去年の話ですが「NHK将棋の時間」の企画で乃木坂46の伊藤かりんさんが初段を獲得しましたよね。
アイドル離れしたかりんさんの本気度に私もびっくりしました。
女性芸能人としては前代未聞の情熱で好感が持てます。
師匠の戸辺誠棋士との関係も素晴らしく、TVの企画とはいえ良い師に巡り合えた
と思います。
今回は、戸辺先生&かりんさんの初段&初段以降の上達法でポイントだなと思う点に触れていきたいと思います。
◎初段までは角道を止めない中飛車で。
中飛車という作戦は、
・駒組みが分かりやすい
・先後両方で使える
・自分から攻める事が出来る
という点で他の追随を許さないくらいコスパが良いので時間があまり無いかりんさんにはぴったりだったと思います。
☆おススメ棋書☆
・戸辺流中飛車のDVD付の入門本
棋譜が読めない初学者には映像講義は最適。
◎初段以降どうするか
番組では対外試合の後半戦で負けが込み始めた頃、師匠の戸辺先生はかりんさんにノーマル四間飛車を教えています。
なぜ四間飛車なのか?
これは戸辺先生の深い計算があると思いました。
実は、角道を止めない中飛車はかなり細かな部分まで対策が進んでいます。
特に後手の中飛車は一時期ほど勝てなくなり振り飛車も気合い入れて研究して互角以下という状況です。これはプロだけの話ではなくアマも有段者ともなればちゃんとした対策を持って臨んできます。なので戸辺先生&かりんさんにとって今後どうするかは岐路だったと思います。
このまま角道を止めない中飛車を極めてくのか、いっそ他の戦法に移るか。
ここで大事なのは、目くらましで新しい戦法を覚えて勝ちまくりなさいと言っているわけでは無いということ。
自分に無い将棋の経験値を習得しなさいというのが真のメッセージだと察しました。
【戦法から得られる経験値】
・角道を止めない振り飛車…攻撃センスが磨かれる。受けの力はあまりつかない。
・角道を止める振り飛車…通称ノーマル振り飛車。角道を止めるので相手から攻め込まれる将棋になるので受けの力がつく。攻めの力はあまりつかない。
角道を止めない振り飛車と角道を止める振り飛車はお互い無いものを補完しあう関係なので上達を考えた場合は相性が良いと思います。
もし、かりんさんが角道を止める振り飛車(四間飛車)ではなく中飛車と同じ角道を止めない振り飛車に属する「角交換振り飛車」を勉強した場合どうなるか。
中飛車で培った経験値が活きるので相性は良さそうですが、受けの力はあまりつかないという状況は抜け出せていません。
対外戦の将棋を観ると、かりんさんは悪くなってから崩れるのが早いので戸辺先生はかりんさんに「受けの力・粘る力」をつけさせたのかったのでノーマル四間飛車を勧めたのだと思います。
角道を止めない振り飛車で勝っているプロもたくさんいますよという指摘はあると思います。
師匠の戸辺先生、久保先生・藤井猛先生・鈴木先生などは確かに中飛車・早石田・角交換振り飛車で勝っていますね。
でも、あの先生方って過去は角道を止める振り飛車の達人だったというね。色んな経験値を積んでの今があります。
【かりんさんの今後の戦法選択】
かりんさんがノーマル四間を習得すれば今後は戦法に困る事は無いと思います。
というのも、ノーマル振り飛車の基礎が詰まった四間飛車を習得すればそのままノーマル中飛車・三間・向かい飛車に応用が利くので選択肢の幅が広がるからです。
おそらく、今後企画が続くとすれば戸部先生は、
・先手中飛車
・後手ノーマル〇〇飛車
という最強布陣で挑もうと思っているのでしょう。
これはもう普通に女流アマ棋戦に出るレベルです。
私もこの2つの戦法の組み合わせは、
・お互い無いものを補完しあっている
・先手中飛車は今後も無くならない
・ノーマル〇〇飛車も可能性がある
という点で、地力がつく展望があるのでおススメです。
2つも戦法覚えるの大変!と思うかもしれませんが2つ覚えたところで居飛車を勉強するよりは大分勉強量が少ないですよ(笑)。ただし、しっかり時間をかけてやれば理数系科目みたいに点数(勝ち星)を稼げるのは居飛車なので、振り飛車は研究もそうですが上にいくにはわりと勝負勘みたいなのが必要なのでそういう才能が無いと自覚している方には居飛車をお勧めします。
【最後に】
伊藤かりんさんはこれからや!と思いきやまさかの卒業発表\(^o^)/
乃木坂も卒業という事で独立したらぜひぜひ「かりんの将棋ウォーズの実況」など将棋に関するコンテンツを継続してほしいです。将来的にかりんさんの実況動画で振り飛車を覚えたという子が出現したりして。かりんさんの将棋界への貢献は大きかったよね。乃木坂卒業したから洋梨ではなく、要かりんで将棋界全体としても働きかけてほしいです。
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コメント
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2019/04/01 編集
あべしん
ありがとうございます。
危なかったです〜、、。
2019/04/01 URL 編集
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2019/04/01 編集
さわ
居飛車原始棒銀→○○○だとすると
何が該当しますでしょうか?
2019/04/09 URL 編集
大谷
2019/04/10 URL 編集
あべしん
中飛車→四間飛車はブログにも書きましたが伊藤かりん流です。
それを居飛車バージョンで考えるならば、
居飛車原始棒銀は肉弾戦なので、角換わりみたいな飛び道具が該当するのではないでしょうか?
原始棒銀=打製石器から弥生あたりには飛び道具とかうまれませんでしたっけ?笑
2019/04/10 URL 編集
さわ
2019/04/10 URL 編集
通りすがり
ノーマル振り飛車となっていますが、四間飛車穴熊はダメでしょうか?
ちなみに私も中飛車で初段まではいきました。
2021/05/04 URL 編集
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記事読んでいただきありがとうございます。
四間飛車穴熊でも良いかと思います、実際にそういう人も知っています。
ただ、四間穴熊は四間美濃よりもある意味で苦労が多い部分があり、ソフトでがりがり突き詰められてしまうと逃げ道がなくなるつらさがあります。
四間穴熊と四間美濃は考え方が違うので四間穴熊がもし勝てなくなりじゃあ美濃をするか~となった場合は美濃を1から勉強することになると思います。
四間美濃の方が汎用性は高いけども一撃必殺なら四間穴熊という感じです。
2021/05/05 URL 編集
通りすがり
遅まきながら再度四間飛車の勉強はじめました。
対策は多いですが、それだけ対策が多いのは優秀だからじゃないかと思える様になりました。
これからもブログの更新を楽しみにしています。
2021/05/24 URL 編集