ウォーズ級位者同士の四間飛車を添削します。
☆ポイント1「相手の作戦は?」
まずは、知識の話。
下図から相手の作戦と狙い筋は何でしょうか?
△54銀とされた局面は、2つの可能性があります。
1、右四間飛車(この後、飛車を△62に回って6筋から開戦してきます)
分かりやすく攻撃力のある作戦なのでアマチュアで大人気。
しっかり勉強しておく必要がある作戦です。
2、対振り飛車腰掛銀(こしかけぎん)作戦
こんな作戦⤵
1の右四間との違いは、後手の飛車の位置(8筋か6筋か)と△85歩を突くか否かです。
右四間は△85に桂馬を跳ねる余地を残したいので突きません。
対振り腰掛銀は飛車を使って8筋から突破する作戦なので△85歩とつきます。
ここ数年でかなりメジャーになってきた作戦ですがこれ専門の棋書は発売されていないはずです(多分)。今の段階ではまだ詳しく触れなくてもいいかと思います。
☆ポイント2「桂馬の頭は弱い」
再掲下図。
先手の美濃囲いは完成しました。
次はどう動くか考えたいところです。
よ~く見ると△54銀で桂頭の守りが薄くなった事に気づいたでしょうか。
ここでは、その弱点を突く仕掛けがあります。
なんでしょうか?
ちっちっちっち・・・ばりっちっち⌚
はい、
それが▲75歩です。
ポイント3「88に角がいる状態で77に桂馬を跳ねてはいけない」
再掲下図…
依頼者の方は▲77桂と跳ねました。
6筋から攻められそうなので6筋を守ったという意味で発想は素晴らしいです。
しかし、88に角がいる状態で77に桂馬や銀を置くのはあまりよくありません。
なぜなら角の動く場所が狭くなってしまい、角の弱点である角頭を狙われた時に逃げ場所が無いからです。例えば上図以下、△85歩とされたとします。
これは次に8筋から攻撃しますよという厳しい手です。
上図以下、▲86歩の狙いを消して▲97角という受けは一理あります。
もしここで相手が角の弱点である角頭を狙って△95歩と攻めてきてくれるのであれば▲64角と飛び出して振り飛車良しです。
しかし、その飛び出しを事前に防いで△63金とされると、相手の次のターンで今度こそ△95歩と突かれ困ってしまいます。ですので▲97角は不安定な位置と言えそうです。
従って、結論に戻ると再掲下図で
77桂と跳ねてしまうとそこしか角が上がる場所がないので劣勢に陥るという事です。
☆ポイント4「捌きの手筋」
再掲下図。
本譜は、上図以下△62飛、▲86歩と右四間飛車風に進行。
以下△65歩と仕掛けたのが後手としては良くなかった。
以下、同歩、同桂、同桂、88角成、同飛、65銀。
一見これで後手の攻めが決まったように見えますが返し技があります。
相手の飛車先が止まった瞬間に「捌く(さばく)」のが振り飛車です。
▲68飛が振り飛車の極意。
△65の銀を起点として体勢を反転させるイメージです。
上図以下、△56銀なら62飛成(相手の形を乱す)、同金、56歩で王様の堅さの分だけ先手良し。
△56銀に代えて△66歩ならば▲73角で振り飛車良し。
このあたりはゴチャゴチャしているので動画で解説します。
☆ポイント5「ディフェンスライン」
前回、「無条件でと金を作らせてはいけない」で解説したように下図以下次に△67歩成を許してしまうと形勢を損ねてしまいます。
そこでと金作りを阻止する手を指したいのですが何かいい手が見えますか?
基本に忠実であれば▲68歩と先受けの歩です。
しかしそれよりももっといい手があります。
それが、馬の利きを活かした64香!これで飛車が死んでいます。
以下、83飛に92馬で飛車得確定。
ただしここで△67歩成の勝負手が飛んでくるでしょう。
どっちで取りますか?
正解は動画で。
(正直どっちでも先手勝ちなんだけどよりソツなく指すにはどっちかな?)
今日は以上です、ありがとうございます。
☆さらに詳しく知りたい人向けの解説動画
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