作品名:『覚の駒』全5巻
ジャンル:歴史ファンタジー
著者 : 内富 拓地
出版社: 小学館 (少年サンデーコミックス)
発行日:2014年2月23日
販売価格: 429円+税(電子書籍:453円)
登場人物:覚(さとり)
感想:ネタバレ注意!
いきなりですがこの漫画は将棋は登場するのですが将棋漫画では無いですね。 歴史ファンタジーものです。
ただし、漫画は面白いので感想を書きます。
主人公は覚(さとり)という京の山奥に住む妖怪で人間の心の奥底を覗き見ながら生きています。
例えばこれ。
新選組の沖田総司が精魂尽き果て斬られる直前に…
↓
覚がスゥ~ッと現れ、
「あんさん、うちと将棋指しませんか?」と誘うのでした。
覚は相手の戦法や指し方を分析することでどんな人間なのかを知ろうとします。
まぁ、たいていの場合は「こんな時に何言ってやがる」と対局拒否されるのですがそこは妖怪なので幻術を使います。
覚の美しく白い指に魅せられて将棋を指せば…
人生の岐路まで時間が戻る⌛
あの時・あの場面で知りえなかった大事な人の感情やそれにまつわる出来事などを覚と対局した相手はそこではじめて知ることになり、
いろいろな誤解や謎が氷解する。
それによって生きる活力が戻り、
ハッピーエンドというお話。
覚は将棋療法を施す「将棋セラピスト」な妖怪なんですよね~。
絶望→復活というお話が9割なので読んでいて元気が出ます。
普通に感動して泣くレベルの話もあるのでそのときはあなたのもとにも覚がきたのだなと思いましょう^^
それではここで各巻各話についてコメントを。
・1巻
第一局「凍てつかずの氷龍」
→1945年日本の戦闘機のパイロットの物語
第二局「無明の鬼」
→新選組 沖田総司の物語
第三局「舞姫の鎧」
→三島水軍の巫女の物語
第四局「二枚の羽」
→天草四郎の物語
・2巻
第五局「明君と暗君」
→暴君 足利義澄の物語
第六局「絹代と銀次」
→大正時代の若き女優の物語
第七局「泥と月」
→少年忍者の物語
第八局「蝉折の笛」
→源義経と白拍子の物語
・3巻
第九・十局「七人の幽霊」
→アフリカの特殊部隊の話
第十一局「抜かずのト部」
→平安の都を鬼から守る四随身の物語
第十二・十三局「関ヶ原の虎と龍」
→関ケ原の戦いに巻き込まれた小国のお話
・4巻
第十四局「迷える軍医と金創医」
→中国大陸旅順での話です。
第十五局「江戸の大火とお七の恋」
→悲劇の物語
第十六・第十七局「西部の写真家と老ガンマン」
→1911年西部劇の舞台
第十八局「悪名者と平蜘蛛茶釜」前編
→この話から5巻ラストまで舞台は江戸時代!天下取りを狙う武将とそれに絡む者たちの物語。
・5巻
第十九局「悪名者と平蜘蛛茶釜」後編
第二十局「覚と果心居志」
第二十一局「果心と明智光秀」
第二十二局「本能寺の変」
最終局「決断の一手」
ちなみに覚の師匠は大橋宗桂で将棋を習いにいっている描写がありました。室町~江戸時代に鬼や妖怪がいたら将棋を人間と指していても不思議じゃないですよね。ちょっとだけロマンを感じるシーンでした。
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