仙台の後輩H宮全国元学生準名人が山形市に来ました。
宮城では今年県名人戦2位&東北六県大会の代表になっておりまずまずの調子のようです。強かった時期は、激戦区埼玉で準優勝・平成最強ベスト16とかアマ王将南東北優勝なんて実績もありましたね。
学生時代に支部対抗東日本優勝&東北準優勝した部員、高校時代に全国入賞した部員達はもはや1年に1回も駒を触っていないと思うので我々は大学OBの中でも頑張っている方です(これでもw)。
ちなみにH宮氏は山形は「Y寺さん&H田くん&ほまみー君」が強いと仰っており先輩の私の名前が出ないという異常事態で一触即発ムード。
(というか最近誰に聞いてもその3名しか名前が出ない)
将棋で懲らしめてやらないといけないと思いました。
ルールは20分30秒。
先手が私です。

三間に対してH宮氏の左美濃→銀冠という定番の作戦、H宮氏の強さは王道から外れない・定跡から逃げないところだと思う。対して私、佐藤和俊著『三間飛車藤井システム』に書いてある地下鉄構想を採用。
上図以下、▲58金と上がってみました。
これは本には書いていないですが将来的に雁木囲いの方へ王様を逃げる含みを残したという意味です。
進んで下図。
後手は角道を止める△44歩型を選択しています。
佐藤本には、角道を止める形(44歩型)と角道を止めない形が書かれています。
そんで角道を止める△44歩型には▲56銀と腰掛け銀の形(下図)にするのが良いとされています。
上図以下、△33角のラインで居飛車の玉頭に殺到するという将棋です。
進んで下図、本譜は▲56銀ではなく▲56歩と突いたのですがこれが想像以上に罪深い1手となってしまった。
佐藤本は下図のように角筋で8筋を睨む構想なのだがこれが可能なのは△65の位をとっているからこそ。
本譜は下図のように△44歩型なので▲45の位は取れない、したがって▲68角と引いても効果薄。しかも△51角と引かれて死ぬほど困りました。
この△51角、次の△84角が鬼厳しい狙いなんですよね。
▲59王と雁木へ近づいても・・・
△84角から将来的に6筋をいじられて崩壊しそう。
再掲下図。
以下、▲38王(苦心の手順)、84角に48金、54歩、59飛と進行。
勝てる気しない。
右玉特有の薄さが指し慣れていない私には絶望しかないですね。
上図以下、△52銀、▲55歩、同歩、同飛、53銀、59飛。
うーーーーん、指す手が無いッス!
5筋を切ったのが逆に良くなかった可能性まである。
というのも以下、下図のように5筋を逆用されて投了級。
一方的に攻めまくられて投了図が下。
ていうか、▲38王型って常に△26桂王手!の筋があるんですね…これ指すまで気づかなかった。2筋攻めと38王の位置って最悪かもしれない。
それにしても俺はこんな将棋を指したかったんじゃなかったんだ・・・。序盤の構想ミスを激烈に咎められて完敗。H宮さんの将棋っていつもこんな感じなんですよねw序盤・中盤・終盤全て強いという、削られました。
◎感想戦
再掲下図。
ここでは△44歩型を活かして佐藤本の教え通り▲56銀でしたね。
以下、54銀で下図。
これで玉頭は怖いですが勝負でした。
本譜の▲56歩は構想がチグハグで勉強&研究していないのがバレちゃいました。しっかし、こういう1局無駄にしたという将棋こそネット将棋で経験しておきたいところなのですが…ネット将棋をやってもH宮さんのように綺麗な序盤で咎めに来てくれる人もなかなかいないのでねぇ。やれるものなら強い人と最初から研究会をしたほうが効率が良いという説はあるんだよね。
◎佐藤本再考
本局は負けはしましたが佐藤本の理解が深まった意味ある1局でした。
佐藤本は発売から1年近く経ちましたが読むたびに発見がある『四間飛車の急所』のような良書感があります。さすがに最新形は古くなってしまいましたが考え方のヒントがたくさん詰まっていて今後もバイブルとして使えそうです。持っていない人は発売停止になる前に(どんな本も必ず発売停止になる)、「良書は本棚へ」。
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