四間をすることに決めたけど相振りをどうすれば?という質問に対する答え


さらなる質問がきましたー。

【質問】
回答の記事ありがとうございました。性格が向いていて汎用性・他のノーマル振り飛車への応用が効く四間飛車を勉強したいと思いました。
相手が振り飛車を指す場合の戦法はどうすればいいのでしょうか。こちらが先手の場合、3手目6六歩の時に相手に石田流に組まれてしまうことや筋違い角にされると飛車を振りづらいなどの心配があります。位取りや銀冠などの厚みのある陣形が好きなので相振り飛車だけでなく居飛車も視野に入れた方がいいのでしょうか。
相振り飛車・左美濃・位取り・居飛車急戦についても同様に戦法にマッチする性格とそれぞれの戦法の習得のしやすさ、習得時間、勝ちやすさを教えてください。

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なるほど、あんなに四間飛車はやめろと言ったのに四間飛車を志すわけですね。

四間飛車はアマに根強い人気があるのでソフトでガリガリ検討して取り上げれば四間良しだろうが居飛車良しだろうが関係無くレスポンスを貰えるのでSNSやYoutubeでも大人気。四間飛車は研究されまくりで近い将来「観賞用」の戦法になるんじゃないかなと思っているけどやるんですね。

で、今回は四間やりたいけど相振り的な感じになったらどうするかという話ですね。

これはまぁ先手と後手で頭を分けで考えないといけない。

質問者さんが危惧しているのはこの局面ですよね。

【先手の場合】

初手から▲76歩、34歩、66歩、32飛。
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以下、最もオーソドックスな展開は下図。
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向かい飛車vs三間飛車という将棋に進む。
これは20年位前なら矢倉に組んで先手良しだったが最近は矢倉に組めないし組んでも菅井流とか他にも有力な対策があって向かい飛車が苦しくなるということが続いていた。ただし、ソフトの評価値が先手もやれると言っているらしく上図を好んで持つプロや女流棋士もいる…のだがあんまり勝てていないイメージ。どうしても後手から攻められる展開になるのでそこが勝ちづらいんですよね。

今後、後手の攻め筋を有志達の多大な黒星を犠牲にパターン化することができれば先手持って指せる日はくると思うけどまだその時ではない感じ。

そこで3手目▲96歩はある。
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以下、△94歩なら同じように進める。
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この時、9筋の端歩交換をしているので先手も一方的に攻められる展開は防げる(9筋から反撃する筋があるので)。しかし、それにもかかわらずプロの将棋でも先手を持って勝てていない。逆に9筋にこだわりすぎて負けるということも。ポテンシャルの高い作戦だと思いますがね、やはり▲66歩と角道を止めるのがイマイチなのかなぁ。

ちなみに石川元奨励会三段も解説しています。



西川流向かい飛車という形もある。
下図、先手は向かい飛車模様ですが
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以下、△36歩、同歩、同飛、68飛。
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向かい飛車じゃないじゃん!とツッコミたいのですがこうやらないと66の歩が守れません。いったん守っておいて向かい飛車に移行するのがこの作戦で最初すげぇと思ったけどね。
 
ただし、色々と対策も発見されて今はあまり見なくなってしまった。でもまぁみんな忘れているので使ったら普通に勝てると思う。

これが一番人気か、3手目▲68飛。
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こうされると後手が相振りをやりにくい意味がある。
△44歩なら将来的に先手は三間に振り直す。
大方は△14歩や△24歩と相振りと居飛車を天秤にかけながら指すのだがその相振りであれば3手目66歩ほど先手としてはハンデを背負っていない。
まぁ、角交換型の相振りは避ける事は出来ないので勉強しないといけないですね。アマチュアは振り飛車党が多いので相振りが弱いと半分も勝てないことになると思います。お勧めは杉本先生の本です⤵
 

再掲下図。
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以下、▲48銀と居飛車を目指す将棋はある。
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あるのだが先手をもってちょっと勝ちにくい。左美濃に組もうが銀冠に組もうが▲66歩と突いてしまっているおかげで先手は先手としての積極性を失っており相手のミス待ちの状態の将棋になる。そして相手のミスを咎める能力というのも必要であぁ大変。

結局、先手の場合は相手が振り飛車党で絶対に振り飛車をしてくるという確信が無いと居飛車の対抗形で迎え撃つというのは出来ないのかもしれませんね。

むしろ、居飛車で迎え撃つなら後手番を引いたときですね。

結論から言うと、3手目96歩か68飛の将棋を勉強した方がよいと思います。相振り飛車も形が色々あるのですが角交換相振り飛車はまだ解明されていない部分もあるけどそれだけ覚えることは少ない、これから指しながら作っていこうという将棋なのでいいんじゃないでしょうか。本を読みきるまで2週間、実戦登板して負ける期間が1か月くらい、そこからパターンを習得していって頑張りましょうという感じです。負ける前提で頑張れる忍耐力、負けた将棋こそ逆に言えばこの将棋の勝ちパターンだ!というドM体質で頑張れる人が向いていると思う。あと、居飛車党の人は普段から角換わり将棋を指しているので最初から強い印象がある。

あ、言い忘れた、この角交換相振りはハマり筋が多くて負ける時は信じられないくらいに一方的なボロ負けになることが多いので負けても俺って才能ないなと凹まないこと、そういう将棋なんだと理屈で理解することも大事です。

【後手の場合】

筋違い角の話。
後手で四間をやりたいなら2手目34歩は指すよね。
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ここで▲22角成から筋違い角が怖いならば、2手目32飛とやるのはある。
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以下、▲26歩、42銀、25歩、34歩。
2020-05-23m.png
角交換振り飛車になっちゃうんだけどね\(^o^)/

再掲下図。
2020-05-23k.png
以下、▲22角成、同銀、45角。
2020-05-23a_202005231722118d0.png
そもそもですが筋違い角をくらっても以下△62飛、34角、42飛でいい勝負でしょう。
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冷静に考えてくれ。
角交換相振りなら先手の駒台に角があるけど上図は角が無いっすよ。後手は1歩損しているけど後手の駒台に角がある。理論上後手が悪いとは思えない。

あとは、先手が振り飛車の気配を見せたら居飛車をするべきかということですが・・・。

☆自分が先手の場合は相振りを避けられないので相振りですよね、後手でも相振りをしますということであれば一体で経験値は貯まりやすい

ただし、居飛車の方が勝ちやすいとは思う。穴熊やミレニアム、エルモなど有力な作戦はたくさんある。しかもネットで検索するとYoutubeで振り飛車をせん滅させる研究動画がたくさん出てきてしまうんですよねぇ。

穴熊‥・細い攻めを通さないといけないので実は結構難しい。振り飛車も研究しているので思わぬカウンターをくらうこともある。穴熊の距離感を活かす指し方も習得するまで時間がかかるかも。

ミレニアム…攻撃力・守備力ともに最高。ただし振り飛車の対策も進歩しているので近い将来研究合戦の渦に巻き込まれる恐れあり。

エルモ囲い…分かりやすい急戦+堅い囲いでシンプル。対策もコレといったのがないし。居飛車急戦は舟囲いはありえないですねって言ってたプロの先生がいましたね、時代はエルモ。

・左美濃→銀冠…昔からある伝統の駒組み。銀冠までいくと厚みで振り飛車陣を押しつぶせることも。とはいえ、劇的に優勢になるというわけでもないのでギリギリ1手勝ってました!というのを読み切らないといけない。終盤力が大事です。

そうそう、居飛車をする理由として「相振り飛車も指せるけど居飛車の方がより勝ちやすいから」なら良いと思うけど「相振りが苦手だから」だというネガティブな理由だと結局先手番で相振りを指さないといけないので変な苦手意識がついちゃってダメなんだよなぁ。

振り飛車党である以上、相振りはどこまでいってもついてくる。

相振りが苦手だと相手にバレると徹底的にそこを突かれて、しぶしぶ相振りを勉強しはじめた時にはみんなよりかなり遅れを取っていて一時的に勝てなくなるので捨ててはいけない科目だと思う。

というわけで、踏ん張るところは踏ん張って、楽をすることは楽をして、優先順位をつけながらどれがいいのか心の中のリトル自分に聞きながらやるといい思うよ。実際にやってみないと何が良くて悪いかなんて分からないものさ。




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abcn

・アマ五段(県竜王戦優勝)
・中学、高校、大学、社会人で全国大会出場
・四間飛車歴およそ25年
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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