今日は先手のウォーズ6級の方の棋譜添削をやっていきます。
◎居玉引き角△86歩▲同歩△同角以下の攻防
下図は、後手の引き角戦法。

上図以下、△86歩、同歩、同角と進行。
本譜は上図以下△同角、同飛と進んで…
8筋を完全突破されてしまいました\(^o^)/
これではまずいので再掲下図をもう一度考えます。
ここでは振り飛車の常套手段と言うべき手筋があります。
飛車の進行方向に角が割り込んできたらチャンス。
角は前に進めないの▲88飛とすれば後手が逆に困っています。
上図は後手の角に対する先手の飛車のプレッシャーがきついですよね。
後手は角を動けば飛車を取られてしまいます。
このままでは後手の角は金縛りなので色々とやってくるでしょう。
1つ1つ見ていきましょう。
上図以下△77角成は・・・
その瞬間に▲82飛成、同銀、77桂と指します。
飛車角交換ですが王様の堅さが段違いで先手が上回っています。
先手は金銀4枚の美濃囲い、後手は居玉~(ノД`)・゜・。。
このように王様の堅さを活かして戦うというのも振り飛車の勝ちパターンの1つです。
再掲下図。
ここでは△85歩と角を支えるのが部分的な定跡です。
これ、うっかり▲86角とすると△同歩でひどいです。
次の△87歩成が受からないので8筋突破確定、悪夢再びです。
ですので△85歩には・・・
▲65歩と角道を空けるのがこれまた知らないと指せない手。
以下、後手には2通りの選択肢があります。
1、△77角成
2、△53角です。
順に見ていきます。
1、上図以下△77角成には▲同桂と取ります。
以下、△42王と悠長な事をやっているとすかさず・・
▲85飛ドン!と飛車交換を狙われて先手良しです。
王様の堅さが先手の方が上なので成立しています。
再掲下図、△86歩が本筋です。
次に△87歩成を狙った手ですが▲85歩が用意の対応。
桂馬の力で8筋を抑えます。
次に相手が何もしなければ▲86飛で歩を取れます。
△86歩を守るために△53角と繋ぐ手は考えられます。
次に▲86角から歩を奪う手を後手は分かっていても防ぐ事が出来ず先手優勢です。
再掲下図、
歩を守るために△87角と打つ手はあります。
次に△76角成から△87歩成を許すと8筋を突破されてしまうので受ける必要があります。。
以下、▲67銀。
結論から言うとこれで後手は指す手が無くて困っています。
例えば△69角成であれば▲86飛です。
馬を作られて先手不利に見えますがこの馬は働かないので先手良しです。
・理由1:次に▲89飛で馬が死ぬ
・理由2:馬を助ける△79馬には▲43角で先手優勢です。
ならばと再掲下図、
△87角を置物にして△42王と王様を囲ったらどうか。
これには▲95角があります。
次に▲86角王手で△86歩を払えば△87角を飛車でタダ取り出来ます。
上図以下、△69角成と先に逃げても▲86角、43王、89飛で、
馬が死にます\(^o^)/
これは先手良し。
再掲下図以下、▲95角を打たせないために、
△94歩はありえる。
しかしこの場合、▲53角という手があります。
次に▲86角成と歩を回収する手が厳しくこれまた先手良しです。
どうやら再掲下図以下
△77角成では幸せになれないという事が分かりました。
2、上図以下、△53角を検討します。
この△53角は撤退したようにみえて油断ならない手です。
上図以下、▲46歩だと△86歩でしびれます。
次の△87歩成が受からないので先手失敗です。
再掲下図、ここも知らないと指せない手があります。
それがフワッと▲66角でさりげなく8筋に角の利きを通します。
上図以下、△86歩には▲84歩が66角からの継続手。
△同銀と取らせて後手の8筋を重くします。
そしてから▲64歩!
これが筋で△同角には65銀で勢いがつくので先手良し。
再掲下図以下、△同歩には・・・
▲86飛、85歩、88飛としておけば、
後手は△84銀が重く捌きにくいので先手が優勢です。
上図以下は▲77桂と駒を活用していけば自然と先手が良くなります。
△84銀を8筋を制圧する素晴らしい駒と見るのではなく、後手にとって負担なので先手良しと見れるかが大事な局面でした。この辺の大局観は経験値を積まないと分からないところかもしれません。
再掲下図ではもっと強引な手があります。
それが▲64歩です。
△同角には65銀で先手良し。
再掲下図以下、
△同歩であれば角道が止まったので▲66角でふわっとしておきます。
これで以下、△42王であれば77桂と活用。
これも振り飛車良し、王様の堅さと駒の効率が違いすぎます。
再掲下図。
△同銀はある。
以下、▲84歩と垂らします。
これを△同飛であれば▲95角の王手飛車。
王様の位置が居玉だとこういう技がバンバンかかります。
なので▲84歩には△73桂と歩を守ります。
以下、▲66角が大胆不敵な手。
上図以下△42王ならば77桂とプレッシャーかけます。
次に▲85桂と飛ばれる手が受からずすでに先手良しです!
なので再掲下図。
▲77桂と跳ねられる直前に△55歩はある。
しかしこれも素直に▲同銀、65銀、77角。
以下、△76銀に▲54銀が成立します
これで先手良し!
結局、なんでこんな素直に指して先手が良くなるかと言うと先手と後手では王様の堅さが違うので何やっても勝ってしまうというね。
なので、美濃囲いを確実に組めれば相当勝率が上がると思います。
結論から言うと下図以下△86歩は無理筋でした。
上図では、後手も先手の王様に負けないくらい堅く囲わないと勝負にならないのでした。
◎次回の課題図はこちら。
△48桂成と迫られていますが先手はどういう方針で戦うべきでしょうか?
続く
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