これまで原始(居玉)棒銀
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そっから一歩動いた▲68王型棒銀
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二歩動いた王様の位置は完璧の▲78王型棒銀。
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▲58金右と上がって遊び駒のが無い居飛車棒銀の下図から
△52金左と上がる形は、▲56歩を突いてないので、捌きあった先に△55角(打)が待っていた。
※△52金左に代えて△43銀も解説した。
というわけで今回は△55角を消す▲56歩を突く形をやっていきたい。
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本格的な棒銀に近づいてまいりましたね。
特に▲68銀型棒銀は、振り飛車持ってまともに対策している人はなかなかいないと思うので、自分が居飛車党ならやってみたい将棋である。
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□▲78王+▲58金右+▲56歩型
上図はまだ先手が棒銀するとは言っていない。もしかしたら持久戦(穴熊など)の可能性もある。持久戦に対しては△71王型のまま駒組みをした方が良い場合が多い。したがって、棒銀がほぼ確定するまで△82王は保留していきたい。上図以下△94歩▲96歩△52金左▲37銀
▲37銀を見て持久戦ではなく急戦(棒銀)の可能性がきわめて高くなった。上図以下△82王と王を安定させる。先手も▲26銀と出て△43銀と角頭に備える。
△43銀に代えて、△12香や△64歩と突いて△32銀型+△45歩をこれまで同様に狙う手もあるが、本講座では定跡に近い△43銀でやっていく。上図以下▲35歩に△32飛が「戦いが起こった筋に飛車を回る」という耳が🐙になるくらい聞いたフレーズで、実際その通り。
以下△43銀▲33角成△同角
以下▲88銀に△44角打!
ダブル銀取りの「銀ギラ銀にさりげなく定跡♪」で後手良し。この角打ちに関しては▲57歩型だろうが▲56歩型だろうが関係なく成立する。
【なんでこんなヤバい両取りが発生してるの?】
☆43銀型の将棋は、▲35歩に△32飛と守るので⇒居飛車もそれに合わせて▲38飛と足していく展開が多い⇒▲38飛と動くと必然的に▲26銀は浮き駒になってしまう!という原理。
↓
再掲下図。そこで居飛車党はひらめいた!!
上図で▲68銀が入っていれば、香取りを▲77銀とガッチリ受けることができるじゃん。
▲89桂+▲78王の2枚で▲77銀を支えているので、△44角打が両取りにならないやないか~~~( ゚Д゚)!!!。
そこで▲68銀型を検討する。
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□▲78王+▲58金右+▲56歩+68銀型
以下△82王▲37銀△43銀▲26銀△32飛
以下・▲38飛△54歩▲46歩
・▲35歩…▲47歩型で仕掛けていく
の2つを検討する。
◎▲38飛△54歩▲46歩の変化
再掲下図
以下▲38飛。
以下△54歩▲46歩
※△54歩に代えて△42角は違和感。▲35歩と3筋を攻められた瞬間に△42角と引いた方が反発力のある指し方だからだ。
以下△12香▲35歩
※△12香と上がった狙いは次に△42角と引くためである。△12香型なら▲45歩△同歩▲11角成(香が取れない)に△33角の反発がある。それは先手としては厄介なのですぐに▲35歩と仕掛けた。
以下・△45歩
・△42角
どちらも有力だ。
まずは下図以下△45歩の変化。
3筋と4筋の2点がぶつかっているので後手の攻めは止まる事はない。
【捌きの手筋6 △45ポンのタイミングは駒がぶつかった時】でもやった通りだ。以下▲33角成△同飛
以下▲45歩△35歩。
以下▲48飛なら△64角とここに打てるのが大きい。(△64歩型は打てない)
再掲下図。
以下▲35銀には△27角がぴったりだ。

△45角成と馬ができればさすがに後手良し。
再掲下図。ここからは△42角を検討する。
上図以下△42角▲34歩△同銀▲33歩が▲68銀型自慢の攻め筋。
以下△同飛▲44角
以下△43銀がこれまで繰り返し捌きのテクニック!と解説してきたが▲68銀型には成立しないのはお伝えしている通り。
以下▲33角成△同角▲77銀
△44角打としても▲89桂+▲78王の2枚が77銀を支えているため両取りにならない。また、△27角も▲46歩がいるので△45角成と馬を作ることができず後手としてはつまらない。では後手はどう受けるのか?
再掲下図。
以下△43飛が知らないと指せない手。
詳しくは藤井猛九段の『四間飛車の急所3巻』229Pを参照!
以下▲34飛△33歩
以下飛車を逃げるしかないが角を取り返して後手良し。
詳しくは『四間飛車の急所3巻』229Pを見てください(大事な事なので2度言いました)
再掲下図。ところがですよ( ゚Д゚)!
『四間飛車の急所3巻』を読んでいて、大学生の私は思ったんですよ。
上図以下▲33歩の前に、先に▲24歩を入れたらどうなるか?
以下△同歩なら▲33歩△同飛▲44角
以下△43飛▲34飛△33歩の時に・・
▲24飛と寄ることが出来るので居飛車良しですよねと。
以下指すとすれば、△23歩▲同飛成△44飛と角をとるのだがそこで▲35銀がぴったり。
以下1、△43飛は▲44銀打で飛車を捕獲。
2、△14飛は▲16歩△55歩▲24歩でフタをする。
次は何がなんでも▲15歩と突いて歩で飛車をとる狙いだ。
うー---ん、これ困ったんじゃないかと思ったのですが…。
再掲下図。
2筋の突き捨てが入った場合は、その土台を利用して△25銀と出る手があるんですね。
これは事前研究なしではなかなか自信をもって指す事ができなそう。
以下▲33角成△同角
以下▲25銀に△99角成と飛び込む!
以下▲24銀には△37歩▲同飛△88香
以下▲79金△89香成▲同金△同馬▲同玉△69角
金取りになるのが▲37飛と浮かせた効果。
上図以下▲59金は△87角成で後手勝ち。
再掲下図。
以下▲88銀が普通だが、
以下△同馬▲同玉△49銀▲31飛成△58銀成▲同金△69角
この△69角という筋は▲68銀型を咎めている(▲68金と寄れないので)と思います。
上図以下▲59金△78金▲98王△25角成
以下▲79銀打は△97香▲同桂△89銀▲99王△95歩で後手良し。
△97香に▲同玉は△89金で攻めが続く。
再掲下図
しかし以下▲37銀とされると混戦になる。
以下△34飛▲11角成△33角
以下▲同馬△同飛
以下▲22角なら△34飛▲11角成△33角で千日手のような変化もある。とはいえ後手が悪いわけではないだろう。
◎▲35歩の変化
再掲下図
以下▲35歩と仕掛ける変化はこちら。
以下・△54歩
・△42角を検討する。
・△54歩の変化
以下▲34歩△同銀▲38飛△42角
以下▲33歩!
以下▲同飛△44角△43銀▲33角成△同角に▲77銀と上がるのが▲ここまで何回も出てきた68銀型の狙い筋。
この局面は後手悪くもないけど良くもない。以下△27角と打つくらいか。
以下▲39飛は△38歩▲59飛△45角成
後手は飛車打ちを警戒しながら攻めの体制を作らないといけないので神経を使う。以下▲31飛なら△44馬▲37銀△42金で飛車を捕獲する。
以下△21飛成なら△32銀で後手良しだがここまで知識として知ってないとなかなか指せないよね。
再掲下図。
以下、▲68金直(陣形を引き締める価値ある手)△44馬▲37銀(遊び駒の活用で価値ある手)△42角(▲31飛を消した)▲48金としっかり居飛車に指されると
△38歩の1歩を取りきられる間に手を作らないといけない。具体的に△64歩⇒△74歩⇒△73桂しかないのだが攻めきるのは大変だと思う(形勢自体は互角)。
再掲下図。
実はここで▲35飛と逃げる手も難しい。
以下△55歩と突くくらいだが…
上図以下これを▲同歩なら△49角成から
△27馬と戻る手を狙い筋にすれば後手良しとなる。しかし△55歩を▲同歩とはとってくれない。
再掲下図
以下▲31飛であれば
以下△44銀▲39飛△54角成と飛車を封じ込める手がある。
これは後手良し。
なので~再掲下図
以下▲41飛とここから打つのが居飛車の正解。
以下1、△44銀は▲33飛成△同銀▲21飛成でわずかに先手良し。
2、△32銀なら▲46飛成△54角成と馬を作って
何がなんだか分からない力戦になる。形勢自体は互角だが謎の将棋である。
上図以下△54歩と突くのは形勢互角とはいえ、▲68銀型が活きるので後手としては面白くない。というわけで、△42角とここで引くのはどうだろうか。。
△42角は飛車筋が通るので次に△35歩と取る手をみている。
上図以下▲46歩と角筋のラインを使って攻めていく。
以下△35歩▲45歩△34飛▲44歩△同銀▲45歩△33銀
これでひとまず先手の攻めをおさえることができた。
以下▲47金(駒を前線に繰り出す)△54歩▲37銀△64角▲46銀△36歩で次の△46角を狙う。
※▲37銀に代えて▲46金は△64角▲55歩△同歩▲35銀△同飛!▲同金△56歩の荒捌きで王様の堅さで後手良し。
以下▲55歩△42銀(居飛車の角がそれた瞬間に悪形を立て直す。)▲26飛
以下△53角
以下▲16飛△55歩▲同銀△33銀(△33桂でも後手良し)
以下▲54歩△71角▲36金に
△14飛と飛車交換を挑めば、陣形差で後手優勢。
この将棋は居飛車が本気を出せば形勢互角だと思うが実戦的に王様が堅い振り飛車が勝ちやすいと思う。石田流vs棒金みたいな将棋である。
再掲下図。
以下▲38飛と3筋に足すのはどうか。
以下△35歩は▲同銀で銀を5段目で安定される形なのでまずい。
上図以下△54歩と△42角の活用を急ぐ。
いよいよ、四間vs棒銀の定跡形に近づいてきた感じがしませんかね?笑
以下▲46歩
これには△53角と4筋をいったん受けておく。
以下▲34歩△同銀▲45歩には
△53角で4筋を受けたとみせかけて、一転してヒョイと出る△64角がぴったりだ。
△64角のラインが止まらず居飛車は攻めるのが困難である。
再掲下図。
以下速攻を貫く▲34歩はどうか?
ここ注意。上図以下△同銀は、▲33歩△同飛▲44角△43銀▲33角成△同角▲77銀で▲68銀型が活きる例の変化になる(形勢は互角)。
なので上図以下、△54歩と突いた手を活かしてすぐに△64角と出ておく。
これまた△64角の利きが止まらない。
上図を見た居飛車党の心境。
▲46歩と突けないから後手の角道は止まらない。困った。
↓
もし、これが▲57銀と上がっている形なら▲46歩と止めることができたよなぁ。
つまりそれって通常の四間vs棒銀の定跡じゃん!となる\(^o^)/
とりあえず【手筋と原始棒銀の変遷をたどる講座】全6回は終了。
お疲れさまでした(゚∀゚)
通常の定跡形に至るまでの経緯・手の意味(▲78王、▲58金左、▲56歩など)を知ったことで、対棒銀の理解度は一層深まったと思います。
また、四間飛車の考え方もかなり丁寧に解説してきたので暇なときは戻って読んでくださいね。
次回から、本に書いてある(みんなが使ってくる)棒銀対策に移ります!
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