今日も棋譜添削やっていきます。
依頼者さんが後手でウォーズ4級という事です。
◎美濃の歩は序盤で突かない
まずは下図。

序盤早い段階での△54歩や△74歩はプロの将棋を勉強しているのだと思います、素晴らしいです。
手の意味としては居飛車穴熊をけん制するという事かと思いますが指しこなすには力が必要です。
というのも、早い段階で74歩や54歩を突くと…
・54歩…54銀と出る筋が消える。美濃囲いが弱くなる。
・74歩…王様のこびんが空くので美濃囲いが弱くなる。将来的に桂馬や角で狙われる。居飛車に急戦をされると受けるのが難しい。
など、現段階では負けやすい要素の方が多いと言えそうです。
それよりもまずは美濃囲いの完成を優先して指した方が良いと思います。
※もし、美濃完成前に歩を突きたいのであれば全ての急戦に対してある程度の対策を持ってから、つまり研究を深めてからにした方が良いでしょう。プロの将棋はそうした深い研究があるので居玉で△64歩や△74歩と突けるのです。
※最近ではこんな構想がありますが有段者でも指しこなすのは難しいので級のうちは真似しないほうがよいです。
◎美濃囲い△62金寄の意味は?進んで下図。
本譜は上図以下△62金寄。
一見、王様に金を近づけて堅くなったように見えるのですが実のところ大して変わっていません。むしろ王様の逃げ道を塞いでいるという説さえあります。
※メリットとして王様のコビンを塞いだ意味がありますがそれであれば△64歩から△82王の方が良さそう。
再掲下図。
ここでは、前に指した△74歩や△54歩を継承する意味で△64歩(将来高美濃を目指す)から△82王と指した方が良いと思います。
これであれば王様は広く堅いので勝ちやすいです!
※マニア向けの話
△64歩とあえて突かずに△63歩型を活かす構想もあります。それは先手が天守閣美濃や米長玉銀冠のときに△42角と引き玉頭にプレッシャーをくわえる将棋ですね。
局面図は割愛しますが似たような発想でこういう感じです。
◎次回の課題図
本譜の展開です。
後手はこの後どのような構想で指すべきか、2つの構想を考えていきたいと思います。
続く
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