決勝戦は小上がりでやるんですね。
いや~~
てんてけてけてけ、てんてん♪
大喜利のライブ会場に見える。
このあと、お題が出されて面白い事を言うのかな~的な。
さらに…
森内先生着席ですごく味が出た。
いつ誰がボケてもおかしくない雰囲気、緊迫感。これは何も知らない人が見たら将棋の大会とは思わないような、何かの収録と勘違いする面白さがある!もちろん、決勝の2人が座るとそれまでの不思議空間はどこかにいってしまった、正真正銘将棋の全国大会だった。イオンの演出は斬新だなー。
◎将棋女子現る
この日は、森内先生&長谷部先生&中村(真)女流の指導対局イベントが行われていました。
最近全然山形の大会で見ないと思ったらこんなところで活動しているとは(笑)。彼女は観る将として先生達の色紙を集める事にも余念が無いし指す将としても長谷部四段に5手詰をキメて勝つなど一流です。「いやいや、熱心ですね~」と声をかけると「見られてしまったか」というリアクションでウケました。
しゅくる嬢から私vsプロの先生との指導対局を観たいというリクエストを受けてしまった、
あべしん「いや~~、私が小学生に混じって指したら和やかな小学生大会の雰囲気がおかしくなるからな~~」
しゅくる嬢「それでも観たいです!」
あべしん「いやいや、ほら俺が本気出しちゃったら私の対局席だけプロの先生もマジになっちゃうでしょ(大嘘)」
しゅくる嬢「山形最強vsプロみたいです!」
と言われ、あぁ~と思った。
知ってますか?
『りぼーんの棋士』1巻の主人公は、観る将さんに頼まれ指導対局を受けプロに本気を出させるんです。
その姿を見て観る将の女性はますます「将棋ってすごい!」と感銘を受けるんです。つまり…これは立派な普及活動なのかもしれないですね。
そういうことであればやってやろうと一瞬思ったんですがねぇ~
なにぶん漫画の主人公は元奨励会三段なんですよ(笑)。私とはだいぶ棋力の差があるのでプロに本気は無理だな~とうじうじ迷っていたら赤いハッピを着たスタッフさん飛んできて…
「最後の1枚良かったらどうぞ」
私にくれたのでした(笑)。
対局は14時半から。
そういえばまだ昼を食べていなかった、指すからには準備をせめばとその場をいったん離れる。
フードコート、どこの店も行列。
「銀だこ」もめっちゃ並んでいる。
何か口にしないと・・・
ふと見ると、ミスタードーナッツが等身大の私に見えた。
ポンデリングとミニストロベリーポンデリングをチョイス。
これが私の、将棋めし。
日の丸を胃に入れ特攻します!
◎15分前
スタッフの方に促され指導対局の列に並ぶ。
小学生と中学生の列に並ぶ私…少年達から「整理券何番ですか」とむっちゃ話しかけられるw
一般の人から見たら大きなお友達にしか見えない。
こ れ は 恥 ず か し い 。
時間が来てスタッフから席に案内される。
この時点ではどの先生に教えて頂けるか分からない。
私が座った席は・・・・
鉄板流の森内俊之永世名人でした\(^o^)/
もはや本気とか本気じゃないとかの話で無い件。
若手の先生ならワンチャンあるかな~と思ったんですがこれは…尊すぎる。
いかにしてオーラを浴びるかということに方針が変わりました。
◎手合いは?
角落ちかとか飛車落ちなら先生のポリシーによってはイオンの指導対局なので綺麗に負けてくれる可能性はあったと思う(もちろん本気出されたら勝てません)。ただ、綺麗に負けてもらっても嬉しくないしトッププロの圧倒的な強さを体感したいというのが本音。
迷っていたら隣に座った見知らぬ少年から「手合い何でやるんですか(*'▽')?」と聞かれた。「そうだね~、平手は怒られるかな~、左香かな~」と言ったら「ぼくは平手でやります、どうせ負けるなら平手やったほうがためになるので」とまるで昔の私のようなことを言った。
ちなみに私は小学生のとき羽生名人の指導対局でそれやったら周りの大人から怒られました。平手でやりたかったなぁ…。
というわけで、少年に感化されて平手でお願いすることにした。
これで怒られる時は少年と一緒や、運命共同体や^^
◎森内先生の指導対局
先手が私です。
森内先生は藤井先生の天敵でもあり四間飛車キラーのイメージがあります。
上図は△64銀急戦の一変化。ぶっちゃけ10年以上ぶりにこの局面を考えることになってしまった。上図の▲67角は部分的に定跡化された手。全国数万人の四間飛車有識者の方、形合ってますよね?笑
以下、△46銀。
ちなみに上図で▲28王が入っていると▲46銀がめっちゃ厳しくなるので上がらないほうが良い場合があるという情報をすごい昔に将棋世界の付録で仕入れた覚えがあるのですがどうなんでしょうか、うろ覚えです。上図はそれをなんとなく覚えていたので▲98香と上がり▲39王型に構えています。
そんで上図ではどう指すべきなんでしょうか?
☆候補手☆
1、▲81飛成から桂香拾ってさいごに▲34角
2、▲47歩・・・歩は▲44にかちこみたいのでやめた。
3、▲78歩…これは有力。でも4番やってからの方がより得してるかな。
4、▲34角と出てから▲78歩
悩みました、指導対局なので持ち時間無し、無限に考えたいところですが出禁になると嫌なので直感で▲34角を選択。
△36歩は怖いですがさすがに大丈夫でしょうという決断です。
森内先生、少考の末指された手に驚きました。。
△51桂!!
てててて、鉄板流!?
いや、いやいやいや!さすがに自陣に桂馬を打ってくれるなら振り飛車が良くなったはず。ここは何かある、優勢を明確にする手が何かあるはず。初志貫徹で▲78歩と打つべきか。
いや、もしかしたらこれは罠かもしれない・・・。
分からない!しかし勝つには5筋の鉄板を粉砕しないといけないのは事実。読んでるうちに緊張からかさっき食べたポンデリングが胃から上がってきた、私はお茶をバッグからとりだし、▲44歩と鉄板破りの杭を打った。
以下、△57銀成、同金、同龍。
局面自体ははっきり言って怖いです、少し悪いと思います。
ただし後手の龍の位置が近いのでいつでも▲48銀ではじけるので勝負将棋かなと思いました。当初の予定はここでじっと▲81飛成。
以下△66角なら28王、36歩か。
以下、▲同歩で好機に▲35桂を狙ってどうかなと思ったのですがねぇ。ただし、▲35桂には常に△33金!という鉄板の受けがあるんじゃないかと思った。しかし、そこで▲53歩で・・・?いや、ダメだ…読み切れない、なんか分からないけど他に受けの好手があるのかもしれない、相手は森内永世名人だ。
思考がバーストして再掲下図。
本譜、最悪の手順を選んでしまった。
とにかく森内先生は受けが強いので少しでも薄くしないと!削らないと!という意識が働きふらふら▲43歩成、同金、同角成、同王。
( ゚д゚)ハッ!
この局面、後手の王様が全く寄り付かないではないか。おまけに△48歩もきくようになってアヒャーーーです。私は何をやっているんだ…暴発だ、神に導かれるように指してしまった。
しかしまだだ、田舎のくそアマチュアの根性をみせたい。
以下、屈伏のポンデライオン(▲48歩)。
これさ、どうやって先手王を寄せるんでしょうか?意外とめんどくさいのでは?△36歩は▲47金だし、どうするんだろう?凡人には分からないなり。
次 回
森内永世名人
神の一手
パチ~ン。
( ゚Д゚)
どおおおおおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
格調高すぎて椅子から落ちそうになった。
奇手や妙手の類ではない本筋の一手。
しびれた・・・。
すごい手くらったなぁぁ(遠い目)。
強すぎる、永世名人強すぎる。
圧倒的指導対局になってしまった。
はぁ~(*´Д`)と思い、右後ろで見ている将棋女子を見た。彼女はこの手の凄さに気づいているのか。
左後ろを見るとM着少年がいた。
「見ておきなさい、これが名人の手なんだよ。」と私は心の中でつぶやいた。
上図以下、▲同歩には△17歩、同香、18歩が激痛。
端がくいやぶられると逃げ道が無い先手王はもたない。
再掲下図。
ここでもう粘るのをやめた。
以下、▲81飛成、16歩で粘るなら▲18歩ですがギブアップ(アマ大会なら絶対打つけど)。お腹いっぱいなので▲72竜、17歩成で投了。
「あ、」と森内先生の感想戦が始まりました。
再掲下図。
森内先生「この局面ってどうなんでしたっけ?振り飛車が良いんでしたっけ?確かこれで振り飛車良しだったような、覚えていないですが」
いや、私も分からないです(笑)。
以下、△46銀の局面は…
先に▲81飛成から桂香拾ったほうが良いのではとアドバイスされました。
ふーーむ、超一流棋士の絶対感覚はそうなのか・・・。
本譜の進行。
ここでは居飛車悪いとおっしゃっていました。
私が「▲78歩はどうでしょうか?」と質問しました。
すると、「いい手じゃないですか」と言ってくれました。
ただ分からない変化があって、以下△66竜、67銀、55竜、81飛成、35竜、56角、55歩はどうでしょうか?とさらに質問。
角が死ぬのでな~。
そしたら森内先生、「それは▲47角で」。
あああ~~なるほど!!これで確かに先手優勢ですね。角銀交換でも桂香拾って玉頭狙って優勢でした~~。あぁぁぁぁぁ、見えなかった。
森内先生ありがとうございました、大変勉強になりました。
いや、目の覚めるような△15歩くらっただけでも今日は来てよかった。
指導対局、最初は乗り気じゃなかったですが教えてもらって良かった、わ~いわ~いという気分で家に帰りました^^
子ども将棋王決定戦で「少年の心」を取り戻したあべしん先生でした。
コメント
ムサ
この森内先生との指導対局で、私が悩んでる場面があらわれたので質問よろしいですか?
当方、初段の四間飛車党なのですが、四間飛車対船囲い急戦で大駒を捌きあって桂香を拾って、46手目51桂のような底桂や底香を打たれることがあります。
それだけで、単なる船囲いが鉄壁の囲いになってしまったように感じます。
どのように寄せの構図を描いていけばいいのでしょうか?
2019/11/25 URL 編集
あべしん
船囲いの51に埋める守りは堅いですよね。
ただ、桂馬と香車を使ってくれるならばこちらの王様への脅威が無くなるので少しゆっくりとした攻め、と金攻めなどを考えたいです。
また、壁にしておいていじらない手もあります。具体的23の地点を桂馬香車で狙います。さらに龍も81竜のポジションなら84へと引き上げ縦の攻めに回します。相手は壁なので逃げ道がなく受けづらいでしょう。
最後に私の感覚ですが、、、51桂埋めは実はそんなに堅くないのでそのまま横からの攻めを考えたいです。51香埋めは金底の歩みたいなものなので相手にしたくないので縦からの攻めを考えたいです。
参考になれば^_^
あべしん。
2019/11/26 URL 編集
ムサ
今までは竜をそれ以降有効に働かせることができていませんでした。
縦からの攻めに参加させれば活用できるんですね。
正しく指せればよくなりそうなのに…と悩んでいましたが、方針がわかって勉強になりました。
2019/11/27 URL 編集