前回から引き続いてウォーズ4級の方の棋譜を検討。
下図の局面は先手王が詰みである事を前回検証した。
ここからはパワーアップ講座。
△21の桂馬が先手の持ち駒ならば先手王は詰むのか、今回は見ていきます。
下図がテーマ図、後手の手番です。
先手に「桂」があるので、▲86王と出た時に△64馬王手に▲75桂と打って詰まない可能性があります。
それではやっていきましょう。
上図以下、王手するには後手から△78金と△78金打があります。
実戦であればその2択、詰む変化を読みきれたら良いのですが時間が無いと厳しいです。
そういう時は、詰まないのはどちらかを考えます。
△78金打、これは△78金に比べて1枚早く駒台から金銀が消えるのでやばそうな感じがしませんか?それでは検証。
◎△78金打以下の変化
上図以下▲86王、△64馬、▲75桂!
以下△同馬、同歩、85銀、97王、96銀。
この局面までくると金銀の枚数が足りない事がうすうす分かります。
上図以下、▲同王、95歩、86王。
王手をするなら△94桂ですが・・・
王様引かれてギブアップ。
これ以上は王手がかかりません、金銀の枚数が足りていないようでした。
というわけで詰め将棋が得意な人であれば△78金打はちょっと読めば詰まないと分かるのでした。
というわけで、△78金と指すべきでしょう、詰むか読み切れていなくても。
◎△78金の検証
再掲下図。
▲同王なら△67金で詰みですので▲86王と逃げます。
そこで△64馬に▲75桂。
△78金打の変化よ比べ後手の持ち駒に「金」1枚多いのに注目です。
これならなんとかなりそうですがこっからが難しい。
上図以下、△75馬、同歩、85銀、97王、96銀、同王、95歩。
ここから2通り。
・▲86王
・▲98王
上図以下、▲86王には85金、97王、96歩、98王と進める。
ここで爽やかに△88金と取り、同王に△76桂と吊るす。
・▲78王は56角で詰み。
・▲77王は88角で詰み。
・▲98王は97歩成、同桂、同香成、同王、79角で下図。
詰みですね~~。
これはベタベタやれば詰むのですが、
難問は再掲下図以下の変化。
▲97王、96歩、98王。
こっからどう詰ますか、最終盤の30秒将棋なら私なら間違う自信があります(笑)
上図以下、△88金、同王、76桂。
最初同じようにこの筋で詰みだと思ったんですが…
スッと▲77王と上がられるとどうしても▲76→65の脱出ルートが捕まりません。ひえーです。
再掲下図は、ちょっとした詰将棋です。
筋悪く△97金と打ちます。
上図以下、△同桂、同歩成、同角、同香成、同王、88角。
上図以下、▲96王なら95歩、86王、77角成として
以下、▲97王には85桂で詰み。
ただし再掲下図以下、
▲98王と引かれたら難しい。
△97歩は打ち歩詰めなので指せません。
しかし、持ち駒に桂馬が2枚あるのでこの場合の手筋があります。
上図以下、△86桂。
▲同歩に99角成と香車を削ります。
以下、▲同王であれば△97香、98歩、87桂の有名な詰み!
ここに桂馬を打てるのが23手目に△86桂と捨てた効果です!
(△87に空間を作った。)
再掲下図。
▲87王であれば77馬がぴったり。
以下、▲97王、88馬、96王、95香までです。
素晴らしい詰みでした。
◎まとめ
先手の持ち駒に桂馬があるかないかの2つの局面ですが・・・
後手が有段者であれば詰みを読みきれているか否かに関わらず1枚節約して△78金と捨てるところだと思います。
理由は簡単で、駒台に金銀が残る=詰ませる確率が上がるからです。
(もちろん、節約したがゆえに詰まない事もあります)
こういう手を発見するには日頃から詰将棋をやっておく、または実戦で終盤の手筋を覚えておく必要があると思います。
終盤は難しいですね、はいこの棋譜はここで終わりです。
ありがとうございました。
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