内容としては小4で道場初段の宝くんが四段に上がるまでの成長録ですが母目線の漫画でもあります。将棋漫画は殺伐と描かれている作品が多いですが『ひらけ駒!』はほのぼのと平凡な才能を持った子が主人公なので読みやすいと思います。
以下、各巻のエピソードを紹介。
・子どもが将棋やっているときくと、じゃあ算数とか得意でしょうなどと言う人もいるが全然そんなことはない。いたってフツー。by宝母 (1巻5P)
→「フツー」という言い方が若干悔しそうというか納得いかないというかもう諦めているというか…(笑)
・子ども大会の付き添いで来ている宝母の感想。
「メガネ率高いなぁ」
→やっぱそう思いますか?笑
・態度が悪い息子の対局相手を見て、
「なんで黙ってんのよ宝ーそんなやつ負かしちゃえ。」と応援。
→母親の方がアツくなっているというあるある。
(どちらも1巻29Pより)
・将棋道場に母と息子2人でいたらやたら上から目線のおっさんが近づいてきて話しかけられるの巻。(1巻67P)
→あるあるw
・昔将棋を教えてくれたお兄さんにばったり会ったがもう全然将棋をやってない、と言われ温度差を感じる宝くん。(1巻120P)
→そうやって大人になっていくんだ。
・古本屋で『将棋世界』のバックナンバーを探す宝と母。たまたまめくったページにものすごいイケメン棋士が写っていたが今の姿とだいぶ差があってえ!?となる母。(1巻138ページより)
→将棋が分からないのでそういう部分だけ熱心に見るんだよな~~(笑)どこの家も同じか。
・一度も勝ったことない三段の人に初めて勝った!という宝君の報告。(2巻7P)
→こういうの嬉しいですよね。
・道場で指した将棋を家で棋譜ノートに書こうとするも悪戦苦闘。この時、宝君は初段。(2巻12P)
→棋譜を思い出す努力って大事だと思う。
指した棋譜が思い出せないのは弱いからではなく思い出そうとする脳の使い方をしてこなかったからだと思う。
— あべしん (@absn11) February 3, 2020
なので三段あっても棋譜が並ばない人はいるし、級位者でもやれる人はいる。
変な話あんまり棋力に関係ないのかなぁと最近思う。
続く
・小学生大会ですら予選抜けても四段五段ばっかだもんな。ぜってー勝てねー初段とか二段じゃ。By宝とその友達の愚痴。(2巻80P)
→大多数の小学生プレイヤーの心の声!
・初段免状を将棋教室でみんなの前で授与される(2巻102P)
→親も子も将棋やってて良かったと思うワンシーン。
・息子の対局は見ない。自分が観戦すると変に意識して調子を崩すことが多い気がするから(2巻116P)。
→あるある(笑)
・対局は見ないけどスーッと星取表だけ見に行き勝っていると「やった~宝すごいい」と心の中で喜ぶ(2巻117P)
・連戦連敗ですっかり自信を無くした息子のために他県遠征を企画する話(4巻)。
→いや、マジでさ。親って大事ッスよね、親の協力なしでは強くなるのはきつい。
・相手の子の早指しにつられててきとうに指しちゃってる、普段はそんなふうにならないのに。by母(5巻60P)
→将棋分からないのに母達の分析力はすごいよな~っていつも思います。
・奨励会三段から小学生へのアドバイス。
学校行ってるあいだ以外は全部将棋だよね、フツー。
24で毎日10局以上は指してほしいかな。強い人にだったらそれくらいしてるでしょ。強くなりたかったら強い奴と指すしかないだろ。(5巻81ページ〜83ページ)
→その通り。
・(うちの子)毎回指しかた変えるのなんでなんだろ By母
南Q太著『ひらけ駒!』5巻132P
→なんなんでしょうね~?笑
・道場四段に昇段した宝の口からついに…
おれ研修会に入りたい!(6巻148P)
→より強い者がいる場所へ行こうとする、当然のことですね。
・ママ達の道場バックヤードの会話。
「初段昇段おめでとう。」
「ようやっとよも〜1年生でいっしょにはじめた子たちはとっくになってたでしょ〜。」
「○○君はあそこの教室行ってから三段なったなってえー。やはり先生がいいねよ。」
(8巻106〜107ページ)
→((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
どれもあるあるエピソードではないでしょうか?(笑)
これから将棋を覚えさせたいという方にもぜひオススメ、将棋界と付き合うとこんな感じだよというイメージがわくと思います。
『ひらけ駒!』は8巻で打ち切りです。
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作品名:『ひらけ駒!return』全2巻
あべしん
・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
→全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com
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