R1.10/19 藤井猛九段の伝統文化こども教室をレポート【山形県酒田市】


10月は公私とも投了級ですね、何やっても結果は出ないというね。

体調もそのまま低空飛行でずーっと維持。

いやぁ、参ったねぇ。

こういう時は、アウトプット(大会)ではなくインプット(Not大会)に限りますね。

なんつうか、ひたすら心の栄養になることをやるというね。

というわけで、酒田荘内支部の下記イベントに参加してきました。


□11時半 本格手打 田毎

酒田の格式高いお蕎麦屋さんで藤井猛先生の到着を待つ。

酒田荘内支部の方と談笑。

少しして支部長と幹事長と共に…

藤井先生キタ――(゚∀゚)――!!

か、カッコイイ!

TVで観るより細く見えて男前です。

正直、平静を装うのがつらい・・・
ここで取り乱してはいけない、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かす。

しかし身体は正直だ、田毎の鴨せいろ(1,650円)の味が分からないくらい緊張している。

ふひゃぁぁぁ。

とりあえず、会話のターンの中でどれだけ伝えたいところをぶちこめるか!

とりあえず話したこと

・小学生の弟子には四間飛車の急所シリーズは全巻買わせています。
と伝えました(笑)。本読める棋力ではないけど買わせています、いずれ必要になるので!と。

・理由としては昨今の三間飛車ブーム。
三間飛車で穴熊を迎え撃つ棋書はあってもその他の急戦・持久戦を迎え撃つ(特に小学生は三間飛車にも棒銀や斜め棒銀をやってくる子が多い)体系的な棋書が無いので四間飛車の急所シリーズしかないのです!と力説したら「なるほど確かに」と言って頂きよかったです。

・特に!4巻の△41金型は~
「三間に対して流行りの▲45歩早仕掛けを受ける変化が書いてあるので~」と言ったら藤井先生が「あ~でもあそこはページ数少なかったなぁ」と言ったのでさらにその先の回答を用意していたのだが言おうと思った瞬間に( ゚д゚)ハッ!と我に返りさすがにみんなの会話でこれは引かれると思い自重。やばいやばい、あまりマニアックな話をしてはいけない。

・「一歩竜王」の色紙
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田毎さんに寄贈されました。
おそらく日本に1枚しかないのでは?
「一歩竜王」の意味を知る人であれば感涙の超激レア色紙ですよね

なお、田毎さんには阿部健七段の「志」という色紙もありますので酒田に来た際はぜひ見てやってください!

□13時 伝統文化子ども教室スタート

部活等で欠席者が多く受講者は小学生~高校生まで12人。
これが酒田クオリティ、天童なら教室から人が溢れて立ち見が出るレベルだった。

・藤井先生のお話
「 酒田には奨励会三段時代に来たことがあってその後すぐに四段へ上がった!
 ってことは今回もすぐに上がっちゃうかな?あ、でも九段より上はないか^^ははは。」

ユーモアセンスも抜群です。

 

・受講者のレベル確認
最初に譜号が読めるかを確認。
次に詰将棋を出題、どの程度の問題が解けるかで大体分かるそうです。
 
 ちなみにこれが1問目です。
私はふつ~にわかりませんでした^^いや、例の筋だなっていうのは見た瞬間に分かったのですが頭の中で駒が動かなくてあひゃ。子どもが分かるわけないと思ったらいきなり「ハイ!」と手を上げて簡単に詰ませた小学生がいてびっくりです。

・好きなプロ棋士は?
藤井先生「あえて藤井聡太とは聞きませんよ~、みんな羽生さんは知ってるよね。じゃあ阿部健治郎七段とかどう?」
受講者「・・・」
藤井先生「そこは、うんって言っておこう」

面白い…。

・四間飛車講座
藤井先生「1602年、歴史上最古の四間飛車が生まれました。そしてそれを私が受け継ぎました」

(私はここで拍手したかったw)

ここで四間飛車のどの部分を解説するか聞き取り調査。すると、ジュニア間では昔みたいに棒銀のような急戦ではなく持久戦の穴熊調が多いと発覚。

これはまさに「藤井システム」の解説くるかーと思ったら、 12人中6人が藤井システムを知らないという。というわけで藤井システム出現の経緯について解説することに。そしてなぜ 通常美濃に王様を入城してからの85桂馬急襲はダメなのかということを解説。そんで王様を82→71→62と戻して…。

・藤井先生vs子ども達のリレー将棋。 
子ども達の先手居飛車に藤井先生が四間飛車を指すという構図。1手1手にコメントを藤井先生がつけてくださりまさに「四間飛車上達法」の実況講座でした。サラッとすごい大事なことを言っているので内容を覚えている子は強くなれると思う。
 

・運動部(団体)の大会で欠席した高校生の質問に答える藤井先生
ルーズリーフに書いた質問を見て丁寧に答えてくださいました。
 

Q、最近有力な振り飛車の戦法は?
A、答えは、人それぞれ。
コンピューターの評価値で考えてはいけない。コンピューターは学校の勉強でいうところのオール5の世界。しかし実際にそれは無理でしょう。そこを評価値という数字のものさしで考えると思想が偏ってしまう。ただしプロはソフトに勝てないからそれに従っている部分もあるがそれではいけないと思う。

四間飛車はソフト的にはマイナス300でも私が指せばプラス500。
なぜなら私は四間飛車の指し方を知っているから。

だから最近有力な戦法は得意戦法。

→非常に藤井先生らしい回答だと思った。

Q、お勧めの棋書は?
A、すでに自分の棋書は名前が出ているようなのでその他となると…。
近いうちに実戦集が出るかもしれません。出たら買ってくださいね^^

→マジかァァァ(;゚Д゚)これは本当なんでしょうか?!

Q 、将棋で勝てなくなったらどうしてますか?
A、何かを変える。 戦法を変えたり、終盤を強くしてみようとか。

Q、アマにおすすめの勉強法は?
A、 負けて強くなるより、勝って強くなる。 たまに負けるくらいでいい。したがって 勝てる相手とやるのが大事。 強い人とやると負ける可能性高いからね。 将棋は勝たないことには上達しない。 この後の指導対局、勝ちたいって言ってくれたら合わせます(笑)。 勝つことから学ぶことは多いですよ。 勝たないと勝ちのイメージは掴めないですから。 

私は順位戦降級してがっくりきた時もあったけど落ちたら勝てるようになった(そりゃそうだ)、正直自分でも強くなったんじゃないかと思っている。

→ライバルくらいの子がいれば競い合って伸びるんですよね。

□15時半 6面指しで指導対局
 
開始早々、お迎えが来てしまい2人の子どもが離脱
勿体ねぇぇぇぇ。
やはり、地域によって将棋の熱量は違いますね~。
おそらく藤井先生がどんなにすごい先生かというのは一般の習い事感覚の人たちには分からないのだなぁと思った。

・藤井マジック炸裂
さらに追い打ちをかけるように小学生の子が対局したくないとグズりはじめる。
「帰りたい~ママ講座終わったら帰るって言ってたじゃん、買い物行かないの~?」と。

これはアレだな!!

将棋をやっている人にとっては考えられない話なのだが将棋について何も情報が無いごく一般的な家庭事情だとこうなるんだな~と大変勉強になった。将棋やるより買い物行った方が楽しいもんね、そりゃそうだよな~。私も嫌々 小中時代に習い事をやらされていた時期は行きたくなくて行きたくなくて仕方なかったからな~。

さて、この事態どうなるのかなとハラハラして見ていたら藤井先生が
「大丈夫、優しくしてあげるから^^1局だけ頑張ってやってみよう」と声をかけ対局スタート!

内心ホッとした。
この状態で周りに気が短い藤井ファンの大人がいたら「出ていけ!!」とブチ切れて場が殺伐とするところだった。

その子…対局が始まると超真剣でさっきの駄々っ子はどこに行ったのやら。
しかも藤井先生に勝ちました!

藤井先生「うん、強い。これはあなたの実力です」と感想戦でコメント。

それを聞いてにんまりする子ども。

「もう1局やりますか?」と聞かれて「はい!(*^。^*)」と答え2局目スタート! 

これは藤井マジックでしょう、普及においても「一歩竜王」だなぁと感動しました。

なお、この日藤井先生は全員1局、早く終わった子にはプラスもう1局ずつ勝ち星をプレゼント。素晴らしい先生だなぁと思いました。

・藤井先生の指導上手
下図は、6面指しのうち1つ、飛車落ちの将棋。
 ここで決めてくださいね!と藤井先生が下手(手前)にバトンを渡したところです。
いやぁ~うまいな~と思いました。
上手陣の△71桂は数手前に打ったのですがその時は最善の粘りでは無いような気がしました。ただし、この局面を想定して打ったのであれば流石です。具体的にあの△71桂は上手玉を詰ますときに非常に厄介な駒なんですよね。△83の地点にもきいてるし金銀の枚数を間違うと詰まなくなる筋まであります。なんていうか下手にとって錯覚しやすくて非常にイヤ~な局面なんですが読み切れたら勝ち。下手の方は段持ちなのでそれが出来ると一瞬で藤井先生は見抜いてこの局面に導いたのだと思いました。

さて、みなさんは詰ます事が出来たでしょうか?
支部長は、一瞬で詰みを発見していました。

ちなみに私は分からなかった\(^o^)/▲81金、同王、63角成、92王…なんとなく詰むような気がするけど盤面が脳内で再現されないので無理ですね。ただ、解答は意外とあっさりです。

・藤井先生からの出題
駒余りの詰将棋
 
5分かかってやっと解けました。
「講座の序盤でやった詰将棋の正解者があまりにも少なかったのでこれを出すのはやめた」と言っていました(笑)

 
 やはり一流のオーラ・佇まいは違います!

・16時閉会
私は指していませんが1日楽しかったです。
普及モードの藤井先生も素敵でした!

・色紙
支部に「涓滴」「素心」「心眼」の色紙が寄贈されました。
そのうち、酒田荘内支部に入っていない私が1枚を頂けることになり迷わず選んだのがコレ。

涓滴」も有名すぎるくらい有名ですが・・・

「心」という文字が入っているのに惹かれました。

「心」は大山康晴15世名人の代名詞である「忍」の部首でもあります。

四間飛車の達人大山15世名人と藤井先生が合体した色紙なら最強やろと本能がそう言ったのでこれを選ばせて頂きました。

これは家宝にします。
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コメント

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あべしん

Re: R1.10/19 藤井猛九段の伝統文化こども教室をレポート【山形県酒田市】
Iさん

マニアックすぎますね。

てゆうか何歳なんですか!?笑

先生のファンがいるとは思いますが、こんな身近にいたとは驚きです。

朝日アマは当然、先生の扇子を使うんですよね?
非公開コメント

あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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