【1985年】将棋漫画『すっ飛びの桂馬 』はプロに憧れた不器用な男達のおはなし

作品名:『すっ飛びの桂馬 』全6巻
ジャンル:真剣師もの。青年漫画注意!
著者 : 向後つぐお
出版社日本文芸社
発行日:昭和60(1985)年12月25日
販売価格:480円
登場人物:谷口桂馬(たにぐちけい)

伝説の駒師である父の形見の駒で指すとパワーアップする。


感想ネタバレ注意!

主人公の父親は山形県天童市の伝説的駒師である。

名を「風雪」として円空の一刀彫りを駒に取り入れた稀代の天才である。


父が急死すると桂馬は山形の親戚家に引き取られ賭け将棋に明け暮れる。


町を仕切るヤクザの家へ真剣(賭け将棋)を挑みにいくと組長に気にいられプロ棋士新藤果五段のもとへ行くように促される。

 

桂馬は恋人のこずえ(15歳)と共に上京。

 

新藤五段門下に入ることができたが今後一切の賭け将棋禁止を言い渡される。しかしこずえとの生活のために金を稼がねばならず大道将棋に手を出してしまう。


新藤五段の助言もありこずえは責任を感じて家を出る!


しかしそれが逆効果で桂馬はこずえを探しまわり奨励会試験当日に遅刻して破門されるのだった\(^o^)/

 

15歳にして正規ルートでプロへの道を閉ざされた桂馬は花村元司プロのように真剣士からプロへ成り上がろうとする。

 

桂馬は「将棋上達の最短距離は真剣師しかない!」と言う持論を展開する元A級棋士川上隆助七段へ弟子入りをする。


川上は将棋界を追放になった異端の人だが桂馬と意気投合して将棋を教えることになる。しかし身体はすでに病に侵されており…

 

桜舞う中で死す。映画を見ているように美しいシーンだった。

 

桂馬の賭け将棋修行とこずえを探す旅はしばらく続く。

 

3巻第7話「棋神」は一風変わったテイストの話だった。

納得のいく駒以外は売らない職人肌の駒師が登場。

彼が辿り着いた先に作った漆に生き血を落とした駒はこの世の物とは思えない光沢を放つ。

「銘駒がなければ棋士も名人も産まれぬ!」向後つぐお著『すっ飛びの桂馬 』3巻201P。


駒師が一番偉いという事が判明しました^^


4巻に入ると第一期朝日アマ名人太田一鬼のコネで…

 

プロ編入試験を受ける事になる。

2-3までもつれた最終局は終生のライバルとなる秋葉直人奨励会三段が名乗りを上げる。


プロ試験は通常プロ四、五段との対局だが秋葉は桂馬との因縁はもとより地獄の奨励会三段リーグを経ないでプロになってしまうことに納得がいかなかっのだと思う。ここらへんは昭和60年の漫画ではあるが現代的であり、今のエンタメ的要素が入ったプロ編入試験でもこういう将棋があってもいいのかなと思う。

 

結局、桂馬は勝ったのだがイライラしてプロへの道を切り捨てる。

 

それを見たこずえは泣き崩れるのだった\(^o^)/

 

4巻半ばからはプロではなく闇の名人を目指すため浮島にある邪宗を目指す。

 

これ、なんてドラゴンクエスト?

 

結局、最終巻6巻では花村元司プロの計らいで2回目のプロ編入試験のチャンスが与えられるのだが…


さてどうなるのでしょう?

 

というお話です。

気になる方はぜひ!

 

◎この漫画の監修は誰なんだろう?

作中には次の1手問題がちらほら出てくるのですがこれを作者さんが作るのは不可能。「新藤果五段」「風車戦法」というキーワードが登場することから伊藤果棋士でしょうか?根拠はないです。もしかしたらアマチュアのゴーストライターかもしれないですが気になることろです。


◎青年漫画注意!

 真剣師漫画はストーリーはあってないようなものな作品が多いが『すっ飛びの桂馬』は伏線を含めストーリーが良く練られており感心する。絵もこんな真剣師漫画らしく勢い&迫力がありパラパラめくっているだけで惹きつけるものがある明らかに他の作品より技量が高いと思う。

 ただし昔の真剣師漫画なので女性の裸がバンバン出てくる。ここが難点で昔の子どもには芸術といえばそれまでだったが今の子どもにはお勧めできない。真剣師将棋浪漫としては最高峰の面白さなのに残念です。



※真剣師が日本中を放浪するストーリーが好きな方はこちらもどうぞ
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・支部対抗東日本優勝四段→県竜王戦優勝五段
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