母と子のほのぼの将棋ライフを描いた『ひらけ駒!』と『ひらけ駒!return』の感想

※この記事は最初に『ひらけ駒!』、最後に『ひらけ駒!return』について書いています。

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作品名:『ひらけ駒!』全8巻
ジャンル:将棋にハマった息子とそれを見守る母を描いたほのぼの将棋漫画
著者 : 南Q太
出版社: 講談社(モーニングコミックス) 
発行日:2011年3月23日
販売価格: 543円+税
登場人物:菊池宝(きくちたから)くん小4(道場初段)とその母
感想ネタばれ注意!!


内容としては小4で道場初段の宝くんが四段に上がるまでの成長録ですが母目線の漫画でもあります。将棋漫画は殺伐と描かれている作品が多いですが『ひらけ駒!』はほのぼのと平凡な才能を持った子が主人公なので読みやすいと思います。

 

以下、各巻のエピソードを紹介。


・子どもが将棋やっているときくと、じゃあ算数とか得意でしょうなどと言う人もいるが全然そんなことはない。いたってフツー。by宝母 (15P)

→「フツー」という言い方が若干悔しそうというか納得いかないというかもう諦めているというか…(笑)

 

・子ども大会の付き添いで来ている宝母の感想。

「メガネ率高いなぁ」

→やっぱそう思いますか?笑


・態度が悪い息子の対局相手を見て、

「なんで黙ってんのよ宝ーそんなやつ負かしちゃえ。」と応援。

→母親の方がアツくなっているというあるある。


(どちらも129Pより)

 

・将棋道場に母と息子2人でいたらやたら上から目線のおっさんが近づいてきて話しかけられるの巻。(167P)

→あるあるw

 

・昔将棋を教えてくれたお兄さんにばったり会ったがもう全然将棋をやってない、と言われ温度差を感じる宝くん。(1120P)

→そうやって大人になっていくんだ。

 

・古本屋で『将棋世界』のバックナンバーを探す宝と母。たまたまめくったページにものすごいイケメン棋士が写っていたが今の姿とだいぶ差があってえ!?となる母。(1138ページより)

→将棋が分からないのでそういう部分だけ熱心に見るんだよな~~(笑)どこの家も同じか。


・一度も勝ったことない三段の人に初めて勝った!という宝君の報告。(27P)

→こういうの嬉しいですよね。

 

・道場で指した将棋を家で棋譜ノートに書こうとするも悪戦苦闘。この時、宝君は初段。(212P)

→棋譜を思い出す努力って大事だと思う。

 

・小学生大会ですら予選抜けても四段五段ばっかだもんな。ぜってー勝てねー初段とか二段じゃ。By宝とその友達の愚痴。(2巻80P)

→大多数の小学生プレイヤーの心の声!


・初段免状を将棋教室でみんなの前で授与される(2巻102P)

→親も子も将棋やってて良かったと思うワンシーン。


・息子の対局は見ない。自分が観戦すると変に意識して調子を崩すことが多い気がするから(2巻116P)。

→あるある(笑)


・対局は見ないけどスーッと星取表だけ見に行き勝っていると「やった~宝すごいい」と心の中で喜ぶ(2117P)



・連戦連敗ですっかり自信を無くした息子のために他県遠征を企画する話(4巻)。

→いや、マジでさ。親って大事ッスよね、親の協力なしでは強くなるのはきつい。


・相手の子の早指しにつられててきとうに指しちゃってる、普段はそんなふうにならないのに。by母(560P)

→将棋分からないのに母達の分析力はすごいよな~っていつも思います。

 

・奨励会三段から小学生へのアドバイス。

学校行ってるあいだ以外は全部将棋だよね、フツー。

24で毎日10局以上は指してほしいかな。強い人にだったらそれくらいしてるでしょ。強くなりたかったら強い奴と指すしかないだろ。(581ページ〜83ページ)

→その通り。

 

・(うちの子)毎回指しかた変えるのなんでなんだろ By母

南Q太著『ひらけ駒!』5132P

→なんなんでしょうね~?笑


・道場四段に昇段した宝の口からついに…

おれ研修会に入りたい!(6巻148P)

→より強い者がいる場所へ行こうとする、当然のことですね。


・ママ達の道場バックヤードの会話。

「初段昇段おめでとう。」

「ようやっとよも〜1年生でいっしょにはじめた子たちはとっくになってたでしょ〜。」

○○君はあそこの教室行ってから三段なったなってえー。やはり先生がいいねよ。」

(8106107ページ)

→((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

どれもあるあるエピソードではないでしょうか?(笑)


これから将棋を覚えさせたいという方にもぜひオススメ、将棋界と付き合うとこんな感じだよというイメージがわくと思います。 

 

『ひらけ駒!』は8巻で打ち切りです。



 

続編!?『ひらけ駒!return』とは?
    

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作品名:『ひらけ駒!return』全2巻

発行日:2018年11月28日
販売価格: 671円

『ひらけ駒!』が2013年に打ち切りとなり5年。2018年に『ひらけ駒!return』として連載が再開された。内容としては『ひらけ駒!』で描かれなかった部分の補完という感じでこれにて本当に『ひらけ駒!』は終了という感じとなります。それではどういう内容か書いていきます。

『ひらけ駒!1巻』の宝くんは小学4年生(道場二段)という設定でした。『ひらけ駒!return1巻』は時間がreturnして小学3年生の将棋を覚えたあたりからのスタートとなります。

2巻半ばまでは誰もが目標とする道場初段を目指す戦いが描かれています。

ここらへんのスタンスは前作と変わらずでいいですね!
派手さは無くてもこういう地味めな普通の日常を描かせたら作者の南Q太さんが将棋漫画では一番でしょう。

そして2巻第15話「夢の続き」からいよいよ『ひらけ駒!』の続編が始まります。

前作で道場四段・研修会入会まで描かれていましたが、中学1年でついに奨励会を受験!

上を目指すストーリーになると殺伐としてしまうので個人的にありゃりゃ~と思いました。

最終話では青年になったイケメン宝くんが登場。

気になる方はぜひ購入っ!

読んでいるうちに宝くんが自分の息子のように思えてくる…(笑)

ちなみに2巻は発売部数が少ないためか「紙」の方はやや入手困難です。電子書籍も発売されているのでそちらを買っても良いのかなと思います。



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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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