早速、感想を書きます。
◎1巻&2巻
かわいい女の子が沢山出てくるのですがいかんせん中身が無い、萌え豚狙いの漫画かよぉぉぉと何度も挫折しながらページをめくりました。
1巻後半から、『ハチ〇ンダ〇バー』みたいなバトルものになってしんどさが増した。どちらも私的に苦手なジャンルです。
3巻は読まずに放置しようと思ったら、「りゅうおうは3巻からが面白い」という情報が。
マジで~?と思いしぶしぶ3巻に手を付ける。
◎3巻
あれぇぇぇぇ!?笑
少しずつではあるが、銀子さんのキャラが立ってきた。
魅力に気づいてきた!
銀子さんイイね!ナイスツンデレ(^_-)-☆
俺も今度から「頓死しろ!!クズ!」と罵っていくスタイルで将棋指すわ。
◎4巻
うーーーーーん、正直、面白い(笑)。
「第19譜 新世界」は、胸が高鳴る。
主人公の竜王が会長から天衣ちゃんのコーチを頼まれ連れて行った先は…
大阪の真剣やれる町道場でした(笑)
たばこの箱に千円札を丸めて入れて「これが無くなるまで指してこい」というシーンはアツいね。そこで真剣の技術を磨いていくシーンは正直「おおお!」って感じ。
こういうの大事、外に出て人間と指して実戦の呼吸を肌で覚える。
そして、真剣の道は一日にしてならず!
ようやく第24話でその道場で一番強い真剣士を倒す。
天衣ちゃんの強気キャラが真剣の世界にもマッチしていたし非常に楽しめました。
◎5巻
竜王の愛弟子のあいちゃんと、竜王がコーチをしている天衣ちゃんが研修会でついに激突!
最後は天衣ちゃんが真剣で鍛えたハッタリの技術で勝利。
「手の善悪は必ずしも勝敗に直結するものではない」
「序盤で離されてずっと届かないと思っていた、いつの間にかどうせ勝てないと思ってしまった」
「もっと勉強しておけばよかった、もっともっと努力できたはずなのに」
アツい。
熱すぎる!!
作者は本当に良い取材をしている!
もしかして、ある一定の時期を選手として時間を割いた人なんじゃないかとさえ思わせる。
実際に将棋をやっている者にしか分からない瞬間を知っている!!
そういう漫画を待っていた!
そんで感想戦。
あいちゃん&天衣ちゃんは絶対仲良くなれないと思っていたら…
ツンツンしている天衣ちゃんが良い事言った、感動した!!
「将棋は・・・合わないと思った相手とも対局を通じてなら分かり合う事が出来る。」←※これは俺のセリフです(^_-)-☆
それを教えてくれました。
同時に将棋は強い者同士惹かれ合うんだなぁ~ってのも再認識。
将棋知っていますね!!
ちなみに結局ではあるが、ツンデレ天衣ちゃんもヤンデレあいちゃんと同じく竜王の弟子になります。そのエピソードも良かったなぁ。
◎6巻
竜王一門の面倒見役の女流棋士を目指す研修会員桂香さんのお話。
簡単にファッション感覚で女流棋士になれると思っていたらもう26歳。
その間に銀子さんは女流2冠になるし、あいちゃん&天衣ちゃんからは追い抜かれるしであひゃー。
もう後が無い桂香さんは、妹弟子の銀子さん(14歳)に頭を下げて教えを乞う。
そのアドバイスが非常に良かった。
桂香さんの手は、中身が無い。
定跡や流行を表面的になぞるだけの丸暗記将棋。
それでは自分で考えて指している人には勝てない。
銀子さん、本質をついてますね!
そういう人って着手するときの自信が無いから指がふわふわしてるんですよね(笑)、オーラが無いって言うか。強い人と同じ手を指しているのに迫力が無いという。毎日ソフト研究している人は人格がソフトになりきるまで頑張らないとね。
そして、脳内将棋盤は才能の指標って話もいいね。
これは幼少期に詰将棋をどれくらい解いたかも影響すると思う。私は全く詰将棋をやらなかったので脳内盤が無い、目隠し将棋は当然出来ないし実戦の読み間違えも多い。
参考記事⇒詰将棋で脳内将棋盤を作ろう!
ただしそれでもアマの四段~くらいまで来れたのは漫画でも語られている「感覚」
があったからだと思う。その感覚の養い方は・・・ひたすら実戦でした!
あと、その脳内将棋盤とか感覚を超越して、そもそも読んでない、「見えている人」がいるという発言も面白い。
そのクラスは、全国入賞レベルとか奨励会有段クラス以上の人と戦った時にひしひしと感じます。同じペースで指していても圧倒的に読み負けているって感覚です。しっかし、そんなマニアックな体験談を作者はどっから知ったんだろうw
そうそう、才能のある人の勉強法を真似しても意味が無いって話はとっても面白い。強い人にどんな勉強法してますか?って聞いても大体参考にならないもんね(笑)。学年1番の人に「勉強どうやってるの?」って聞いても「1回教科書読んだら忘れない」とか「そもそも勉強してない」とか言われるだけなので。
そんな中、この漫画では非常に現実的なアドバイスをしている。才能が無い人は実戦で使えない無駄な事をするな、ってのは本当にその通り。将棋ってゲームだから要領の良し悪しはあるよね。ソフトの評価値的には互角でも勝ちにくい戦法を延々と研究したり、一つの戦法・局面に妙な執着を見せたり、完全戦法・完全研究を求めたり研究者を目指すのか勝負師を目指すのか、大きな視野で考えた方がいいよって思う事はある。それって結構、何にも知らない子ども時代から無意識なんだけどやっている人とやっていない人がいるんだよね。私の経験上、それが出来る人は受験勉強も要領でこなしていって結構いい大学いってる感じ。私はそれが出来ないコでしたねぇぇ、あの時気づいていればなぁ…。
◎総括
ただの萌え漫画かと思いきや、裏テーマは「才能」というとっても残酷なテーマ。
個人的に将棋漫画の中で一番リアリティを感じます。
将棋が強ければ強い人ほどハマる、自分と重なると思うので高段者特有のサブカル興味無し!将棋命!って方も騙されたと思って3巻くらいからぼちぼち読んでみてください。
自分に才能が無い事を再確認すると同時に、それでもやらないといけないという気持ちになりますよ(笑) この漫画はモチベーションアップにもおススメ (^_-)-☆ 山形竜王あべしん推薦の1冊です^^
続く⇒『りゅうおうのおしごと!』は将棋上達のエッセンスがちょくちょく詰まっている【7~8巻の感想】
あべしん
・アマ五段(県竜王戦優勝)の四間飛車党
・中学、高校、大学、社会人で県優勝
→全国大会出場
・地元紙で将棋の観戦記を書いてます
・連絡先→kouteipengin6@gmail.com
コメント
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2018/03/30 編集
あべしん
自分がそれでダメだったからこそです(笑
2018/03/30 URL 編集
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2018/06/14 URL 編集
あべしん
あ〜原作の3巻って意味なんですね 笑
それにしても将棋文学で一番面白い・・・
ですか。
なんという魅惑のワード!!
漫画から入ったのでこの先の展開をネタバレしたくない気持ちと今戦っております。
情報ありがとうございます^ ^
2018/06/14 URL 編集