛成
・▲46同歩 を検討する。
・▲33飛成の変化
再掲下図
以下▲33飛成△47歩成▲同銀△46歩▲38銀には△32香。
これは前述した変化と同じなので説明は割愛。
・▲46同歩の変化
再掲下図。
以下▲同歩△同飛▲37角△56飛▲33飛成に△36歩。
▲74桂の王手は気になるが△92王でこれ以上の攻めがない。
後手良しだろう。
◎これだけ覚えればOK、全対応の呼吸!!
※各々やった変化と比べて良くはならないのでそこは注意。
▲39飛の変化でそれを解説します。
以下△99角成▲88銀。
この▲88銀にどう攻めを繋げるか。
以下
・△98馬と逃げておいて以下▲33飛成に46歩と攻めて勝つパターンも有力。
・△同馬▲同玉(先手王を薄くした)△46歩は、王様の強度の違い(美濃はまだ堅い)を主張しているので後手本筋と思う。
9筋に香車がいない王様は見かけ以上に脆い。
以下
・▲33飛成
・▲46同歩 を検討する。
・▲33飛成の変化
再掲下図。
以下▲33飛成には△47歩成▲同銀△46歩▲38銀△32香が田楽刺し。
以下▲42竜△同金▲37歩には△39飛▲49角△47銀で後手優勢。
先手崩壊でしょう。
・▲46同歩の変化
再掲下図。
以下▲同歩と手を戻すなら、こちらも△32歩と手を戻すのが呼吸。これは次に△46飛から捌きますよという手。グイグイいくよりも居飛車に動いてもらってその反動で戦うほうが王様の堅さは活きやすい。
以下▲34歩なら△25桂▲33歩成△46飛と捌けば振り飛車優勢です。
△32歩と打つことで「次△46飛いくぞ」と先手の攻めを催促して
↓
先手に攻めさせて
↓
捌いたという感じです。
以上が全対応の変化なのでこれだけ覚えればいちおオッケーです。
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☆▲59金型エルモ囲いからいきなり▲35歩への対策はこの記事です!!
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次回は、▲46銀と出る変化に入っていきます。
しかし残念ながら、まだ定跡書に書いてある王道の変化には入りません(笑)。
上図以下△54歩▲38飛の定跡書に書いていない形が、なぜダメなのかという話をしていくよ。
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