H28 県選手権 増子氏vs原田氏

ネタが無いので、観戦記の観戦記を書きます。
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8/20に観戦記が終了した後の増子最強位vs後の原田竜王の一戦。観戦記は、コマ平さんでした。

私も記録係として参加してたので、この将棋は知っています。
終盤に原田の名角が出る将棋です(笑)

※なお県選手権については、http://abcnabcn.blog.fc2.com/blog-entry-75.html でレポートを書いてます。

で、あらためて初手から棋譜を見ていると、「う~~ん面白い、分かる人にはわかる」みたいな県強豪ならではの序盤のやり取りがあったのでそこらへんを解説していきます。

◎両対局者について
増子さんは、個人的には「戦法の総合商社」だと思っています。相手に合わせて色々繰り出してきて、相手のペースにとにかくハマりたくないタイプ。だからといって普通の戦法が出来ないわけではなく最近は中飛車をメインに戦っている印象。

原田くんは、元々終盤型でノーマル4間党だったが勝てない事に気がついて中飛車に転向して高勝率上位入賞をするようになった。元々力があるのだから当然だとは私は思っている、4間飛車がそれだけ勝ちにくい戦法なのだ。さらに、原田流の独自研究の変化も多数あり、居飛車党にとってはやりづらい相手という位置づけで間違いないだろう。

◎どちらが中飛車を指すのか

まず先手が増子さんなので初手56歩で先手中飛車を指す権利を得た。
なので初手56歩かと思ったが…76歩!!

うーん、これはどういうことだろう。
原田君が先手なら初手56歩だっと思う。

2手目、原田君54歩で中飛車を明示安全策である。2016-08-24a.png

 ここで34歩なら、増子さんは56歩で「馬作らせ戦法」の得意形に持ち込む狙いがあったのでやりづらかったか。少し、増子さんが得した印象がある。

3手目、増子さん68銀!?

私なら、76歩を継承して78飛車と指し先手十分としたい。
ただ、増子さんは中飛車に用意の戦法があるのだろう、ここらへんが増子さんが増子さんたる所以である。
 
5手目66歩。
これはもう、完全に中飛車対策ありますよ~ってやつですね。
2016-08-24b.png
以下、34歩、67銀。
8手目62銀は、間合いを図った手。
42王なら居飛車にされて損62王なら普通に相振りの古典形で中飛車が生きなさそう(左穴熊が出来ないのがつらい)。

それに対して、9手目96歩は、さらに間合いを図った手。
2016-08-24c.png

で、94歩と受けたこの局面をどうみるか。
私は、すでに先手が得をしている気がする。

以下、77角、74歩と進む。
2016-08-24d.png

本譜は、48銀だったが・・・ちょっとタイム。

この局面は、部分的に去年の赤旗県名人戦で覚醒前ぱるると指しています。
当時、私の研究手順が炸裂、以下、95歩、同歩、同香、同香、同角の局面は…・
2016-08-24e.png

1、 53銀は、1発アウト。
2、 73銀は、86角で53香車狙いなので62金くらいだが98飛車と回って93歩を打たせて成功。
3、42王にはあえて王手をせずに77角と引き、53銀に98飛車、93歩で成功。
2016-08-24f.png

となり、捌きに重きを置く私としては先手持ちだったのでした。

で、まぁ本譜は、48銀から居飛車になりましたね。
44銀型vs46銀型に落ち着き、この局面をどう見るか。
2016-08-24g.png

まず、居飛車は、67銀型を作ってしまったゆえ堅い囲いが構築できない。
振り飛車も変な囲いなので堅くはならない。

ただ…、少し振り飛車が得してるように見えるんですよね。
それが55歩保留の54歩型であること。
55歩が入っていないことで潜在的に振り飛車の角のラインが居飛車陣を直撃しているのがめちゃくちゃ大きそう。
55歩型って捌きづらいから56歩から命懸けで1歩を切る筋もあるくらいだからね。

とはいえ、どうやって振り飛車良くするのか。
こっから、原田君の解答がすごい。
2016-08-24h.png
なんと、64銀から72飛車と大山流の袖飛車に構えた(笑)。
これを指しこなすにはかなりの力が必要、囲いを薄くして攻めるので現代将棋ではないよね。

増子さんも、そんなに大したことないと油断してたんじゃないかなと思います。
で、実際やられてみると、居飛車も銀冠なら7筋が受かるけど、雁木なので7筋が受からないという悲劇的展開。雁木に袖飛車という将棋はなかなか見たことが無いが、この将棋を見て「雁木には袖飛車が有効」と勉強させて頂きました。
しかし、雁木は使えないねぇ…堅さを捨ててバランスを取ったとはずなのに(現に5筋は堅い)7筋は手薄とか盲点ではないでしょうか。私なら雁木に組んだ時点ですぐには崩れない、なんせバランス型の囲いだからって安心しちゃうもんね。増子さんはどうだったんでしょうか(笑)
 
いよいよ7筋が受からなくなったので2筋に活路を求めるが40手目45銀に55銀とかわせるのもなかなか見ない形2016-08-24i.png
54歩保留が活きて全ての駒の勢いが居飛車の玉頭方面に集中してきた
2016-08-24j.png

かなり削られます。

ただ、実際指すとなると振り飛車も玉飛接近で命懸けの部分もある。
本譜のような展開で居飛車も振り飛車王付近にアヤを残すのが実戦的。
2016-08-24k.png

これは振り飛車嫌だな~~、攻めてるけど渡す駒を間違えると一気に負ける将棋になる。
なんで41の金遊んでいるんだよ~~って愚痴りたくなる局面である。
(41金が遊んでいるけど28飛車も遊んでいるのでバランスはとれてそう)

で、ここからお互い激烈に踏み込んで下図。
2016-08-24l.png

こういうプロ筋の手でギリギリ勝つのが増子さんなので原田氏絶体絶命かと思われるが…。

なんと!!「54角」という原田の名角がありました。
2016-08-24m.png

これは、87角成以下の詰めろなので69王と王様を深くしながら避けるが、冷静に63角がさらに85桂取りであひゃ~。
2016-08-24n.png
潜在的に62飛車が69王を直撃しているので、ここで増子さんは72金とバラしにかからなくてはいけないのが辛かった。

 コマ平さんの観戦記によると、原田くんはここで手ごたえを感じたの事。

感想戦で増子さんが「ひえ~~っ」って何度も言っていたのが印象的だった。
私も「ひえ~」である。ひえ~ひえ~ですよ、54角一発でここまで戦況が変わるとは削られますね。

本局をまとめると、強豪らしい序盤の駆け引き⇒原田くんの54歩保留を活かした袖飛車⇒堅くはないが安定感があるという先入観がある雁木を直撃⇒お互い命懸けの踏み込み⇒原田の名角。
 という、目が離せない将棋だった。

原田くんは、最近感想戦で「研究では~」という事を言う事が多くなった。
本局はどうだったのだろう。中飛車対策として「67銀型向かい飛車をチラつかせ結局居飛車を指す」定跡があるくらいなのでもしかして研究範囲だったか。剛腕とみせかけて研究熱心というタイプは嫌ですね~(笑)。

そしてこの2人は、
 5月末、原田君が竜王戦優勝。
 6月初旬、最強戦で増子さんが原田君にリベンジを決めて優勝。
 戦型は何だったんでしょうか、興味深いですね。

いや~本当にね、アマチュアの将棋は面白い、駆け引きもしかり発想が自由なのがいいね、最近のプロの将棋より面白いと思うw。みんなも山形新聞とったほうがいいよ^^
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