それでは今日もウォーズ級位者の方の棋譜を添削します。
後手が依頼者さんでウォーズ3級です。
◎こじあけて角を捌く
下図は△54銀と出た局面。

この銀を見て、先手は薄くなった後手の角頭に狙いをつけます。
それが下図。
次は▲35歩と角の弱点を攻めてきます。
ここで後手として考えたいポイントは2つ。
1、角頭は守れるのか?
2、守り切れないのであれば負担になっている角を捌けないのか?
1、角頭を守る手としては△32飛が考えられます。
これが本譜の展開です。
以下、▲35歩と突っかけてもらえれば同歩、同銀、44角が強手。
以下、▲同銀、39飛成が王手飛車で振り飛車良し(下図)。
※上図以下▲36歩も35角、同歩、同飛で振り飛車良し、歩切れの先手は39飛成を受けづらい。
上図は後手必勝なのですが、そもそも再掲下図で・・・
▲35歩と仕掛けてもらえないとこのカウンターは決まらない。
まぁこれでも後手悪くないですがなんかしっくりこないですね。
再掲下図以下…
△44角は一理あるけど・・・
△42の飛車の利きが止まるので今度は飛車が使いづらい。
そしてこれもまた振り飛車から動いてくのは容易ではなくしっくりこない。
2、
そこで!発想の転換です。
目標になっている角を捌いてしまえばいいんじゃないかと。
それが△65歩で、無理やり相手の角道をこじあけます。
上図以下、▲同歩であれば88角成、同金で…
後手は負担になっている角を自分の駒台にのせることが出来た(捌けた)ので成功です。
先手は後手の角を攻めるという目標のために初形から3手かけて出動させたのに目標消滅、何やっているんだか分かりません。こうなるんだったら3手分を王様の囲いに使ったりすればよかったと悔しがっていると思います。
というわけで再掲下図。
角交換は先手バカらしいので▲26銀の顔を立てるために無視して▲35歩とつっかけます、あくまで角をいじめるというスタンス。
上図以下、▲同歩は同銀で銀が前進してくるので取らない方が良いでしょう。
ここは無視して、△66歩と取り込み以下34歩に22角と引いておきます。
もしここで上図以下▲66銀であれば…
△46歩で今度は飛車を捌いて後手良しとなります。
再掲下図…
▲24歩とあくまで2筋攻めにこだわるのであればそれも無視して△67歩成!
これで技が決まります。
上図以下、
・▲同金ならば88角成で角がタダで取れるのであひゃ。
再掲下図以下、
・▲22角成ならば・・・
その瞬間に△78と王手!
とされ、▲同玉に22飛と戻せば・・・
後手が金一枚得しましたね、これがほんとのゴールドワンです。
☆まとめ☆
振り飛車の弱点は角なので居飛車はありとあらゆる手段でそこを狙ってきます。振り飛車は機敏に居飛車の狙いを察知して角を捌きにいきましょう。強い人ほど角の捌き方がうまいので棋譜並べをする際はぜひ注目してみるとよいでしょう。
◎次回
さて、進んで下図最終盤、本譜の展開です。
すでに後手勝勢ですが、どうやって先手王を捕まえますか?
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