将棋漫画『マサルの一手!』は女子奨励会員の厳しさも描いた稀作

作品名:『マサルの一手!』全3巻
ジャンル:小学生男子&女子の奨励会物語
著者 : 村川 和宏
監修: 森内俊之棋士
出版社: 小学館『小学5年生』連載作品
発行日:2003年12月25日
販売価格:プレミアついてます!(定価486円+税)
登場人物:武蔵野マサル(小4)
正義感が強くアツくなりやすい性格。

感想ネタバレ注意!

マサルは小学校4年生、しょーよん!

休み時間にいつものように「サッカーやろうぜ~」とクラスの男子を誘うがみんな将棋をやっている。

なぜ?と思いきや2学期に転入してきた大辻綾乃(おおつじあやの)が…

将棋のプロを目指しているからだった!

なのでクラスの男子もせっせと将棋に励み強くなろうとしていた。

それにしても小4女子で奨励会員はすごい設定だな!

マサルも綾乃に挑戦するが…

50連敗!

しかし確実に腕は上達しており、綾乃と同じ奨励会を志すようになる。

そこで、マサルは綾乃の師匠である尾花沢八段に弟子入りをする。

尾花沢八段は村川先生の前作『歩武の駒』では小学生だった北山桂子を弟子にしている。参考記事→『歩武の駒』は華がある将棋漫画だったよね【ハート詰めなど】
念のために言っておくが尾花沢はこの時点ですでに既婚者である。

ちなみに作者の村川先生は山形県東根市の出身である。
その近くに尾花沢市があるのでそこから名前はとったのかな~なんてね。
まぁ何の根拠もないですが(笑)

マサルが腕を上げていく一方で綾乃は奨励会では苦戦を強いられていた。

「今日大辻と当たるやつ誰だろう(笑)」
「勝ち星稼ぐならあいつだな」
「当たりくじちゃん」
「才能無いからやめたほうがいい」

いや~おそらく現実の奨励会もこうなんだろうと思います。弱い奴は真っ先に狙われて星勘定にのせられて精神的に追い込まれていく。奨励会は小学生のうちにさっさと入った方がよいが精神的に弱いと持たないでしょう。ましてや女性で奨励会に入るとなると周りは男だらけなので相当キツい。大辻綾乃も小4で奨励会に入ったものの潰れそうになっていた。

しかし奨励会にマサルが加入すると

成績も次第に伸びていく!

そして奨励会員達はマサルに引っ張られアツい戦いを繰り広げる。小学生達が切磋琢磨しながら年上軍団と戦えるようになっていくのが見どころでしょう。王道の展開で面白いです。

◎特別番外編 名人への道
1話まるごと森内先生のご活躍が拝めます。その他にもコラムでは森内先生のインタビューなどが掲載されておりファン感涙の内容となっております。

◎『新!マサルの一手!』
連載はされたものの単行本化されていない幻の作品です。読みたい方は当時の『小学5年生』を買い漁るしかないですね。

◎プレミア価格?
マサルの一手!ですが定価での入手は困難だと思います。オークションサイトを見ても市場にほぼ出回っていないですしたまに見つけるとプレミア価格がついています。ただしアホみたいに高くなっているわけではないので美術品だと思って買うのも良いかもしれませんね。

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あべしん

・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
 →全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com

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